渡部建の復帰から約半年がたった「白黒アンジャッシュ」

渡部建の復帰から半年…「白黒アンジャッシュ」プロデューサーが明かす舞台裏、復帰実現に至った“方向性の一致”

2022.08.09 08:30
渡部建の復帰から約半年がたった「白黒アンジャッシュ」

アンジャッシュの渡部建が「白黒アンジャッシュ」(毎週火曜夜10:00-10:30ほか、チバテレほか)に復帰して約半年が経過。1年8カ月ぶりの復帰となった2月15日放送回では下を向いていた渡部だが、現在では笑顔でゲストとトークを繰り広げ、番組はほぼ“平常運転”に。これには、優しく接する三村マサカズ(さまぁ~ず)、冒頭からハイテンションで渡部にツッコミ続けた劇団ひとり、鋭い質問で騒動について聞き出す千原ジュニア(千原兄弟)らゲストのさまざまな“いじり”による部分も大きいだろう。そして、伊集院光が出演した回では、千葉ロッテ・佐々木朗希投手が完全試合を達成した直後ということもあり、共通の趣味である野球の話で大いに盛り上がった。児嶋一哉が進行を担い、TVerでの配信が始まるなどの変化はあったが、番組としては「大きな変化はない」という。WEBザテレビジョンでは、チバテレの小森健一郎プロデューサーにインタビューを実施。収録の様子や番組の今後について、いろいろ報道されてきたことの“真実”などを語ってもらった。

“渡部建という人”を演じていただいているという感じ

――渡部さんの番組復帰から約半年がたちました。収録の雰囲気はいかがですか?

そうですね。普通にやっていますという言い方が合っているのかは分かりませんが、制作側は特に意識はせずにやっています。ただ、演者側は…特に渡部さんはかなり気を使ってやってらっしゃるなというふうには思います。

やっぱりご本人の中でいろいろ思いがおありなのかなと、はたから見ていて感じている時はあります。ただ、どちらかというと制作側が「こういう立ち回りでお願いします」とお願いしてやっていただいている部分もあるんです。それが、もしかしたら見え方的に「何か調子に乗っているな」と見えてしまうこともあるかもしれないですけど、基本的には番組側で“渡部建という人”を演じていただいているという感じですね。そうじゃないと(渡部さんの)良さが生きないというところもあるので。

ご本人的にはすごく反省モードというか、ずっとそんな感じですけど、バラエティー番組なのでそれでは困るじゃないですか。なので、「通常通りやってください」とこちらからお願いして、放送上はある程度そういう自粛モードから、渡部さんも徐々に変わってきているように見えるのかなって思いますね。

――復帰後初の放送では、児嶋さんとも目を合わせられなかったのが、最近は笑顔も見せるようになってきたことは、番組ファンにはうれしいことだと思います。

そうですね。最初は確かにいろいろ報道されたんで緊張感があったかと思いますが、収録回を重ねてきてだんだん慣れてきて、おっしゃる通り良くなってきているというのは感じます。

さまざまなゲストが“いじり倒す”

――いろいろなゲストの手によって、渡部さんも話しやすくなっていったのかなという印象も受けました。

ゲストは、渡部さんの復帰が決まる前から出演が決まっていた方もいるし、復帰が決まった後にオファーを受けてくれた方もいます。復帰前に決まっていた方にはもちろん(収録の前に)お伺いは立てたんですが、皆さんから「やりますよ」と言っていただいたんです。

番組の中でも話していましたが、皆さんが「(渡部さんとの絡みは)どうしようか」と思って来ていただいているんですけど、三村さんやひとりさんのような大物の方々にいじり倒していただいて、なかなか児嶋さんだけでは突っ込めないところまで聞いたり。渡部さんも基本的には逃げないので、僕らも知らなかったようなことまでお話していただいたりしましたね。

