モデルプレスのインタビューに応じた高橋大悟さん(C)モデルプレス

【入社直前 新人アナウンサー】高橋大悟さん、摂南大学から初のアナウンサーに 受験失敗を糧に乗り越えた道のりを語る<学生アナウンス大賞 ファイナリスト連載>

2023.02.28 18:00

2021年の第1回より毎年行われ、今年3回目が開催される、次世代を担うアナウンサーを発掘するコンテスト「学生アナウンス大賞」。モデルプレスでは第1回のファイナリストにインタビューを行い、当時の思いや学生アナウンス大賞の経験について語ってもらった。

第1回は摂南大学4年、4月よりテレビ局のアナウンサー職に就く高橋大悟(※「高」は正式には「はしごだか」)さん。


高橋大悟さん、アナウンサーまでの険しい道程

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 新年度から実際に某局でアナウンサーになる高橋さんですが、「学生アナウンス大賞」に挑戦した理由、さらにはアナウンサーになろうと思ったきっかけは何ですか?

最初は中学生の時に生徒会に入り、そこで人前に立って話す楽しさと難しさを知ったのがきっかけです。将来の夢を考える時に、人と話しながら仕事ができればいいなと思い、営業マン・先生…その中に1つアナウンサーという憧れが出来て、中3の時にアナウンサーについて検索したんですが「高倍率」「基本的にはなれない」と書いてあり、親にも「あんたみたいなアホな子がなれるわけない」と言われて一度封印。

高校では野球部だったのですが、小学生の6年間サッカーをやっていて野球は中学から始めたのもありますし、甲子園に出たこともある古豪だったので周りも上手な子が多く、打てない、投げれないのもう下手で…。でも、唯一褒められたのが声だったんです。「高橋の声めっちゃ通るな」って先輩にも可愛がってもらったり、監督にも褒めてもらったり、そこで「自分の声って通るんだ」と自信がつきました。

結局、高校は技術というよりも声や後輩の面倒見を買って頂き副キャプテンに。

その頃に「人と話すの好きだな」「サッカーも好きだし、野球も好きだし、スポーツ全般好きだな」など自分の中で整理が出来て、「スポーツに携わりたい」「声を使う仕事」「人と何かを話す」という3つの軸が揃い、これはアナウンサーだと。高3になってアナウンサーを本気で目指し始めて、受験では社会学部メディア学科を志望してました。

― 一度は漠然とした夢だったものが現実味を帯びてきたんですね。

ただ、大学受験に失敗してしまい結局第4志望の後期受験で合格。行きたかったメディア学科も全部落ち、もう未来は無いと思いました。

大学が決まってから入学までの約2週間、アナウンサーになるためのステップが踏めないことでその夢を諦めないといけないのかなとか、高いお金を払ってもらって予備校に行って12時間以上勉強してきて、努力したら何でも叶うと思ってた人生だったんですけど初めて叶わなかったなとか、人生で1番の挫折でした。

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― そんなドン底状態から、再び前を向いたのはなぜ?

そこで、どれだけ努力しても叶わない夢があるなら、はなから高倍率のものであったり、周りから「無理だ」って言われてるような、すごい夢を目指してもいいんじゃないかと思うようになったんです。

― 人生1番の挫折で吹っ切れた?

もうやけくそですよね(笑)。大学受験に失敗していなかったらアナウンサーになれていなかったと思います。それぐらい一気に火がつき、悔いだけは残したくないと思えたのでアナウンサーに挑戦することを決めました。

「学生アナウンス大賞」が活きたこと

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 「学生アナウンス大賞」はどうやって知ったんですか?

母が「めざましテレビ」を観て、「こんなんがある」と。当初はなれるわけが無いと信じていなかった母も、なんやかんやで1番応援してくれていたみたいです(笑)。

大学の入学式の前に「大阪 アナンススクール 1番有名」で検索して3箇所周り、4月に入学式があって、5月にはもうアナウンススクールにも入学。親には入ってから報告だったので月謝は全部自分のバイト代で払っていてのその矢先に母から知りました。

― 1年生の春からスクールに通うのは早い方だと思います。その中で「学生アナウンス大賞」だからこそ得られたものを挙げるとしたら?

「経験」です。僕たちの時「学生アナウンス大賞」は書類が通ったら、オンラインのグループ面接、「めざましテレビ」の球体展望室でカメラテストがあり、最後にスピーチ。当時各局のインターンが始まる前にそれらが経験できたので、本番前に最後の調整が出来たというか、結果自信をつけることが出来ました。

― 実際に就活が始まってからも「経験」が活きた?

特にカメラ前でのテストは活きました。春からのインターンで試行錯誤して本採用試験に臨む人が多い中、自分は「学生アナウンス大賞」で試行錯誤が出来ていたので、インターンから良い感じに進めることが出来ました。

「学生アナウンス大賞」で学長表彰も 摂南大学初のアナウンサーに

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 取材前の様子から、「学生アナウンス大賞」で知り合った方々とは今でも親交があるんですね。

実は、大阪のアナウンススクールに通っていましたが、「学生アナウンス大賞」とほぼ同時期に東京のアナウンススクールにも通い始めて、毎週金曜に夜行バスに乗って土曜日の朝に東京に着き、土日レッスンを受けて日曜夜にバスで戻って月曜朝に大阪着くという生活を10ヶ月間ぐらい。「学生アナウンス大賞」で一緒だった瀬賀(凛太郎)くんともそこで知り合っていて、彼は1番古株だったので僕からしたら「うわ、すごい」みたいな感じでしたね(笑)。

― 体力的にはかなりハードかと思いますが、どうしてそこまで?

