

“オファー殺到”韓国の話題作に続々出演の女優キム・シンロクとは?<刑事ロク>

韓国の名優イ・ソンミンが主演を務める刑事サスペンスドラマ「『刑事ロク 最後の心理戦』シーズン2」。同作に主人公の上司“女性・青年課”の課長・ジュヒョン役で出演しているキム・シンロクは、長らく演劇の分野で活躍していた女優。OTTドラマ(ネット配信サービスを通じて公開されるドラマ)の発展と共にオファーが殺到し、現在、話題作には無くてはならない存在だ。俳優の他に教壇にも立ち、講演、執筆…と多岐に渡る活動で、友人に「人生を3つ生きている」と言われるワーカホリック女優・キム・シンロクを解説。(以下、ネタバレを含みます)
ジュヒョンのイメージは「圧力と風」
「刑事ロク」は、定年間近のベテラン刑事・キム・テクロク(イ・ソンミン)が、自分に殺人犯の濡れ衣を着せた「友」と名乗る脅迫犯の正体を明かすために奔走し対峙した事に始まり、その背後の政財界も巻き込んだ闇に立ち向かっていく韓国ドラマ。シーズン1が2022年、シーズン2が2023年の7月にディズニープラスのスターで独占配信された。
キム・シンロク演じるジュヒョンは、休職していたテクロクが1年半ぶりに復帰して配属された“女性・青年課”の課長でシーズン2から登場。原理原則主義者で公私の区別もハッキリしている人物だ。作品中盤まではテクロクの敵か味方かわからない“ナゾの人物”として、視聴者を混乱させる役割を見事に演じた。
ジュヒョンについて、彼女は「台本を読んだ時に“圧力”と“風”という単語が浮かんだ」と言い、「片手は拳を握り締めて復讐するが、もう一方の手では撫でて風を通す、両面性のある人物」と説明した。テクロクにとって敵か味方かわからないように、抑えた演技を心がけて、言葉や表現がどちらにも受け取れるようにしたそうだ。
主演のイ・ソンミンとは2作続けての共演
ジュヒョンはテクロクの上司。彼と対峙するシーンでは、「テクロクは年齢もキャリアも上ですし、イ・ソンミンさん自身も私より先輩なので、緊張しました。でも、その緊張感を克服して圧倒しなければならない事が、俳優としての課題でもあり、コシのある面もありました」と、手ごたえを見せた。
キム・シンロクとイ・ソンミンは、2022年にドラマ「財閥家の末息子」で父娘役として共演済み。「財閥家~」では、1:1のシーンがほとんど無く残念だったこともあり、今回、濃密な演技ができるのを期待して、オファーを受けた。イ・ソンミンは、監督から、ジュヒョン役がシンロクに決まったと聞いた時、「その子は“オレの娘”だよ」と言ったそうだ。
初のアクションシーンの出来は…?
今回、彼女は初めてアクションシーンにも挑戦。30代後半(現在42歳)までアクション俳優の夢があった彼女は、アクションスクールに通おうとしたが、監督から「内勤の設定なので必要ナシ」と言われガッカリ。だが、5話からアクションシーンがある事になり、急いで現場で指導を受けた。
彼女のアクションを見たイ・ソンミンは「演劇をやってたから、アクションも上手いかと思ったら…(笑)」と、後日のインタビューでからかっていた。「私が上手くこなせたら、フルショットで撮れたのに…」と心残りもあるが、アクションへの想いに再び火がついたようだ。
現在、新たな作品の為にアクションを習っていて、先生たちに褒められているそうなので、楽しみにその次回作を待ちたい。
学びが止まらない人生
キム・シンロクは、韓国のトップ大学・ソウル大学の地理学科出身だが、俳優への想いは中学生の時から密かに温めていた。
父親に「人生を学びなさい」と連れて行かれた小劇場で、俳優たちが本番前に黄色の照明の中でウォーミングアップする姿が「すごく真剣でカッコよく見えた」のがきっかけ。だが、周りの大人には「将来の夢」を聞かれても、「弁護士」「外交官」と言っていたそうだ。
大学で演劇サークルに入り、俳優になる事を決心。卒業後に、舞台女優としてデビューしたが、「サークルでは芝居が上手だと思っていたのに、ヘタすぎて迷惑をかけた」そう。
そこで、演劇全体を理解する必要があると思い、漢陽大学に入学。そこでは演出や舞台制作、演劇史など、演劇全般について教えていたので、大学院修士として卒業した後、演技の勉強だけをしたくて、韓国芸術総合学校へ。
卒業後、文化芸術委員会から支援金を獲得し、2年間、ヨーロッパの劇団を回りながら公演や訓練に参加。ニューヨークの劇団で学んだ事もある。彼女は、この時の経験を「外国で探索して、勉強し訓練した時間が今の大きな資産」と振り返っている。
ドラマに進出してまだ3年
そして、演劇界で活動する中、仲間と撮った自主製作映画をきっかけに、2020年に「謗法〜運命を変える方法〜」の巫女役でドラマに進出した。
「『謗法』に出て、カメラの前での演技がこんなに面白いんだ、と思ったんです。わからない事や、もっと知りたくなる事が多くて。それで、演劇をしながら年に1作品くらい出られたらいいな、と思ってたんですが、翌年『怪物』に出演した後は、積極的にこのフィールドで活動してみたくなりました。役の大小問わず、経験をたくさん積んでみたくなったんです」と言う彼女は、その後も「地獄が呼んでいる」「ある日~真実のベール」など、途切れずに話題のドラマに出演。
「地獄が呼んでいる」では、子供たちを守る為に自らを犠牲にする決断をする母親役で強烈なインパクトを残し、「第58回 百想芸術大賞」で最優秀助演女優賞を受賞している。なお、第55回、56回には演劇部門でノミネートされていた。この事からも彼女がどれだけ力のある俳優かがわかる。
インパクトの強い役が多い理由について聞かれた彼女は、「皆さん、私の柔らかい面よりはカリスマ性のある面を見たいようです。理性的な面が目立つけど、情熱や感性も一緒に見せてほしいのではないかと思う」と分析。
作品ごとに全く違う顔を見せ、歩き方さえ変わる彼女だが、「歩き方を特に変えようと考えてないんです。私は、衣装やヘアメイクなどにたくさん影響を受けるんです。運動靴を履く時とスリッパでは、歩き方や態度が自然に変わるじゃないですか。それと同じです」と語っている。
退屈が嫌いなワーカホリック
退屈が嫌いで、思いついたら即実行の彼女は、現在でも撮影スケジュールが重ならない時は演技論の勉強会やワークショップに参加したり、自ら主催する事も。講演を行うことや教壇に立つ事もある。また、大学院時代に勉強した演技論の教科書を再び読んだりもするそうだ。
さらに最近は、「どうして演技についての話を俳優ではなく演出家だけに聞くの?俳優たちには、学生時代や好きな食べ物についてだけ聞くの?職業人に専門的な職業の話を聞いてほしい」との想いで始まった、演劇人25人にコロナ前とコロナ後、各2回ずつインタビューした対談集「俳優と俳優が」を出版した。
今後も様々な方面で活動していく予定のキム・シンロクだが、俳優としては「作品ごとに新しい顔を見せたい。私の演技を見て、“こんな姿もあったの?”という発見ができる喜びを与えたい」と、夢を膨らませている。
◆文=鳥居美保/構成=ザテレビジョンドラマ部
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