ジュニアさんは、渡部さんの復帰後に出演オファーを受けていただいたんですが、他の方にはできないだろうなっていう突っ込んだ質問をしてくださって。それが全然嫌味にならないんですよね。

やっぱり、うちにはなかなか来ていただけないような大物の方が、ああいうふうにいじってくださって、本人的にもいろいろ話す機会が設けられたというのは、(世間的には)どういうふうに受け止められているかは正直分からないですけど、ネットニュースなどではいい感じで書いていただいているのはすごくありがたいし、出ていただいているゲストの皆さんにも、本当にありがたいなと思っています。今、こういうふうに平常というか、普通にまた放送ができているのは、そういった方々の力のおかげだと感じています。

ほぼ取材されないまま記事に…「どれもほぼ違っている」

――復帰後はしばらくさまざまな報道がされていましたが、中には「それ違うよ」みたいなものもあったのでは?

復帰の話が出た時から、基本的に取材というのはほぼほぼ受けないまま記事にされています。例えばですけど、そういう過程とか、いろいろ話し合いがあったとか、それは当たり前のことなので聞かなくても分かると思うんですけど、たまに勝手に日付が入っていたりとか(笑)。率直に言えば(報道は)どれもほぼ違っているなと思っていたんですけど、(書いた人も)そういうのが商売なので別にどうこう言うつもりはないです。記事になったことで現場に何か影響があったということはないですし、どうしようもないことなので。

――逆に大きなピンチを一つ乗り越えたことで、チームの絆が深まったみたいなことは?

どうですかねぇ。元々、そんなに…(笑)。前からですけど、あまりそういう意識をしないようにみんなでやっていますね。以前、アンジャッシュのお二人がうちの番組について取材を受けた時に話していたんですけど、「長い番組だけど続けようね」とか「チーム一体感になってやろうよ」とかっていうのを、あえて強制しない緩い感じでやっていって、でも「気が付いてみたら何十年もやっていたね」みたいなのがいいんじゃないかと。今回も「いろいろあったけど続いているね」みたいな。そういう緩い感じのところは良くも悪くもありますね。

渡部さんが自粛した時も「番組どうします?」みたいな話にはなったけど、「残さなきゃいけないんだ!」とか「やっぱりやめた方がいいんじゃないか」じゃなくて、「まぁ、なくなったらしょうがないし、続けるなら続けようよ」って感じでした。番組当初からそんな感じでやってきていますね。

今回のことで注目していただいて、いろいろ御意見もいただけるようになったので、番組内容についても何かしようかねとか、そういうきっかけにはなったかもしれないですね。

復帰のタイミングでTVer配信がスタート「たまたま」

――番組が変わったことの一つに、渡部さん復帰のタイミングでTVerでの配信が始まりました。

実は、渡部さんの復帰とは関係ない時からやろうって話はあったんです。まだ渡部さんの復帰の話が出る前から、2022年の収録からやろうって決まっていたんです。そしたら復帰の話が出てきて、「じゃあ、そこからやりましょう」と後付けであのタイミングになったというだけで。「話を作っているだろう」と言われてしまうとは思うんですけど、タイミングは復帰に合わせる形になりましたが、元々TVerはやるつもりだったんです。

ただ、チバテレでは初めてのTVerということで、いろいろハードルが高いという部分もあって、ゲストさんの権利や納品体系、いろいろ検討しながら何カ月もかけてクリアしてきて、ようやくできるねというタイミングで復帰の話も出てきた。じゃあ、そこにしましょうかって。なので、実は今回の件とは切り離されているんですけど、たまたまタイミングとしては一緒になっちゃったっていう感じです。

本当は2022年1月(の放送)からやろうよって話だったんですけど、収録が前倒ししていることもあって撮り終わっていたので、2022年最初の収録に合わせたら、たまたまあのタイミングだったということです。

――TVerの反響はありますか?

