写真集クラファンで1千4百万円、“日本一美しいドラマー”大野真依「グラビアで世界が広がった」
今年3月に大阪・福岡のZeppツアーを開催し大盛況を呼んだ、今最も勢いを感じさせるガールズバンド「きみとバンド」。四者四様の個性が光るバンドメンバーの中、ドラマーの大野真依は今、「日本一美しいドラマー」として、バンド活動以外にもグラビアやモデル、女優、インフルエンサーとしてマルチに活躍している。きみとバンドのドラマー、グラビア、この二つの活動について伺いながら、彼女の精力的な活動の根源について迫った。
──今、大野さんにとって大きな武器であるグラビア活動。始まりは2019年からですよね。
大野 はい。とはいえそのグラビアは、一緒に活動していた子が賞をいただいて、そのバーターとして出していただいただけで(笑)。正直グラビアの知識はなく自分とは遠い世界だと思っていたので、もうこれっきりのお仕事だなとその時は思いました。
──では、今のようにグラビアの道が開くのは何がキッカケだったんでしょう?
大野 2022年に開催したクラウドファンディングを活かして制作した、1st写真集の発売が全てのキッカケになりました。仕事が少ない期間に配信ばかりをやっていて、その中でTikTokの方にも力を入れることにしたんです。最初は普通の自撮りをあげていたんですけどあまり伸びなくて。ファンの方と一緒になって「どうすればバズれるか?」を研究した結果、少しセクシーな投稿が流行っていたので、大人っぽい服装で投稿したところ再生数が増えるようになり、だんだんと“そういうキャラ”が定着し始めました(笑)。
その恩恵で配信を見にくる方も増え続け、そのうち「写真集出さないの?」「グラビアしないの?」という声をいただくようになったんです。どうしようかな、と事務所の方に相談したら、「やってみようか」とクラウドファンディングを始めることになったんです。
──結果、設定目標額の180万円は初日で達成。最終的には833万円、462%という、とてつもない数字を残しました。
大野 これまでもクラファンは私の個展開催や、CD制作のためにやっていたんですけど、どちらも2、300万円くらいの結果だったので、写真集も同じぐらいかな?と考えていたら……正直こんな反響が大きくなるとはびっくりでした。
これまで応援してくれた方々に向けての恩返しの気持ちで作ったので、この作品を機に新たに私を好きになってくれる方もいらしたのにも素直に驚きました。
──そして1st写真集『まいでーと』が完成。ご自身で完成した作品をご覧になった際、どういう感想でした?
大野 正直、自分の身体はグラビア向きだと思ってなくて。グラビア活動されている方に比べて優れたものはないし、グラビアの世界も良く知らないから、出来上がった写真を見ても何が魅力かはわかりませんでした。
ただ、これだけの反響があるということは、私が望まれていることなんだなとは思います。数字として結果がわかったことで「今の私が必要とされているのは、写真に撮られることだ」と、もっとグラビアや撮られる活動を頑張っていこうと前向きになっていきました。
──確かに写真集発売以降、YouTubeチャンネル「まいちゅーぶ」でも、露出を意識した投稿が増えました。魅力はわからないと言いつつですが、客観的にどんなところが多くに届いたと思いますか?
大野 ん~、やっぱりわかりません(笑)。「グラビアやってなさそうな人がやっているのが良い」と思われているのかな? 私が全くグラビアに対して無知で、そうした人が自分なりに考えたてグラビアを頑張っているのを面白がっていただけているのかもしれません。
──今年4月には『ビッグコミックスピリッツ』で表紙を飾りました。全国のコンビニ・書店に自分の表紙が並び、しかもデジタル写真集も1位を獲得と勢いは拡大し続けています。
大野 ありがたいなと思います。何が響いているのかわからないからこそ、常に「次どうしようかな?」とスタッフさんやファンの方の意見を素直に聞けるので、このまま進んでいけたらいいなと思います。作戦を立て始めた途端、「思っていたものと違う!」と言われ、離れてしまう気もするんですよね(笑)。
──次の写真集『Mai Dreaming』も目標設定額の300万を大幅に超える1238万円(412%)を達成。しかも昨年の2冊同時発売写真集に向けたクラファンも1400万円と前回以上の結果を出しました。
大野 やっぱり最初の写真集って特別だから多くの方に力添えいただけたんだろうなと思っていたので、二作目、三作目と続けてもたくさんのご支援をいただけたのは驚きしかありません。この先も、私のグラビアを求めていただける限りは、頑張り続けたいですね。
──ファンの声と想いこそが原動力だと。
大野 私、ファンの方によく「自分から辞めることはないよ。皆さんが求める限り私は頑張るよ」って言っているんです。きみとバンドもグラビアも、そのほかの事でも、私はファンの方が求めることを形にしていくことが、一番うれしいし達成感を感じるんです。
ファンの方が望むもの、見たいものをやって、その中で大きくなりたい。ファンの方の夢が私の夢にもなっていくんです。願うなら私の夢がファンの方たちにとっての夢にもなってほしい。一緒に夢がつながっていったら、とてもステキだなことだなって思います。
──きみとバンドには武道館ワンマンという夢がありますが、大野さん個人として辿り着きたい夢ってあるんですか?
大野 今は……正直ありません。「有名になりたい」という漠然としたものはありますが、それが叶うことが私の幸せになるかはわかりません。仮にものすごく有名になる一方でファンの方と触れ合う機会がなくなれば、それは良いこととは言えないな?って。
──大野さんのマインドはずっと、ファンに向けて配信を丹念に続けていた頃と何一つ変わらないんですね。
大野 はい。中身は何一つ変わらず、応援してくれる方と一緒に頑張っていくとが、私がこの世界で生きていく一番の理由なんです。それはこの先もずっと変わることはありません!
(取材・文/田口俊輔)
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