<W杯日本代表帰国 会見全文/後編>長谷部誠&西野朗監督“次”に寄せる期待と改善点「世界と渡り合える力を持っている」
2018.07.05 17:13
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2018FIFA ワールドカップロシアの試合を終えた日本代表(SAMURAI BLUE)が、5日に帰国。西野朗監督は、キャプテンを務めた長谷部誠選手、日本サッカー協会会長・田嶋幸三氏とともに帰国記者会見に出席し、今後について語った。以下、会見後半部分のコメント全文。
質疑応答
― 長谷部選手へ Instagramでの代表引退表明の661文字が本当に大きな感動を呼びました。どのように捉えていらっしゃいますか?長谷部:そうですね……感動してくださったというのは本当に初めて聞いたんですけど(笑)。多くの反響は頂いて、何物にも代え難いものですし、ほんとに12年、13年日本代表としてプレーさせて頂いて、今正直、もうこの会見が終わったら僕の日本代表としての、公式的なものがすべて終わりになるので、ほんとに喪失感がすごいですね。今まで長い時間ここにいさせてもらった中で、それがなくなるという。帰りの飛行機で窓から外、雲見ながらちょっとこう感傷に浸ってたんですけど。今ほんとに99%の満足感と、そして1%の後悔。まあその1%の後悔はこれからのサッカー人生、そしてその後の人生につなげられるようにやっていきたいなと思っています。
― 長谷部選手へ 次世代の代表を担う選手たちに受け継いでほしいことや信条があれば…
長谷部:そうですね…散歩タイム続けてほしいなと思いますけど。僕もそんな散歩はしなかったんですけど、あれもコミュニケーションの1つなので、いいなと思う部分もある。今はちょっと皆さんに笑ってほしかったんですけど…(笑)。今回のワールドカップを通じて、西野監督が言った通り、ほんとに選手たちが自分たちがやらなければというそういう気持ちをみんなが持って作り上げていった戦いだと思うので、やはりこれというものは日本代表チームのもちろんベースとなってくると思いますし、まあそれは今回も若い選手たちたくさんいたので、そういう選手が引き継いでくれるものだと思っています。
― 監督人事については白紙の状態ということですが、西野監督ご自身の今後は?
西野:契約は、今月の末日なんですけど。瞬間からワールドカップ終了までという気持ちだけで、やってきてましたので、今は途中で形になりますけども、任期を全うしたいという気持ちでおります。
― 長谷部選手へ 日本代表引退を大会前から決めていたことについて、最後が来るとわかっている中でどのような思いで戦っていたのか
長谷部:日本代表というところは本当に特別な場所で、いつ誰が選ばれるかわからない。今度代表、9月の代表に呼ばれなかった今回の選手たちも元代表という肩書がつくそういう場所ですね。なのでこれまでは目の前の1試合1試合が最後のつもりでこれまでもやってきて、それはこの大会も変わらなかった。今回も心の中に秘めていた部分もあった中で、1つ1つのプレーに想いを込めながらやってましたし…終わったなという感傷的な気持ちもあります。
― 長谷部選手へ 今世界中で話題にベルギー戦の後のロッカールームについて、これはどなたが発起人となってやったのか
長谷部:日本代表スタッフの方が、ほんとに毎試合ロッカールームのすべてキレイに片付けて、そして帰るということをしてくださっていて。ほんとに日本代表スタッフの方々も選手として誇りに思います。それだけではなく日本代表サポーターの方々がスタジアムで試合が終わった後にゴミ拾いをしてくださったりとか…。僕は海外に住んでいて、日本代表として色んな国に行く機会があるんですけど、ほんとに日本ほど街が綺麗な国はないんじゃないかと思うくらい。日本という、場所、人、そういうすばらしい精神を持っていると思うので、それは1人の選手として1人の日本人として誇りに思います。
― 西野監督へ ベルギー戦の後のインタビューで「何が足りないんでしょうね?」とおっしゃっていました。一方、今日は4年後につながる成果をあげたということもおっしゃっています。今“足りないもの”は何だとお感じでしょうか?また、今回の経験を踏まえて、サッカー協会に伝えたいことは?
