週刊誌との攻防・独立潰し…柴咲コウ主演『スキャンダルイブ』が描く“芸能界の闇”が生々しい
近年、良質なドラマを制作しているABEMAが、再び話題作を生み出しそうだ。ABEMAは11月19日より、柴咲コウが主演を務めるオリジナルドラマ『スキャンダルイブ』の配信を開始した。同作は、芸能事務所と週刊誌の攻防戦を軸に、スキャンダル対応を通じて芸能界の裏側を描き出すサスペンスドラマである。
主演の柴咲コウは、独立系芸能事務所の社長である主人公・井岡咲を演じる。対する週刊誌記者の平田奏を川口春奈が担当。さらにSUPER EIGHTの横山裕、柄本明、ユースケ・サンタマリア、鈴木保奈美、前田敦子など、豪華かつ実力派の俳優陣が顔をそろえ、質の高い演技が期待できる。
第1話の大響は大きく、ABEMAだけでなく同時配信されている Netflixでもヒットを記録。日本の「Netflix今日のシリーズ TOP10(11/21付)」で2位を獲得した。また、関連動画の再生数が2500万を突破するなど、大きな注目を集めている。
本作の最大の魅力は、芸能界の裏側を徹底的にリアルに描いている点にある。4年前に大手芸能事務所から独立した井岡は、俳優の藤原玖生(浅香航大)を引き抜き、自身の芸能事務所「Rafale(ラファール)」を立ち上げ、奮闘している。そんな中、藤原に大きな仕事が舞い込んだ直後、過去の不倫スキャンダルが突如として発覚する。
このスキャンダルへの対応を巡る、関係者たちの動きが非常に生々しい。窮地に立たされた井岡は、古巣である「KODAMAプロダクション」の会長・児玉茂(柄本明)に、なんとか報道を抑えられないか頼み込む。実際に芸能界では、大手事務所がテレビ局やマスコミに対し、様々な手段で規制を求める事例がある。大手事務所の俳優が多く出演する本作でそうした芸能界のタブーに切り込むというのは、極めて攻めた姿勢であり驚きをもって受け止められている。
さらに、独立した井岡に対して、敵対心をむき出しにするのが「KODAMAプロダクション」現社長の児玉蓉子だ。ベテラン女優の鈴木保奈美が演じる蓉子は、見た目からして老舗芸能事務所の怖い社長という雰囲気。蓉子は、Rafaleを潰すべく巧妙な手を打つのだが、その描写はリアルで芸能界の権力争いの汚さや熾烈な競争を浮き彫りにする。そもそも不倫スキャンダル自体が蓉子の仕掛けなのではないかという疑念も湧き、その手口のリアルさから、実在の人物をモデルにしているのではないかと勘繰ってしまうほどだ。
また、週刊誌記者に不倫を暴かれてからの対応を巡るやり取りもおもしろい。当事者の藤原と井岡が弁護士同席のもと対策を練るのだが、その内容は本物の事務所の会議を盗撮したのではないかと思わせるほどに生々しい。狼狽して言い訳を繰り返す藤原に対し、弁護士が淡々と対策を授ける場面は、実際の芸能事務所で起きている状況を忠実に再現しているかのようだ。
加えて、藤原の妻である前田敦子が演じる元アイドル・藤原未礼の描き方も秀逸だ。裏では藤原を罵倒する未礼が、井岡が仕掛けた偽りの謝罪会見の場では、夫に同席し、号泣しながら世間に許しを請うという見事な演技を披露する。芸能人夫婦の裏と表の二面性を描くこの演出は、非常に見応えがある。前田敦子がみせる迫真の謝罪会見は、緊張感あふれる必見の名シーンだ。
元テレビ局員として芸能人と接してきた筆者がみても、第1話の時点ですでにリアリティがあって際どい脚本だと感じられる。現時点では川口春奈の出番は少ないが、ユースケ・サンタマリアが演じる怪しい雰囲気の編集長を含め、第2話以降は週刊誌サイドの動きも気になるところ。さらにドロドロした芸能界のダークサイドを描いてくれそうで、今後の展開に大いに期待が持てるのだ。
民放の秋ドラマに多くの名作が並ぶ中で、ABEMAが仕掛ける『スキャンダルイブ』もまた、見逃せない作品になりそうだ。
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