2年時でインターンに参加させていただいた時に、東京の受験者の凄さに圧倒されて…...。このままじゃダメだなと、自分も東京に出てさらに成長しないと内定しないなと危機感を抱いたからです。

― その努力があったからこそ4月からアナウンサーになれたんですね!

本当によかったです!

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 大学入学後はアナウンサーという夢に向かって一直線だったように思いますが、その中で「もうダメかも…」と折れることはなかった?

正直いっぱいありますよね(笑)。やっぱり試験に落ちたら落ち込みます。そもそも、僕の大学からは、過去にアナウンサーになった人がいないので、心細さを感じることや、試験に落ちるたびに、やはり無理なのかなと落ち込むことはいっぱいありました。そういうことを全部受け止めてきたので落ち込むことはいっぱいありました。

ただ、これも「学生アナウンス大賞」に繋がってくるんですけど、そこでアナトレ賞を頂けたことによって変わりました。モデルプレスさんの記事に載ったり、「めざましテレビ」に映ったりしたことで地元の友だちから連絡がきたり、大学でも「1年生の時に『アナウンサー目指す』って言ってたけど、本当に頑張ってやってたんだ!すごいね!」と反響がすごくて、悔しい時も自分を応援してくれてる友だちがいることが感じられました。

― 「学生アナウンス大賞」によって、より応援を感じられて、より力になったと。大学初というのも凄い快挙ですね。

アナウンサーに内定貰った時は嬉しい言葉を頂きましたが、 「学生アナウンス大賞」の時も反響が大きく、検索ランキングの上位に摂南大学が入ったり、記事やニュースを大学の先生や職員の方にも観て頂いて色んなとこに呼ばれ、最終的には学長表彰まで!

高橋大悟さんの悲しみを乗り越えた方法

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― モデルプレスでは、今さまざまな不安を抱えている読者に向けて、これまでの人生の中で「悲しみを乗り越えたエピソード」をお聞きしています。高橋さんの場合は、アナウンサーになるまでの道のりがそのものでしたね。

本当ですね(笑)。周りの環境を言い訳して、夢を目指さないっていう人も多いと思うので、情報に惑わされずに努力すればなりたいものになれたということもアナウンサーとして発信していきたいです。

高橋大悟さんの夢を叶える秘訣

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 高橋さんの“夢を叶える秘訣”もお聞きしたいです。

1つは「そもそも大きな夢を持つこと」。周りから色々言われても、まずはその夢を見続ける勇気、努力、が必要だと思います。

2つ目として「夢に向かって頑張る理由」、原動力みたいなところも大事だと思います。僕自身も研修を受けて一歩踏み出し始めているのですが、アナウンサーに内定して「よっしゃー!」で終わりではなく、その先アナウンサーになってからのほうが厳しいし長い。その中で何のために頑張るのかというのはすごく大事だと思います。

― 就活はもちろん受験などもにも通じるものがありますね。

なぜアナウンサーになりたいのか、なぜこの大学に行きたいのか。その先のことをわかっているはずだけど、いつのまにか消えてしまうのでしっかり心に止めておくのが大切だと思います。

高橋大悟さんからメッセージ「未来を変えられるチャンス」

高橋大悟さん(C)モデルプレス
高橋大悟さん(C)モデルプレス
― 最後に、これから第3回「学生アナウンス大賞」が始まるので学生たちにメッセージをお願いします。

第3回になって、インスタなど色んなところで目にする機会が増えているので、第1回をに挑戦した身としては光栄ですし良かったです。

自分の将来を変えるチャンス、所謂“きっかけ”はここにあるんだと思います。なので、躊躇わずに受けてほしいです。生まれ育った環境や学歴など過去と他人は変えられないけど、自分自身と未来は変えられる。その未来を変えられるチャンスがまさに「学生アナウンス大賞」にあると思います。

― まさしく「学生アナウンス大賞」のキャッチコピー『きっかけは、ここにある』ですね!

自分で言うのもあれなんですけど、そのキャッチフレーズは全参加者の中で僕が1番好きです(笑)。最後のスピーチ審査もそのテーマから入っていますし、『きっかけは、ここにある』オブザイヤー(?)です!!

― (笑)。今後テレビで拝見出来る日を楽しみにしています!ありがとうございました。

第3回「学生アナウンス大賞」概要

「第2回学生アナウンス大賞」の様子(提供写真)
「第2回学生アナウンス大賞」の様子(提供写真)
表彰式:2023年3月30日(木)
参加条件:2023年3月末時点で現役大学生・大学院生であること
主催:第3回学生アナウンス大賞実行委員会

『学生アナウンス大賞』は、全国の大学生にアナウンサーを目指すきっかけを与えるべく、2021年より発足したコンテスト。参加条件は大学生であることのみ。エントリーは公式LINE(https://line.me/R/ti/p/%40677earei)を友だち追加するだけ。

その後、書類審査やオンラインによるグループ面談、カメラテストなどを経て迎えた表彰式にてグランプリが決定。グランプリ副賞特典として、「めざましテレビ」出演権、「アナトレ」受講権、「CanCam」誌面出演権、「モデルプレス」出演権が授与される。(modelpress編集部)
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