この番組は全国的にネットしていますけど、これまで見てない方に見ていただいているなという感じで。番組スタッフでも東京の制作会社のスタッフとかは結構見ているみたいですね。特に今、東京ではテレビで見られないですし、アンジャッシュのお二人が八王子出身ということもあって、そういった形で見ている方がいるみたいです。統計的にも東京が多いと聞いているので、まあいろいろありましたが良かったかなと。

コンテンツとして作ったものがいろんな人に見てもらえる機会としてはありがたいので、3週遅れくらいで配信していますが、そういった中でも見ていただいている方が多くて、話題にしていただくことも多くて、“チバテレと言えば白黒アンジャッシュ”というところまでは何となく来たのかなということで、良かったかなと思っています。

渡部建復帰の実現は「4つの方向性が一致したから」

――渡部さんの復帰に関しては、いろいろ大変だったと思います。

やっぱり会社の上層部の理解を得られたのが大きかったかなと思いますね。プロデューサー判断だけでは絶対できないことなので。そういう上の人たちが動いてくれて、人力舎(アンジャッシュの事務所)さんにも動いていただいて、そしてスポンサーさんには背中を押していただけて。本当にありがたかったなって思います。

あと、いろいろ報道された中、残念ながらやめてしまった放送局さんもある中で、番組を続けていただいた各地のネット局のお力も大きいし、同業者としてありがたかったです。全部の局さんにやめられたらさすがに続けられなかったと思います。

そういう決定権がある人、うちの上層部、人力舎さん、スポンサーさん、ネット局さんの方向性が一致していたというところで、この4つのうちどれか一つでも駄目だったら、たぶん復帰は実現しなかったと思います。

だから、本当はスタープロデューサー的な感じで「僕が電撃的にやりました!」とか言いながらお話したいんですけど、まったくそうじゃない。正直言うと僕が決めてないのがちょっと残念で「俺がやった」と言いたいですけど、そうじゃないので、実はあまりしゃべれないんです(笑)。

今後も“芸人の魅力を引き出す”番組を

――番組としては、今後も特に大きな変化とかはなく、これまで通り自然体でって感じですか?

そんなに大きな変化はないです。うちの番組は基本スタジオトークで、(ゲストには)ひな壇に出て有名ではあるけど、あまり自分のことをしゃべる機会がない人たちが多くて。

うちのディレクターが“じゃない方芸人”を取り上げたりするんですよ。一組のゲストで二本撮りすると、1本目は全般的に、2本目は“じゃない方芸人”を取り上げる。それこそバイきんぐの西村(瑞樹)さんとか、宮下草薙の宮下(兼史鷹)さんとか、全然目立たなかった頃からフィーチャーして、魅力を掘り下げるみたいな流れがあるんです。

正直、画変わりがないので「テレビ的にちょっとどうかな」というのはあるんですが、そういう芸人の方が(他の番組では)じっくりトークする所がないので、日が当たらないところにも若干うちの方では当てて、「そこから活躍してくれるといいね」みたいな感じのスタイルでやっています。そこは差別化だと思っているので、今後も続けていきたいですね。

ただ、やっぱり画変わりがなさ過ぎるので、去年11月に千葉市さんの市制100周年というので、ザ・マミィさんとか吉住さんに出てもらってロケをやったんですよ。ああいうのがあるといいですね。芸人さんたちの魅力を引き出しつつ番組独自で発信していくみたいなものは、今後検討していくといいかなと思っているんですけど、何しろ予算がちょっと…(笑)。反響はあるんですけど、相変わらず予算がそんなにないってことで。

でも、こういったことを契機に注目されて、いろいろご意見をいただいているので、「何かちょっとでも取り入れてやっていこうか」っていうことは話しています。基本的にはこれまで通り“芸人さんの魅力を引き出す”というかトークをしていただいて、いろいろしゃべってもらうというスタンスで、今年の秋で放送18周年を迎えますが、これまで通りの「白黒アンジャッシュ」を続けていきたいと思っていますね。

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