「帰ってきたらいっぱいして。」の福士まりかプロデューサーにインタビューを実施した

Aぇ! group小島健と浅川梨奈の“明るさ”に助けられ… ドラマPが明かす制作秘話とラブシーンの裏側<帰ってきたらいっぱいして。>

2023.11.30 05:00
「帰ってきたらいっぱいして。」の福士まりかプロデューサーにインタビューを実施した

Aぇ! group・小島健と浅川梨奈がW主演を務める「帰ってきたらいっぱいして。」(毎週木曜夜0:54-1:24、読売テレビ)が現在放送中。同作は、ましい柚茉の「帰ってきたらいっぱいして。~アラサー漫画家、年下リーマンに愛でられる~」(小学館「&フラワー」) を原作に、演出・澤田育子、脚本・下亜友美、プロデューサー陣も女性という、女性クリエイターが集結した女性ならではの視点で描かれるラブストーリー。

妄想シーン満載の“地上波ギリギリ”なラブストーリー

浅川演じる恋愛経験の少ないアラサーのTL(ティーンズラブ)女性漫画作家・福永朱音が、“参考資料”として、小島演じる年下イケメンサラリーマン・高城直哉と同棲生活を始める物語で、地上波ギリギリをつく大胆なシーンが随所にちりばめられている。

この度、WEBザテレビジョンでは、同作のプロデューサーを務める福士まりか氏にインタビューを実施。制作秘話やキャスト陣の魅力、今後の見どころなどについて話を聞いた。

新設枠でゼロからのスタート「やってやるぞ」

――新設された「ドラマDiVE」枠の一発目の作品となりましたが、この枠でドラマを扱うことになった経緯を教えてください。

これまで読売テレビでは、ローカルのドラマ枠がありませんでした。昨今、ドラマやストーリーコンテンツが重要視されている中で、読売テレビとして新たな枠を作ろうとゼロからのスタートとなり手探り状態でしたが、「やってやるぞ」という強い思いで動き出しました。

――では、一発目として同作に白羽の矢が立ったのはなぜでしょうか?

枠が新しくできると決まったのとほぼ同時期に、私が当時いた部署とドラマの部署に企画の募集がかかりました。私はずっと配信ドラマをやりたいと思っていて、今回3本の企画を出しました。

他にも多数の応募があったと思うのですが、その中で、今回一緒に組んでくださることになったエイベックス・ピクチャーズさんが目を付けてくださったのが同作でした。一番はタイトルの強さだと思います。また、刺激的なシーンが多くなるなど配信向きなドラマの内容だったとも感じています。

――福士さんが同作の企画を提案するに至った理由を教えてください。

私の友人に漫画編集者がいて、「いつかなにか一緒に仕事ができたらいいね」という話をずっとしていたんです。その話の中で、ましい先生の原作を教えてもらいました。まず、タイトルに惹かれ、実際に読んだらかなり刺激的な内容だったので、これをそのままはドラマ化できないけれど、漫画家と参考資料という設定も面白いし、うまくアレンジしたらとても良いドラマになるのではないかと思いました。

深夜のローカルドラマは、正直リアルタイムで見ることはハードルが高いと思うんです。なので、関西のみならず全国の視聴者に配信で見てもらうにはどんな作品がいいだろうと考え、刺激と癒しが共存している作品にしようと思いました。

私自身、仕事で疲れて家に帰ったとき、「30分だけ何か見よう」と思えるのは、そういった作品が多いと感じていました。刺激と癒しは一見相反する言葉ですが、それがどちらもあったらいいなという理想がまさに詰まった作品だと思い、同作を提案しました。

制作にあたっての不安も…「これって普通すぎるかな」

――“地上波ギリギリ”というコンセプトをうたっていますが、ドラマ化にあたって何か気をつけていることやこだわりはありますか?

“地上波ギリギリ”とあおっておきながら、ふたを開けたときに「全然大したことないじゃん」と思われないかと、正直とても怖くて、その点には常に気を揉んでいました。脚本の打ち合わせをしながらも、「これって普通すぎるかな」「どうしたら刺激と癒しを表現できるかな」と、毎日原作を読み込んで作品のことを考えていたので、だんだん感覚が麻痺してくるんです。

第1話が放送されたときは本当に眠れなくて、不安な気持ちのままリアルタイムでXを見ていました。その後、TVerや配信サービスでも配信され、さらに多くの人に見ていただきましたが、思っていた以上に皆さんが良い反応をしてくださり、やっと自分の中の不安が消え去りました。

小島さんのファンの方も含めて「ここまでやっていいの!?」といったリアクションで、キュンキュンというよりキャーキャーみたいな感じで盛り上がってくれたのがうれしくて。第1話でこんな反応だったらこの先大丈夫かなと、逆に心配に思ったくらいです(笑)。

――ラブシーンの撮影で心掛けていることはありますか?

