実況者が実況禁止ゲームを配信した上に“クソゲー認定” 制作者は「徹底的に潰します」と法的措置表明

実況禁止のゲームをライブ配信し、“クソゲー”認定

発端となったのは、ゲームクリエイターの飯島多紀哉氏が原作を務める『アパシー殺人クラブ』というホラーゲーム。飯島氏は、1995年に発売されたサウンドノベルゲーム『学校であった怖い話』のメインシナリオライターを担当したことなどで知られます。

そんな飯島氏が手掛ける『アパシー・シリーズ』の新作となる『アパシー殺人クラブ』が今月25日に発売されました。同ゲームは来月3日まで配信・実況が禁止されていますが、26日、あるゲーム実況者がTwichにて実況配信を実施。その後、自身のXに

クソゲーテイスティングの結果
「アパシー殺人クラブ」
をクソゲーとして【認定】します

購入予定の方、ぜひ再考下さい…
これ買うならコンビニでスイーツ買った方がいいです

と投稿しました。するとこの実況者に対して、実況禁止を指摘する声が上がった様子。しかしその後もこの人物は

色々と言われてるようですがそもそも【このゲームは実況禁止】なのを知らなかっただけなので 『実況禁止だから消して』 って一言くれれば消したのにw

ちなみにゲームの内容について ネタバレ禁止なので感想になりますが … めっちゃつまらなかったです

と、煽るようなポストの投稿を続けていました。

飯島氏がコメント

このポストは原作者である飯島氏の目にも留まることに。27日、飯島氏はXを更新し、

ゲーム実況のルールを守らない方がいるので僕は本当に悲しいです。こうやって作り手の気持ちを無視して喜んでいる方々に触れると、ゲームの価格を上げたり半永久的にゲーム実況を禁止せざるを得なくなります。

と投稿しました。今回のような制作者の気持ちを無視した実況者がいるために、たとえ売上が落ちたとしても実況を禁止せざるを得なくなるという飯島氏。その後も連投を続ける中で、「とても良い実況者さんがいるのも事実」「本当は削除したいゲーム実況もたくさんあって、ずっと悩まされてきたのも事実」と、葛藤も打ち明けつつ、「今後も僕の携わった作品のゲーム実況はすべて禁止といたします」と綴りました。

飯島氏は、相手側からの正式な謝罪がないことから、弁護士に相談することを明かし、「これからのクリエイターの卵たちを守りたい」「徹底的に潰します」と、断固として戦う姿勢を見せました。一方で、今回の件と過去は切り離して考えるとして、今後も実況に関するルールは変更しないと表明しました。

この動きに対して、騒動の発端となった実況者はこれまでの態度から一変、謝罪の意向を示します。しかし飯島氏は「謝罪と言いながら僕を怒らせようとしているのははっきりとわかります。 これは彼の罠だと思います」と切り捨てると、「皆さんが彼を許せないのであれば、放っておいてあげるのが一番」として相手にしないよう呼びかけました。

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『8番出口』の作者も反応

飯島氏のポストは大きな話題となり、多くの共感の声が集まることに。数々のゲーム制作者も賛同の声を上げる中、人気ゲーム『8番出口』の作者であるコタケクリエイト氏も自身のXにて

ゲーム実況は許可されてなかったら著作権侵害という意識は忘れないで欲しい

と実況禁止のゲームを配信する事を強く非難しました。

今でこそYouTubeなどでゲーム実況が当たり前となっていますが、そもそもゲーム動画を無断でアップロードするのは、制作会社の著作権を侵害していることになり、刑罰を受ける可能性がある行為です。ゲームの宣伝になるといったメリットから、ゲーム会社が黙認したり、一定のルール上で容認されているのが現実です。

今回の騒動についても、「最近は『実況してやってる』みたいな配信者多いよな。本来は『実況させてもらってる』立場なのに」「なんかゲーム配信者とかゲーム実況者が影響力と力持ちすぎなんだよな。ゲーム製作者へのリスペクト忘れるなよ？ ゲームなかったらお前ら何も出来ないんだからな？？」と、実況者への疑問の声が多く上がっています。