

「鎌倉殿の13人」の裏側に密着「100カメ」スタッフが語る密着秘話とドラマの魅力<インタビュー>

6月14日(火)放送の「100カメ」(毎週火曜夜11:00-11:30、NHK総合) では、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)第23回の裏側に密着する。同番組は、気になる場所に100台の固定カメラを設置して人々の生態を観察するドキュメンタリー番組。
WEBザテレビジョンでは、6月14日(火)放送回でディレクターを務めた大木莉衣氏と、「100カメ」の桜井和紀プロデューサーに、大河ドラマ密着に至ったきっかけや、100台のカメラを設置する上で大変だったことなどといった密着の裏話、密着して感じた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の魅力などを語ってもらった。
桜井氏「ダメ元で『鎌倉殿の13人』制作統括の清水拓哉さんに相談しました」
――大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に密着することになったきっかけを教えてください。
桜井:「100カメ」という番組を放送するにあたり、NHKの中をのぞき見したいという思いがありました。たくさんの方が知っている番組の中で、少しハードルが高いかなという思いはありつつ、ダメ元で「鎌倉殿の13人」の制作統括の清水拓哉さんに相談しました。
――今回、今までとは異なって屋外での撮影に密着ですが。
桜井:いつどこで「100カメ」の撮影をするかという話し合いを、清水さんや大河ドラマのスタッフの皆さんとする中で、ちょうど今回の富士の巻き狩りのロケがあるというお話がありました。「100カメ」としても屋外での撮影はチャレンジにもなりますし、「鎌倉殿の13人」においても中盤の大事なシーンなので、ぜひ撮りたいと思い、撮影しました。
大木氏「ちゃんと『100カメ』のカメラで撮れてるかなと(笑)」
――悪天候で大河ドラマの撮影も厳しい状況でしたが、「100カメ」の撮影はいかがでしたか?
大木:曇りか雨だということは天気予報で分かっていましたが、富士山の麓ということもあり、途中で雪に変わってとても寒かったです。機材が大丈夫かなという不安もあり、今までの「100カメ」の撮影の中では、かなり難しい状況下での撮影でした。大河ドラマの撮影もとても大変そうでしたので、邪魔にならないように撮影していました。
――セットが倒れるような場面もありましたが。
大木:こちらの取材云々の前に、「大丈夫かな」「(大河ドラマの)撮影続けられるのかな」という思いが一番にありました。その次に思ったのは、ちゃんと「100カメ」のカメラで撮れているかなと(笑)。「100カメ」のディレクターとしての気持ちと、大河ドラマの撮影現場に一緒にいるものとしてはうまくいってほしいという気持ちのはざまで揺れていました(笑)。
大木氏「最前線が見える場所を探すのに苦労しました」
――屋外に100台のカメラを設置する上で、大変だったことはありますか?
大木:今回は、ドラマ本番の現場だけではなく、準備段階にもカメラを仕掛けました。助監督のスタッフルームや、スタッフ一同が介して行われる技術打ち合わせなどの現場にも設置し、ドラマ本番までの過程を追うような形で撮影しました。ドラマ本番の撮影では、現場が草原のような場所だったので、全貌が見える位置や、一人一人の動きが捉えられて、最前線が見える場所を探すのに苦労しました。また、ドラマ自体の撮影もあるので、映り込まないようにカットごとにカメラの角度を変えて撮影をしていました。
――100台のカメラで撮影をする番組ということもあり、やはりカメラの設置場所を決めるのが一番大事な作業なのでしょうか?
桜井:一番とはなかなか言えないですが、撮影によっては、事前の取材でカメラの置き場所を決めていくことが非常に大切です。ただ、何が映っているのか、全ての撮影素材を見てみないとわからないので、ディレクター自身が編集室に行って、約1000時間の映像を30分にまとめていく作業も重要で、全て甲乙つけがたい大変な作業です。
大木:現場の状況は把握できますが、どんな会話をして、何が行われているかというのは編集室に入ってみないと分からないので、撮れているものを見逃してしまうことが一番怖いです。普通のドキュメンタリーの撮影では、現場の状況を基に構成をしながら、撮影を進めていくことが多いですが、今回に関しては、撮影が全て終わった段階で構成していく流れになるので不安はありました。どこかにカメラを置いておけば撮れるという訳でもなく、事前取材がとても重要だと思っています。
大木氏「取材した身としては断腸の思いです」
――1000時間分の映像を確認するうえで、苦痛や大変だなと思うことはありますか?
