オリックスの選手がキュート&クールなアイドルに…ファン投票企画がスゴすぎたので、裏話を聞いてみた
2019年より開催されているオリックス・バファローズの女性ファン向け投票企画「オリメン投票」。毎年テーマが設定されており、今年は「アイドル」。本日4月27日には、選手たちが本物のアイドルさながらにかわいく・カッコよく決めたポスターが公開され、SNSで話題を集めている。今年のテーマが「アイドル」に決まった理由や、撮影の裏話、「オリメン投票」のねらいや球団にもたらす効果などについて、オリックス・バファローズ事業企画部宣伝グループの後藤俊一さん、船橋京子さんに話を聞いた。
2023年のテーマは「アイドル」、選手がキュートとクールの2ユニットに
2015年より始まったオリックスの女性ファン向けイベント「オリ姫デー」。当初は選手たちがその日だけの特別ユニフォームを着用するという形で盛り上げていたが、他球団のファン投票企画の好評などを参考に、2019年から「オリ姫が選ぶバファローズの推しメン(略してオリメン)投票」の企画が開始された。
本企画は単なるイケメン投票にはとどまらず、2021年は「カフェ店員が似合う選手」、2022年は「一緒にアウトドアを楽しみたい選手」と、「オリ姫デー」全体のコンセプトにちなんだテーマで投票を実施。結果発表ではカフェエプロンやアウトドアルックなどの姿が公開され、いつものユニフォームとは一味違った印象の選手たちにファンは歓喜した。
そして今年2023年のテーマは「アイドル」。「球場で熱く応援したい選手」へ、多数の投票と熱い応援コメントが集まった。テーマは社内協議で出し合いながら決めているとのことで、今年のテーマが「アイドル」に決まった経緯について、担当者の船橋さんはこう語る。
「選手登場曲など球場にはいつも音楽が流れており、元々野球と音楽は相性も良いです。『自分の好きなアーティストの曲をオリックスの選手が使ってくれている!』というきっかけで、チームや選手に興味を持ってくださる新たなファン層の流れも、SNSから感じていました。
今回のアイドルのイメージは、ドーム規模のライブを開催しているアイドルグループたちから着想を得ました。パステルカラーが似合う王道アイドルのキラキラ感も、クールなキメ顔のモノクロイメージも、両方とも選手イメージに合っていたため、キュートとクールの2ユニットを創ることに決めました」(船橋さん)
今年の栄えある首位に輝いたのは、WBCへの追加招集でも話題となり、「吹田の主婦」の愛称で親しまれる山崎颯一郎投手。同率含めTOP10の選手11名を、笑顔がかわいい「#B_Cute」とワイルドでおしゃれな「#B_Cool」2ユニットに分けて撮り下ろしたポスターのビジュアルは、まさにアイドル!とSNSでさっそく話題を集めている。さらに6月6日(火)~11日(日)の「オリ姫デー」当日も、推し選手のパネルをはじめ「アイドル」にちなんだ会場装飾や、コンセプトに合わせたグッズ・フードを計画しているという。
撮影では選手から「俺じゃないみたい!」という反応も
「オリメン投票」で驚いたのは、そのビジュアルのクオリティ。特に撮りおろしポスターは全員まさにアイドルそのもので、作り込みにかなりのこだわりを感じる。
「やるからには、とことんリアリティを求めています。選手たちがいつもすごく協力的なので、こちらもそれに報いるためにも、良質なアウトプットの創出を心掛けています。今回の撮影後は、多くの選手から撮影画像がほしいとリクエストを受けました」(後藤さん)
選手たちは、慣れない撮影にどのように挑んでいたのか。撮影秘話を聞いてみた。
「投球やバッティングフォームなど、ユニフォーム姿でのビシッとした表情の撮影とは大きく異なり、オリ姫デーの撮影では、普段試合で見せることのない柔らかい表情を前面に出せればと思っています。デートシーンをイメージしてもらうなど、オリ姫の皆さんに喜んでいただけそうな撮影を心がけています。
今回の“アイドル”の撮影では、雑誌などを参考にして、思わず選手自身も照れてしまうようなポーズのお願いもさせてもらいました。毎回、選手もとても協力的なので、ありがたく感じています。いざ衣装を着てカメラの前に立ってみると、スタッフからも『おお~!』といった感嘆の声があがり、気持ちよく“アイドル”になりきっていただけたのではないかと思っています!
また、メイクをしたりアクセサリーをつけたりすることで、選手からは『俺じゃないみたい!』という反応や、他の選手を見て『カッコいいなあ!』といった新鮮な驚きの声もありました。選手本人のSNSで自分の画像を投稿したり、チームメイトの画像を共有したりと、チーム内でも『オリメン』が浸透してきたのかな、と嬉しく思っております」(船橋さん)
球団の公式YouTubeチャンネル「BsTV(ビーズティービー)」でも、各選手の撮影の模様が順次アップされていくとのことだ。
“オリックス・バファローズらしさ”を追求
オリックスはYouTube公式チャンネルやイベントでも、様々な独自性のある企画を行っており、その企画力の高さを称賛する声も多い。球団内ではどのようなことを意識してアイデアを考えているのか。
「“オリックス・バファローズらしさ”を追求しています。『こういったことをやらせたら球界NO.1だ』と思ってもらえるように努力しています。また、他球団のファンから『うちの球団でもやってほしい!』『オリファンが羨ましい!』と言ってもらえると、非常に嬉しいです」(後藤さん)
SNS上でのファンの盛り上げにも力を入れており、普段からトレンド入りも頻繁だというオリックス。「オリメン投票」ランキング発表の際にも、1位発表のツイートが2.1万いいねを獲得するなど、大きな反響が見られた。
「今年の1位に輝いた山崎颯一郎投手への反響は、『きゃーーー!!』という悲鳴(?)から『納得!』『かっこよすぎる』といったコメント、いいね!が発表直後から止まらない状態でした。また宮城大弥投手も「可愛い!」のコメントの嵐でしたね。
ランキング発表の際には、オリ姫からの投票時のコメントも紹介しています。たとえば宮城投手は、『あざと可愛いところが天性のアイドル!』『愛され力と人懐っこい笑顔が王道』『とにかく癒される』などのコメントを紹介したところ、それに反応した形でのコメントや拡散が多かったです。韓国や英語圏からの投稿も多く見受けられました。また、他球団のファンからも『投票しました!』のコメントを目にしました。国境や球団を超えて共感し合う横の広がりも見られ、とても嬉しく思っています」(船橋さん)
そして「オリメン投票」や「オリ姫デー」を続けてきたことで、球団としてファン層拡大の確かな手ごたえも感じているという。
「2019年より『オリメン投票』を実施していますが、当初の投票数から約3.5倍まで増え、昨年比でも1万件ほど大きく増加しました。もちろん昨年の日本シリーズ優勝効果もあると思いますが、メディアに出る機会が増えてきたことで興味を持ってくれた新しい層の方が、そのままファンになってくれるきっかけのひとつになっていると思います」(船橋さん)
「2月の宮崎春季キャンプや、(ホームである)京セラドーム大阪でも、女性のお客様が増えてきた印象があります。バファローズには本当に魅力的な選手が大勢いるので、もっともっと知ってもらって、1人でも多くファンになっていただけるよう、これからも努力していきます」(後藤さん)
新たなファン獲得へ余念がないオリックス、今後の仕掛けにも注目だ。
※山崎颯一郎投手の「崎」は、正しくは「たつさき」
■取材・文/ザテレビジョン編集部
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