志尊淳、吉沢亮をリスペクト「役者として壁にぶち当たった」初大河ドラマで感じたこと<青天を衝け>
2021.07.15 00:00
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大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合、毎週日曜よる8時~)に出演する俳優の志尊淳が、このほど行われた取材会に出席。初となる大河ドラマへの思いや、主演の吉沢亮との共演エピソードなどについて語った。
大河ドラマ「青天を衝け」
今作は“大河新時代”第2弾、4Kフル撮影による大河ドラマ第60作。新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」を主人公に、幕末から明治の激動の時代を描く。脚本は連続テレビ小説『風のハルカ』『あさが来た』などの大森美香氏が担当。志尊が演じるのは、外国奉行支配・杉浦愛蔵(譲)。徳川昭武(板垣李光人)の随員としてパリ万博へ派遣され、そこで栄一(吉沢亮)と親交を深め、やがては家族ぐるみの付き合いをするほどに。明治維新後は静岡へ移り、やがて明治新政府に出仕して、栄一が立ち上げた民部省改正掛の一員に。前島密らと郵便制度の確立に努めた。
志尊淳、初の大河ドラマ出演 “武士らしくない” 杉浦愛蔵に
― 志尊さんは大河ドラマに初出演となりますが、出演すると決まった時のお気持ちと、役の印象についてお聞かせください。志尊:連続テレビ小説『半分、青い。』の時にご一緒させていただいた田中健二監督から、「こういう役があるので、志尊くんに出てほしい」と言っていただきました。僕はこれまであまり日本史などに関心を覚えてこなかったので、お話をいただいてから撮影までがすぐだったこともあり、時間がない中どれだけ役を作り込んでいけるのか不安だったのですが、それでも「ぜひ」と言っていただいたので、「僕に力になれることがあれば」ということで今回引き受けさせていただきました。大河ドラマに出るという喜びはもちろん、また同じ監督に呼んでいただけたことや、今まで総髪をつけて演じることがなかったので初めてのことができるというワクワクが大きかったです。
役柄の印象についてですが、お話をいただいた時は杉浦愛蔵という方が存在していたことを知らなくて、撮影に入る前にいろいろ調べさせていただきました。フォーカスされる前に亡くなられた方ですが、ものすごく功績を挙げていらっしゃる方で、かつ人柄も愛されている方。陰で渋沢栄一を支えていたという史実を拝見させていただき、もちろん武士の時代に生まれてきた方ですが、あまり武士らしくないと言いますか、いつも戦っているところと違うフィールドで栄一を支えられるような役柄にしたいな、そんな方なんじゃないかな、という印象を最初に持ちました。
― 武士らしくない印象だったとのことですが、そのために何かやっていたことがあれば教えてください。
志尊:一番最初は発声です。武士らしい役柄の方は、声や様で相手を威嚇するようなイメージなのですが、杉浦はものすごく学問に通じているので、どちらかと言うと知的で、気品があって、芝居の温度感としては内に秘めていく方向性のように感じました。それは演出について相談しながら感覚的に作り上げていきました。
― フランスへロケに行けないため、グリーンバックでのお芝居だったと思うのですが、その難しさや面白さについてはいかがですか?
志尊:(取材日時点では)まだ完成した映像を観られておらず、どのように仕上がっているのかわかっていない状態のため客観的には見られていないのですが、撮影は大変でした。ただ、グリーンバックでどのような映像が映し出されるのかを提示してくださって、イメージを沸き立たせることはできたので、その雰囲気を感じながら撮影しました。役者として難しいというよりは、スタッフさんのほうが技術的に苦労されていたという印象が強かったです。
志尊淳、吉沢亮をリスペクト「生半可な気持ちじゃできない」
― 杉浦はのちに栄一と親友となる役柄ですが、その過程をどのような距離感で演じていますか?志尊:杉浦と栄一の仲が深まっていく過程をすべて見せられるわけではないので、演じるうえでそこが本当に難しいところだなと思います。僕も具体的にどういうことをしたらいいのかなと考えていたのですが、監督が台本にはないところでわかりやすく仲を深めるようなシーンを作ってくださいました。
「仲良くなりましょうね!」「俺ら親友になりますからね!」と無理やり空気を作るのではなく、役柄・セリフを通して感じる距離感を大切にしたかったので、特にこれをしよう、とは決めずに、その場その場で栄一のサポート側にまわるというのを献身的にやることが、2人の絆に繋がるのかなと考えながら演じています。
― 吉沢亮さんの印象はいかがですか?共演前から変わったところ、逆に変わらないところがあれば教えてください。
志尊:吉沢さんとは過去にファッションショーで一緒になったり、同じ作品に出演したりして、ご挨拶させていただく機会はあったのですが、面と向かってしっかりお芝居をするのは今回が初めてでした。大河ドラマという歴史ある枠で、1年間同じ役を演じるということは、役者としてものすごく試される現場であり、戦うべきものがたくさんある作品だと思うのですが、僕と歳がひとつしか変わらないのにそれをやり遂げることに、いつも尊敬の眼差しで見ています。
とんでもない量のセリフで、かつ普段言い慣れないようなセリフを常に練習されていて、単純にすごいなと。生半可な気持ちじゃできないですし、どこかで息抜きしてほしいなと個人的に思ったりしています(笑)。でも普通に会話をする中で笑顔が垣間見える瞬間もあるので、良かったです。楽しくコミュニケーションをとりながら撮影しています。
― 2人の共演シーンでお気に入りのシーンはどこですか?
