ポケモンGO運営会社を訪問した動画が物議 複数のYouTuberが釈明する事態に

複数のYouTuberがポケモンGO運営会社を訪問した動画が物議

ことの発端は、ポケモンGO系YouTuberの「やまだちゃんねる」（登録者数37万人）が7月20日に投稿した「Nianticに乗り込んだら…めっちゃYouTuberいるぞなんだこれ!!!【ポケモンGO】」というタイトルの動画。Niantic（ナイアンティック）は米国カリフォルニア州サンフランシスコを拠点としている会社ですが、この度その日本法人から複数のYouTuberが会社に招待されたそう。その一人だというやまだは「いい機会だと思いまして」「カチコミに行ってまいります」と、プレイヤー目線での疑問や不満を直接ぶつけたいと意気込みを見せていました。

ポケモンGOは、7月13日と14日に開催した大規模イベント「Pokémon GO Fest 2024：グローバル」において、特定の条件下で獲得したモンスターに特別な背景がついていない不具合と思われる事象が発生していました。この不具合はイベント終了後に発覚しましたが、1週間以上経過しても公式からの反応はなく、ユーザーの間では戸惑いや不満の声が上がっていました。

こうした状況でのやまだの今回の動画。この中では、同じくポケモンGO系YouTuberの「北山由里」（同13万人）や「shino」（同8.3万人）など多くのYouTuberが登場しています。しかし、肝心のNiantic社の社員との対談の様子はなく、終始YouTuber同士で仲良く談笑する内容となっていました。動画の最後にやまだは、対談の内容は「契約上言えないところがある」と前置きしつつも、運営側に懐柔されたなどといったことはなく、「今まで通り」言いたいことは言っていくと表明していました。

しかし、視聴者は先日やこれまでの不具合について運営を追及してくれると期待していたためか、この内容に不満をもった模様。コメント欄では「ここに集まったYouTuberは信用できなくなった、という内容ですね」「山田さん マジ がっかりやで 結局はナイアンの犬達が集まっただけの動画ですか？」「ただポケモンgo YouTuberのウェーイ動画を見せられただけ」と、批判の声が上がっていました。

YouTuberが続々と釈明動画を公開

これを受け、やまだは22日に動画を公開し、冒頭から「皆さんに不愉快な思いをさせてしまいまして、大変申し訳ございませんでした」と頭を下げて謝罪しました。当初はやまだ自身も宣言通り「カチコミ」のつもりでNianticを訪れたものの、現地で社員との対談の録画録音はNGだと告げられてしまい、やむなくYouTuber達と和やかに談笑する映像しか撮影できなかったそう。動画の編集は外部に任せており、動画内容の変更を伝えられていなかったため、タイトルなどが当初の計画のままで公開されてしまったとして「一番悪いのはもちろん僕です」と謝罪しました。

やまだによると、今回の集まりはYouTuber同士の交流とNianticの考えを表明する場であったとのこと。その後、Nianticから金銭をもらって言うことを聞かされていることは一切ないと改めて強調します。先日の不具合について「早く発表しないとユーザーが困る」といった趣旨の指摘はNianticにきちんと伝えたものの、今回の動画撮影までに返答はなく「どのような形で発表されるのか、それともやはり発表されないのか、この辺は我々も全くわからない状況となっております」と現状を説明しています。

YouTuberの人選については「なぜ自分が呼ばれたのかっていうのは基本的にわからない」と前置きしつつ、チャンネルのメインコンテンツとしてポケモンGOを取り扱っていることと、その中にリークや解析といったものを取り扱っていないこと、男女比率などではないかとやまだは私見を述べています。

北山やshinoも22日にこの件について釈明しています。北山は動画で、YouTuberそれぞれがNiaticの関係者と話し合う機会があったと明かし、そこで様々な要望や改善案を伝えていたとしています、そのうえで、「おそらくオブラートに包んで動画を作っていらっしゃったんじゃないかな」と他のYouTuberについて想像しています。shinoも動画で視聴者に「ゲームの動画投稿者としての認識の甘さ」があったとして謝罪しています。

これらのコメント欄には「ポケGOYouTuber皆さんが広告収益をつけずにこうやって1本の動画を出さざる得ない状況にとても残念だなと思いました」「秘密保持契約であり内容を話せないと分かった時点で、前回の動画はあげないという判断が正解だったんだろうね」「タイトルが悪かったねあれ」といった声とともに、「全ての元凶はナイアンなんだよ…」「ユーザーの窓口を広くしないナイアンが悪い」とNianticを批判する声が上がっています。

そんな中で、ゲーム配信者の「ゆずみん」（同8.5万人）が21日に公開した動画でこの件に言及。Nianticは不具合等を公にしたがらない「隠蔽体質」だと批判しました。そして、YouTuberがNianticに強く言えないのは、「ぶっちゃけたら自分の仕事なくなっちゃうから」と指摘。ポケモンGOをチャンネルのメインコンテンツにしていたり、収益の大半をポケモンGOの関連動画に頼っているYouTuberは、自分たちの生活に影響が及ぶため運営会社に強く要望を言うことはできないと持論を述べています。

Nianticは23日に公式Xで先日の大規模イベントでの不具合と思われる事象について「現在問題の調査をしております」と発表しています。