西野:ゲームが日本に好転している中で、まさかあのシナリオは自分の中で考えられない状況でした。先程も言いましたけども、あの30分間の中で自分が判断できる、そういうスピード感というものが全く自分になかった。その中で、判断とか、選手にメッセージだとかっていうものが…まさかああいう状況が自分なるとは考えられませんでした。ベルギーに対して3点目いけるというチーム力に自信を持っていたんで、実際チャンスもありましたし。私だけでなく選手もまさか30分だったと思います。それに対して選手がというよりは、何が足りないかっていうのは自分にとって自問していた。こういうときにこういう感覚が働けばよかったとか…。グループステージの3試合目もあるんですけど、そういうチームが1つとなっていく、方向性を出せる瞬間っていうのは本当の瞬間で、それが出来なかった時の残り時間に対して何か足りないんだろうなっていう思いです。自分に対してです。
これからですけども、一朝一夕に爆発的に成長していくっていうことはないと思います。今日本のアンダーカテゴリーの代表チームは、これはほんとに期待できます。U-20、U-17、ほんとに世界と渡り合える力を持っていると思います。これは着実に対して、協会が働きかけた今の状態だと思いますし、単純に4年後カタールにということを漠然と言っているわけではなくて、着実に下のカテゴリーの選手たちの底上げ、A代表もわかりません、U-20の選手が取って代わるような状況にもあると感じています。ほんとにスケールの大きい且つ日本人らしいボールを使ったサッカーが出来る。そういう期待できる育成に対して、さらにっていうところをかけていかないと、一朝一夕にA代表にいかないと思います。そういう部分で海外組と国内組っていう選手たちが融合していかないといけない。そこの難しさ、これはシーズンが違うからです。これを合わせていくというか、9、10、11月のA代表の活動が、非常に毎年毎年強化にならないぐらいの状況、それはシーズンが違うからです。そういうこともありますし、選手たちのステージがそれぞれ違うっていうところも。個は成長していくものの、チームとしてA代表として、各カテゴリー20も海外で選手たちもいますので、選手たちの融合。チームとしても改善はなかなか難しいんですが、考える必要があると思います。
田嶋幸三会長から改めて…
田嶋:今日はありがとうございます。まずロシア大会を振り返って、私がロシアで長く滞在することがなかったので、大会前と大会後でほんとにイメージが変わったということ。ロシアの人たちがほんとに親切で、高潔性があり、大会の組織運営もほんとにすばらしいものでした。先程あったように各クラブが持っている施設も、スタジアムもほんとに施設でした。改めてロシアの組織委員会、ロシアの皆さんに感謝したいと思います。そして2ヶ月前に1%でも勝つ確率をあげたいということで入ってきました。そして出発前の会見でも西野さんが「小さな奇跡を起こしたい」というふうな形でおっしゃった、そういう中で、ベスト16に入れたというのはほんとに選手たちみんなの努力だと思っています。改めてそこは私は誇りに思います。長谷部選手、本田選手たち、代表引退するっていう言葉があるのかどうかはわかりませんが、ほんとに長く代表に貢献してくれたことに感謝したいと思います。そしてその次につながる選手をしっかり育てていくというのが私たちの役目だと思っています。そしてサポーターの方々のことや、そしてロッカールームのことを話題にしてくださいましたが、もうSNSでも十分触れられていますが、タイの洞窟に閉じ込められているサッカーチームのみんなに代表選手たちがエールを送りました。こういうことが自然に出来るようになったというのは、日本のサッカーがほんとに成熟してきてるんだなという風に改めて思います。彼らが無事救出されることを祈りたいと思います。
西野さんとは、終わった後長い時間話すことが出来ました様々な事を。先程ありましたように7月末で任期が満了することになります。西野さんとは40年以上の付き合いで、僕がこの監督の任務を西野さんにお願いする時に、西野さんからあったのは、結果がどうであれ、この大会が終わったらということを約束しました。その約束はしっかりと守りたいというふうに思っています。ですから、そこのところで慰留することはしませんでした。この7月末をもって日本代表の監督を終了することになりますが、また違った形で様々な形で貢献し、サポートしていただければと思っています。
西野朗監督のメッセージ
西野:自分のキャリアはユース、U-20をやり、オリンピックの監督も経験させてもらい、そして長くJリーグ、シーズン続けてやってきましたし、その上でサッカー協会から2年、 監督ということでまあ自分とすれば、すべてのカテゴリー、クラブで経験させてもらいました。ほんとに大きな最後のミッションだったと思いますけど、7月末で契約満了っていう中では精一杯仕事をさせていただきますけど、ワールドカップを総括するっていうことには自分の中ではいかないです。これはもちろん4年かけて長谷部以下、みんな選手たちが切磋琢磨してロシアを目指した、そのアプローチに自分が最後46日間だけ一緒にいさせてもらったっていう中で、振り返ることは全てはできないです。ほんとに現場の選手たちの思いというのは想像以上に強く、そういう選手たちのリーダーとして、心の内を前日に長谷部が夜中にきて代表引退ってことを自分に伝えてくれたんですけど、心のうちは「えっ?」っていう感じ「まだだろ」って感じはありますけど、それも想像以上の長谷部の気持ちがあり、そこも計り知れないものがありますし、長谷部の決断したことを尊重したいと思ってましたし、そういうリーダーの力に導かれた代表チームっていうものを、ほんとに計り知れないものです。
次代のリーダーがどういう形になるのか、これはほんとに大変なポジションだと思いますし、そういう選手が長谷部を超えるようなようなリーダーシップをもった選手がといけないというのを強く感じます。本当にチームはたくさんのスタッフに支えられてできているっていうのを感じていました。ほんとに大切さを感じましたし、ありがたく思っています。根底にあるのは国民のサッカーに対する関心、興味っていうものをもっともっと増えていく活動を代表チームは絶対しなければならないと強く感じてます。間違いなく未来は、アンダーカテゴリーも含めて素晴らしい世界での活動があると思いますので、皆さんもたくさん応援してあげてほしいなと思います。本当にありがとうございました
(modelpress編集部)
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