現場では、演者と監督とプロデューサー陣で、どこまでどう演じるかをしっかり相談し、事前に監督と助監督さんが動きや流れを実演してくれるのがこの現場の名物みたいになっていました。センシティブなシーンはなるべくみんな外に出てカメラ1台のみで撮影するなど、演者への配慮や空気作りは欠かさないようにしました。

でも、主演のお二人がすごく明るくて、「全然大丈夫!」みたいな感じで。カットがかかった瞬間に爆笑しているぐらい本当に明るい雰囲気でいてくれたので、それにはすごく助けられましたし、頼もしかったです。

「“ラッキースケベ”がポイント」女性クリエイターの抜群のチームワーク

――今回クリエイター陣が女性ばかりということも一つのポイントだったかと思います。そのような形にしたことで、これまでの制作現場と違う感覚や手応えはありましたか?

女性目線のエッチさと男性目線のエッチさは違うと思っていて、この作品は、見方を変えたらただいやらしくなる可能性もある、そこが一つの懸念点でした。

また、朱音ちゃんの見え方には一番気をつけました。原作はまだ完結していないので、我々で最終話までのストーリーを考えたときに、一番最初のプロットでは、朱音ちゃんがいわゆる「軽い女の子」だと捉えられてもおかしくないような女性だったんです。高城くんと出会うものの、他の人との間でも揺れ動いて、自分の意思もなく流されてしまう…みたいな。でも、私の中ではそれは違うと思っていて。

朱音ちゃんは、同棲するのも「大好きな漫画家を続けたい、崖っぷちを脱却したい」という理由があるからで、シチュエーションがシチュエーションなだけで、エロにつながる展開はただの副産物というかラッキーというか…。元々下心があるわけではないということを大事にしたくて。

そういう「意図してなかったけどうれしいハプニングがあった」みたいなことを表現する“ラッキースケベ”という言葉があるのですが、最初に「“ラッキースケベ”がポイントなんですよ」と社内の打ち合わせで熱弁したときに、皆さん「何それ?」とポカンとしていて。話せど話せど、男性陣は「分からない…」みたいな感じになってしまって(笑)。

なので、監督も脚本家も女性がいいのではないかと思い、わがままを言わせていただきました。結果、社内的にも「女性クリエイターで固めるのがいいと思う」と言ってくれたので、感謝しています。

本当に、下さんの脚本には頭が上がりません。私が「なんかここ違うな…」と思っていることも全部下さんが先に「多分、朱音ちゃんはこういうこと言わないですよね」と言ってくれたり。下さんの一言には説得力と安心感があって、「分かってくれてる…!」と毎回感激していました。それがすごくありがたかったです。

澤田監督も、すごく楽しんでエネルギッシュにやってくださいました。ドラマをご覧いただいていたら伝わっていると思うのですが、ラブとコメディーを最高な形で表現してくださっていて。言わなくても通じるというか、原作もすごく読み込んでくれているのが伝わりました。本当に感謝しかないですね。

小島健は「いつもみんなの中心にいるムードメーカー」

――小島健さんのキャスティング理由と魅力を教えてください。

まず、読売テレビとしていろいろな番組でお世話になっているAぇ! groupさんにお願いしたいという思いがありました。高城くんは身長も高いし、エリートサラリーマンということでスーツを着るので、その姿が様になる方がいいと思っていました。小島さんがスーツを着て出てくると「リアル高城くん!」と感動するくらいばっちりハマっているので、今はもう、高城くんを演じられるのは小島さんしかいないと思っています。

小島さんについての前情報がなくて、最初に本読みでお会いしたときは、おとなしい人なのかなと思ったんです。多分そのときはすごく緊張されていたんだと思います。でも、現場入りしてからは、いつもみんなの中心にいるムードメーカーかついじられキャラで、人を惹きつける力を持っているなと感じています。東京でも大阪でもお仕事をしながら、毎日朝から晩まで本当に一生懸命撮影に臨んでくれたことも含め、リスペクトしています。