志尊:西洋の文化に触れて、初めてグラスとグラスを合わせる、乾杯のシーンがあるのですが、そこが好きです。栄一はみんなの前にいる時と、杉浦と2人きりで話している時のトーンが違っていて、栄一の何も気負っていない本当の姿を、杉浦には唯一見せているシーンなので、個人的にはすごく好きなシーンです。
― 志尊さんが思う、幕末の魅力と栄一の魅力をお聞かせください。
志尊:この間まで歴史について右も左もわからなかった僕が幕末の魅力を語るのはおこがましいのですが、みんなが命を懸けているところにとても魅力を感じました。何か失敗したら殺されてしまうし、自害するという選択肢もある中、ひとつひとつに責任を持って立ち向かっているなと。責任に対しての感じ方が違うからこそ、やりとりの中で情を感じる部分が強く、ひとつひとつに全力で向き合っている、今の時代とはまた違う良さであり、僕が好きだと思ったところです。
栄一の魅力についてですが、どの時代も、時代を切り開いている人や、挑戦している人はいると思うのですが、「あの人って本当にすごかったよね」と思うのはやっぱり後世というか、当時は気づかないということがあると思うんです。栄一はいろいろ挑戦して、いろいろなものを背負いながらも前に歩み続ける姿が素晴らしいし、自分を捧げて何かに没頭できるところも魅力です。栄一みたいな人は今の時代にもたくさんいると思うので、そういうところをもっともっと見ていきたいしサポートしていきたい。そして、自分自身ももっと挑戦していきたいなと思わせてくれる人だなと思います。
― 杉浦にとって栄一の存在はどのようなものだと思いますか?
志尊:昔の僕は「これはこうだからこうだ」と可視化して演じていたのですが、それよりも、普段僕自身が吉沢さんにリスペクトを感じることや魅力だと感じること、そういう空気感をお芝居で上手くリンクさせられたらいいなと思って演じています。自分ができないことを率先して前に出て、身を削って突き進んでいく姿に感化されることってあると思うんです。だからこそ「この人のためになりたい」「この人を支えたい」という思いが強いのかなと思います。
今回は栄一が主役ですが、前に突っ走る人だけが主役だとは思わなくて、それぞれの役割があってそれぞれが同じ比重を持っていろいろなものを感じなければいけない。だから「支える」=「従う」ではなく、大変な仕事に全力で注ぐという感覚で見ています。自分にはできないことができるから素敵だなと思える、だからこそついて行きたくなるのだと解釈しています。
― パリでの出来事は杉浦にとってもすごく大きな出来事だったと思うのですが、志尊さん自身はどのように想像していますか?
志尊:あの時代に航海して異国に行くことは、ある種生きて帰れるかわからない、というところと戦っていると思うんです。外に出ることはどれだけ大変なことか、杉浦は2度目になるのですが、命を懸けてパリに栄一と同行している。“同じ釜の飯を食う”ではないですが、それぞれにしかわからないことは必ずあると思うし、何にも代えられないものなんだろうなと感じました。2度も命を懸けて海外に渡航して、海外の文化を学び、それを日本にも伝えたいということにすごく誇りを持っているのではないかなと思います。
志尊淳「役者として壁にぶち当たった」大河ドラマの現場で感じた手ごたえは
― 撮影が進む中で、役者として大河ドラマの現場で感じた手ごたえをお聞かせください。志尊:手ごたえは正直まだあまり感じられていないです…(笑)。というのも、現代劇なら正解だと思ってやれる自信はあるのですが、時代が変わったことにより、僕は最初の所作指導から衝撃を受けたんです。普通に歩けないし、普通の言葉も通じないのでアドリブもできず、役者として壁にぶち当たる部分がすごくありました。ただ、そこに囚われすぎて、精が入らなくなるのは違うなと。もっと時間があったらなと思ったりもしたのですが、それは視聴者の皆様には関係ないことなので、出来る限りのことはやらせていただいています。
― 杉浦もこれから激動な時代を辿りますが、そこに対しての意気込みをお願いします。
志尊:パリで航海している時よりも、パリから戻って静岡藩に行ったタイミングで経験を活かせることや、杉浦に求められることも増えていくと思います。胸を張ってプライドを持ち、杉浦が生きてきた功績を、自分が役を通してしっかりと伝えていきたい気持ちです。自分が役者としてこうしたいというよりも、恩着せがましいかもしれないですが、少しでも杉浦愛蔵という人物を知ってもらえるように向き合っていきたいです。
― そういう意味では、手ごたえはこれから積み上がっていく?
志尊:僕はどの作品に対しても手ごたえを感じるタイプではないんです。それは結局主観的な判断であって、僕が手ごたえを感じたとしても客観的に見たらダメなこともあると思うんです。慢心をしたくないという思いを込めて、いつも自信がないというか、まだまだだなという思いを忘れずにやっていこうという思いが強いです。
― ありがとうございました。放送を楽しみにしています!
“慢心したくない”―――謙虚で誠実な志尊の人柄が、主人公を支える杉浦愛蔵という人物にどう反映されるのか。引き続き注目していきたい。(modelpress編集部)
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