

武田鉄矢が語り続ける古き良き昭和の魅力 酸いも甘いも見つめ続ける“日本の教師”の背中

日本を代表する名優・武田鉄矢。「3年B組金八先生」や「101回目のプロポーズ」といった傑作ドラマへの出演だけでなく、先ごろ結成50周年を超えたフォークバンド・海援隊の一員としても一世を風靡した日本人の心に残る大人物だ。そんな武田は齢70を超えたいまも、「武田鉄矢の昭和は輝いていた」(毎週金曜夜8:00-~、BSテレ東)の番組MCをはじめ、ラジオやテレビ番組などで活躍中。日本人に愛され続ける武田の魅力について、いま改めて振り返る。
“人に届く言葉”選びを育てた武田の歴史
映画では「幸福の黄色いハンカチ」「刑事物語」、ドラマでは「徳川家康」「101回目のプロポーズ」「龍馬伝」など数多くの名作に出演している武田鉄矢。3人組フォークバンド・海援隊のボーカルとして昭和47年にデビューしたことをきっかけに芸能界に入り、昭和54年にはドラマ「3年B組金八先生」に出演し、海援隊が主題歌「贈る言葉」を担当したことで人気を確固たるものとした。
高校時代に読んだ司馬遼太郎の「竜馬がゆく」に影響されて、「海援隊」というバンド名にするほど坂本龍馬のことを敬愛している武田。2010年の「龍馬伝」に出演した際は、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで以来ファンだったことを熱く語っていた。
教師役を経たことがきっかけか否かは定かでないが、人に説いて聞かせることが非常に流ちょうな武田。ドラマの本番直前まで共演者と話し続けてしまうといったエピソードもたびたび聞こえてくるため、人と語らうこと自体が好きなのかもしれない。
武田を語るうえで欠かせないのが、“人に届く言葉”のチョイスだ。相手の背景に思いを馳せ、情感たっぷりの言葉を選ぶ武田。作詞を担当した名曲「贈る言葉」の歌詞にも見て取れる鋭くも優しい言葉選びは、本職の教師も顔負けといって良いだろう。
そんな武田だけに、ラジオパーソナリティや番組MCとしての腕もさすがのひと言。前述のラジオ「武田鉄矢 今朝の三枚おろし」などは1994年以来、30周年を迎える長寿番組だ。またBSテレ東の「武田鉄矢の昭和は輝いていた」では、彼の持つ温かさと“聞き上手”な一面も輝いている。
学び続ける“昭和のオヤジ”ならではの番組づくり
“昭和のオヤジ”といえば、言葉少なに背中で語るイメージが強い人も多いだろう。武田も福岡出身の“九州男児”で、どっぷり昭和の価値観のなかで生きてきたはずだ。だが武田は創意工夫をこらして言葉を尽くすエピソードが目立つ。
たとえば代表作となっている「3年B組金八先生」の劇中、「人」という漢字を使った説教の場面はあまりにも有名だ。実はこのシーン、台本ではなくアドリブだったという。飽きっぽい15歳の子供どもたちが黙って話を聞いてくれるような言葉、不良少年たちがギクッとする言葉はなにか…「わかりやすくて深い話をしないといけない」という気持ちから生まれたそうだ。
こうした“伝えるためにどうしたらいいか”という発想はドラマの外でも健在。有名なのは受験生に向けた講談で、2008年から2018年まで続いた東洋水産主催の受験生応援イベント「マルちゃん『がんばれ! 受験生応援会』」などでよく話題をさらった。おなじみである漢字の成り立ちエピソードをもとに、受験で味わった辛さが将来に向かって報われることなどを語っている。
2016年の同イベントでは「修」の字が“人の背中に水を浴びせるさま”を表していることを挙げ、“修”行が終わってホッとした先には心やすらかな「悠」へ変わる…と言葉を紡いだ。語る武田の目は厳しくも優しく、まさにドラマで見た教師像そのものだった。
漢字だけでなく、“古き良き”文化を大切にする武田。彼がMCを務める「武田鉄矢の昭和は輝いていた」(毎週金曜夜8:00~、BSテレ東)も、昭和の時代を象徴する“輝いていた”「人」「モノ」「できごと」から昭和の魅力を再発掘していく番組だ。昭和の名歌手をピックアップして振り返ったり、「名曲に登場する“花”」に注目して歌詞や楽曲の妙を解き明かしていく。
同番組のユニークなところは、“あの時代は良かったね”だけで終わらないこと。2023年におこなわれた10周年企画では「歌謡曲に描かれた焦土の東京」「戦後を生き抜く女性たちと東京歌謡」など6つのテーマを展開しつつ、名曲に描かれた過去の情景や込められた思いをつぶさに紐解いていった。昭和という時代の酸いも甘いも掘り起こし、噛み砕いて学んでいく。武田にぴったりの、さまざまなことを考えさせられる番組なのだ。
“昭和の魅力を再発掘”というと懐古主義的に聞こえるかもしれないが、新しい歩みを進めるためにも温故知新は大事にすべき考え方。そのなかで“なぜ昭和は輝いていたのか”を貴重な映像や証言を交えて解き明かしていく同番組は、平成・令和へと受け継がれていくべき“美徳”の宝庫といえる。
なお同番組は次回5月24日(金)に「昭和40年代ヒットの作詞家・橋本淳」を放送。「ブルー・シャトウ」や「ブルー・ライト・ヨコハマ」といった名曲を生み出した橋本のと独特な作詞方法に迫るという。
歳を重ねてなお歩みを止めずに進む武田の姿勢には、年代を問わずならうべきところが多い。今後もさらに深く濃い年輪を重ね続ける武田の歩みから、しっかりと学び続けたいものだ。
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