――浅川梨奈さんのキャスティング理由と魅力を教えてください。

朱音ちゃんという役は、やっぱりすごく難しいだろうと思っていて…。脱ぐシーンも多くて体も張るし、キスシーンも多いので。浅川さんは他の映像作品で知っていたのですが、器用でお芝居の幅が広い役者さんだと思っていました。朱音ちゃんは真っすぐで漫画に熱中すると周りが見えなくなるところがあり、愛されるキャラクターだと思っていたので、ぜひ浅川さんにお願いしたいと思いました。

出演を決断してくれたことには感謝しかなくて、終わった後に「本当に浅川さんでよかった」とご本人にも伝えました。朱音ちゃんのかわいさとコミカルさがとっても良く出ていると思っています。

浅川さんがいないシーンはほぼないぐらいだったのでせりふ量も多くて、かなり大変だったと思います。それでもとても頑張ってくれて、小島さんや技術さん、カメラマン、助監督、監督みんなとあだ名で呼び合うような雰囲気作りもしてくれました。浅川さんが自らそういうことを率先してやってくれる子だったから、みんなも絶対楽しかったと思いますし、みんなが浅川さんの明るさに助けられていました。

――撮影中の裏話があればお聞かせください。

撮影中、小島さんがダイエットを頑張っていて、ダイエットにはポップコーンがいいと、毎日のように大きなポップコーンの袋を現場に持ってきていました(笑)。

あとは最初の頃、朝ご飯にヨーグルトを買って来ていて、すぐに撮影に入ってしまったのでしばらく預かっていたんですよ。いつ食べるんだろうと思っていたのですが、夜になって「忘れてた!」と(笑)。まだ暑い日の外での撮影だったので、「食べたらお腹壊すからやめて」と言って食べさせませんでした(笑)。そんなふうに、食事に気を遣っていたイメージです。

浅川さんは、ディズニーリゾートが大好きなんです。実は私も元々ディズニーオタクで、学生時代は年間パスポートでかなり通っていて、それこそ一般の方には理解されないような遊び方をしていたのですが、そういったオタクにしか分からないことを浅川さんは理解してくれて。オタク用語が飛び交って、周りの人も「もう何話してるか分からない」となるくらい、二人の共通言語で話ができたのは最高でした。

美しいロケーションと表情は必見

――これまでの放送(第6話まで)で特に印象に残っているシーンを教えてください。

第6話ですね。脚本の段階からそうだったのですが、映像になったときに思わず「6話めちゃくちゃいいですね」と言ってしまったくらい、すごく感動する回になりました。高城くんがなぜこういう人になったのかが明らかになります。これまでにどんなことがあったのかを高城くんが初めて人に話せる回なのですが、その相手はやっぱり朱音ちゃんで…。

また、ロケーションがすごくいいんです。それは監督のこだわりで、「そういう大事な話をするんだったら、海が見えるきれいなところで撮りたい」とすごくこだわってくださって、映像で見たときに、お二人の表情も含めてとても美しいシーンになりました。

あとは編集部が大好きです!中村中さん、めがねさんのお二人の掛け合い、最高ですよね。毎話、編集部を楽しみにしてくださっている視聴者の方もたくさんいるかと思います。この先も編集部の二人は大暴走しているのでぜひ楽しみにしていてください。

――最後に、最終回に向けた見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。

第7話からは、宮崎秋人さん演じる桐原歩くんという朱音ちゃんの元カレが登場して、三角関係になっていきます。「ここにきて三角関係!?」という急展開なのですが、おかげで話がガラッと変わり、新たなフェーズに入っていきます。

高城くんと桐原くんに挟まれる朱音ちゃんという、現実にあったら誰もがうらやむシチュエーションや、これまではマンション、喫茶店、会社など屋内ばかりでしたが、外のロケーションに行くことも今後増えていくので、画としてもより楽しめると思います。

ドラマの中で、“爆裂仕事脳”という言葉がありますが、これは私もすごく好きな言葉です。朱音ちゃんは仕事が大好きで、自分の経験を全て仕事の肥やしにしようとするからこそ、何でもかんでも妄想するし行動に移してしまう。そこが本当にかわいくて愛おしいところだと思っています。

高城くんと桐原くんのバチバチ感も面白くなってくるので、その三角関係にも注目していただきたいです。謎に包まれていた高城くんの過去が明かされ、どうして朱音ちゃんと一緒にいるのか、そして漫画家と参考資料の二人の関係はどうなっていくのかを見守っていただき、ぜひ最後まで楽しんでいただけたらうれしいです。

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