書家・中塚翠涛が快挙「見る者を圧倒させた」と絶賛の声
2016.12.27 18:15
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書家の中塚翠涛が、フランス・パリ、ルーブル美術館地下会場カルーゼル・ドゥ・ルーブルで開催されたSociete Nationale des Beaux-Arts2016サロンに招待作家として選出され、そこで発表した作品がインスタレーション部門にて「金賞」と「審査員賞金賞」をダブル受賞した。
Societe Nationale des Beaux-Arts(ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール:フランス国民美術協会)とは、ロダンらが現在につながる礎を築きフランス具象派の流れを忠実に守り続ける、150年を超える歴史を持つ美術団体。歴代会員には、マティス、藤田嗣治、横山大観などがおり、また、フランス歴代大統領が後援する唯一のサロンでもある。
中塚翠涛の作品
今回、中塚は、会場エントランスにあたるホワイエスペース約302.5平方メートルに、自身が大切にしている言葉「一期一会」をテーマとした作品を、和紙と墨、映像、彫刻で表現。書の表現は、瀬戸内海を臨む豊かな自然の中、一日の時間と共に変化する波の音、鳥や虫の鳴き声を感じながら制作し、映像に使用した音は、硯を磨く音や、制作地の自然の音、日常の喧騒など瞬間の出会いを拾い集め、大切に楽曲化。また、展覧会の約1か月前に現地入りし、パリで感じた色、空、風を込めた作品や、石版画工房idem Parisで制作したリトグラフも初披露。中塚が、幼い頃から魅了されてきた言葉の力と、日本の自然や生命そのものの美しさを、書で結んだ作品となっている。
受賞理由と喜びのコメント
今回の受賞理由として審査員の一人は、「300平方メートルを超える規模の空間を見事にコントロールし、美術空間として成立させ、見る者を圧倒させた。とても自分らしく生き生きとした表現の作品を創作できていることは称賛に値する」とコメント。中塚は「自然や四季の移り変わりや生命の変遷、人やものとのひとつひとつの出会いが私の人生に新しい彩を加えてくれました。今回の展示に来てくださった方が私の作品に出逢い、その瞬間が永遠の結びになることを願っています」と感謝を述べ、今回の受賞については「時差や文化の違いもあり、色々なことに普段の3倍、4倍の時間を要しました。けれども、日本でもフランスでも、自分の創りたい空間を実現するために素晴らしい方々にご協力いただき、このような名誉ある賞をいただけたことに感謝いたします。この経験から生まれる一期一会を大切に、今後の活動の糧にしていきたいと思います」と喜びを語った。(modelpress編集部)
中塚翆涛(なかつか・すいとう)プロフィール
岡山県倉敷市出身。4歳から書を学ぶ。大東文化大学文学部中国文学科(現・中国学科)卒業。古典的な書をもとに、様々なジャンルの題字やロゴ制作に携わる。創作活動と同時に、沢山の人に手書きの良さを知ってもらいたいとの想いから、2009年に著書『30日できれいな字が書けるペン字練習帳』(宝島社)を出版。発売してすぐに書店で話題を呼び、ペン字練習本の中で実用書の決定版の本となる。シリーズ累計発行部数は366万部を超える。
また、Moet et Chandon、PRADA、dunhillなどでも実績があり、日本のみならず、ヨーロッパ各国も中塚の作品に魅了されている。
【Not Sponsored 記事】
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