大木:ラッシュ(撮れている素材を確認する作業)の時間は多かったですが、私自身、大河ドラマのファンということもあり、ドラマ部の皆さんの動きや、お仕事は非常に興味深かったです。本当にすてきな方たちがたくさんいたので、私も楽しみながら作業をさせていただきました。
――泣く泣く落とした場面はありますか?
大木:たくさんあります。今回は、演出の方々に絞っていますが、演出の中にも馬担当の方など本当にいろいろな方がいますし、美術の方たちが集まる美術会議なども撮らせてもらって歴史的な用語が飛び交う面白い現場でした。美術の方たちは、大河ドラマの世界観を作り出さないといけない人たちなので、とても興味深かったのですが、今回はアバンという最初の部分で紹介するだけになってしまいました。本当にそれぞれの方が、プロフェッショナルで情熱を捧げられているので、全体的にもっとたくさん紹介したいなという思いはありました。取材した身としては断腸の思いです。
大木氏「窓口的な役割で情報伝達をしていました」
――大木さんは今回の撮影の中で、どのようなお仕事をされていたのでしょうか。
大木:ロケの前は、事前に取材をしてカメラの設置場所を決めたり、アプローチする方々を決めたりする役割です。今回は、カメラが映り込まないようにカメラを実際に置くカメラマンの皆さんとドラマ部の間に立ち、窓口的な役割で情報伝達をしていました。
――大木さん自身が今回の撮影で新たに発見したことはありますか?
私自身、今回の撮影でドラマがどのように撮られているのかを初めて知りました。一文字とか一行であっても脚本に書いてあるものを実現するために、どれだけの労力がかかっているのかを知ることができました。場所や時間、俳優さんの動きなど本当に緻密に練って作られているのだなと感じました。その中でも、演出の方が考えた世界観を実現していくことが本当に大変だなと印象に残っています。
桜井氏「プロフェッショナルだなと感じました」
――改めて感じた「100カメ」の面白さを教えてください。
大木:今回の撮影の中で、助監督と演出の方が会話をしながら帰っていく姿が映っているのですが、固定ではなく普通にカメラを回して追いながら撮影をしていたら撮れなかった場面だと思います。カメラをあまり意識しない状態で出てくる言葉には印象深いものがあると思いますし、大変さや感謝の思いなどが漏れる瞬間というのを捉えられるのが「100カメ」の面白い部分かなと思います。
桜井:演出の吉田照幸さんがメロンパン好きだということなど、普通のドキュメンタリーとは違って、映り込んだものから再構成するというのが「100カメ」の面白さだと感じています。そこで、周りも気づかなかった人柄や、その人のキャラクターが浮き彫りになったりする部分が魅力だと思います。
――撮影現場に入ってみて、改めて感じた大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の魅力を教えてください。
大木:三谷幸喜さんの脚本の中に書かれている人間模様をどう描くかということを意識して作られていて、人の悩みや葛藤をどう表現するかをすごく考えて作っているのだなと感じました。ただ歴史を追うのではなく、そういう人間らしさが見られるというのが魅力かなと思いました。大河ドラマチームの皆さんは、大変な現場でもジョークや、面白い会話を挟んでいて、緊張感は持ちつつも、あまりピリピリしないように、それぞれが良い意味で気を使いながら作業しているのが印象的です。そのチームワークの良さが、現場作りで活かされているなと感じました。
桜井:今回、雨から雪に変わるという悪天候の中、キャストの皆さんは、当然薄着で足元は草履のようなもので、とても寒かったと思いますが、主演の小栗旬さんをはじめ、皆さん寒さなどおくびにも出さずに現場で佇んでいらして、プロフェッショナルだなと感じました。
大木氏「一番に思いついたのはイノシシの撮影です」
――今回の注目ポイントを教えてください。
大木:一番に思いついたのはイノシシの撮影です。本当に脚本には少ししか書かれていないですが、ドラマのロケ現場とは違う場所で撮っているので、違和感なく実際のロケ現場とつなげるためにいろいろ考えて撮影をしていて、イノシシを追いかける姿など同じ会社にいても、なかなか見ることがなかったので、本当に大変だなと思いました。同じディレクターとして尊敬の念も込めて印象に残っています。
今回、助監督や演出の方をメインにしていますが、それ以外にも、お弁当発注や宿発注、テントを張る方などいろいろな人がいることが伝わるようにしています。また、エキストラの方々の支度などもあまり目にすることのない場面だと思います。ドラマで見る時は、後ろの方に一部だけ映ることがあると思いますが、エキストラの方々にも細かい演技指導をしていて、本当に一つ一つこだわって作っているという部分を感じていただけたらうれしいです。
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