

【漫画】タイタニック号沈没事故に隠されたドラマ… 最高の紳士たちの姿に「読んだらしばらく放心状態になった」

コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。春野ユウさんが約2年にわたる調査の上で創作した「愛しの友よ、最期の夜を」は、1912年に北大西洋で発生したタイタニック号沈没事故について綿密な取材のもと制作された作品だ。3000件以上のリツイートと9000に上るいいねを獲得した同作品の魅力をご紹介する。
「紳士として」この悲劇と対峙することを選んだ2人の姿
1912年、タイタニック号沈没を知らせる号外が街で配られるところから物語はスタート。新聞に載った被害者のリストを見ながら人々が大きく騒ぎ立てるなか、ベンジャミン・グッゲンハイム氏の兄・ダニエル氏は事故の生存者であるヘンリー・エッチェス氏に弟の最期について話を聞いたという。
「私たちはほとんど最後まで一緒におりました…」という言葉通り、彼はグッゲンハイム氏とその秘書であるヴィクター・ジリオ氏の動向を細かく話し始める。ジリオ氏はグッゲンハイム氏にとってとても仲の良い秘書であったようで、上下関係を感じさせない軽妙な2人のやり取りがエッチェス氏の記憶に残っていた。
注目すべきは、2人がタイタニック号の沈没は避けられないと知った後の行動。彼らは他の乗客から船が沈没するという警告を聞くと、“万一のための死に装束”とでも言うように紳士として見事な夜会服で甲板に現れたそうだ。彼らは客室係であるエッチェス氏に整えられた救命胴衣すら、脱ぎ去ってしまっていた。そしてグッゲンハイム氏は割り振られた救命ボートへと乗り込むエッチェス氏に、自分の家族へ向けて“ある伝言”を頼むことになる…。
「高潔な決意を手放しに賞賛するのは危険だなとも」綿密な取材と冷静な視点で描かれた作品
――本作を創作したきっかけや理由があればお教えください。
2人の関係や選択、また職業に関し、世界中であまりに多くの誤解が広まっていたことがきっかけです。 残された資料から察するに、グッゲンハイム氏は秘書ジリオ氏を大事に思っており、2人は仲の良い友人同士でした。そこを多くの人に知ってほしいというのが、漫画を描く原動力となりました。
――本作を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。
グッゲンハイム氏もそうですが、注目してほしいのはどちらかといえばジリオ氏です。 彼は「雇用主の言うことを聞かざるを得なかった哀れな青年」と思われることも多いのですが(実際その可能性もゼロではないのですが)、辛い経験をしていたという彼がグッゲンハイム氏に雇われてから幸せそうにしていたこと、彼が笑いながら「沈むなら綺麗な恰好で……」と言っていたこと、水泳の名手であったことなどは事実です。 そこを知ったうえで、彼の最後の選択について思いをはせていただければ嬉しいです。
――グッゲンハイム氏を推すようになったきっかけは何だったのでしょうか。
彼を調べ始めるきっかけとなったのは彼の最期の行動、また彼の同行者ジリオ氏にあまりに「謎」が多かったためです。 どうしてそんな選択をしたのだろう? 一緒にいた青年はどんな人物だったのだろう……と調べるうちに、いつの間にか2人とも「推し」と呼べるような存在になっていました。 グッゲンハイム氏だけでなく、ジリオ氏も同じくらい大切な私の推しです。
――グッゲンハイム氏とジリオ氏の「紳士として」という決意について、個人的な感想を聞かせてください。
想像しかできませんが、彼らは助かった後「汚名を着せられる」ことを恐れていた可能性があります。 グッゲンハイム氏はユダヤ系、ジリオ氏はミックスの青年であり、当時差別の対象となる属性でした。 彼らはその出自から、バッシングを避けるためにも高潔な振る舞いをしなければと考えていた可能性は否定できません。 更に2人が蒸気船の安全神話を信じていた可能性もあります。 こんな漫画を描いておいてなんですが、上記の理由から、私はこの2人の高潔な決意を手放しに賞賛するのは危険だなとも思っています。
――実在した人物や事故を取り上げる中で、特に気をつけていることがあれば教えてください。
誰かを悪者にしたり、悪印象を与えるような描き方はしないように気を付けました。 また、資料収集の際は独自で裏付けをとるようにし、できる限り名前の確かな生存者や関係者の証言を参考にしています。
――今後の展望や目標をお教えください。
他のタイタニックの乗員、乗客のエピソードも漫画にしたいと考えています。 またグッゲンハイム氏とジリオ氏についての調査は継続中ですので、今後彼らゆかりの場所へ直接取材に行くことも検討中です。
――作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。
資料収集だけでもかなり時間がかかるのでスローペースな作成になると思いますが、出来る限り誠実に漫画を描いていくつもりです。 またお目にかかれる機会がありましたら幸いです。
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