乃木坂46「生駒里奈 卒業コンサート」(提供写真)

【乃木坂46生駒里奈・卒業コンサート ライブレポート】メンバーの温かいサプライズに感涙、“生生星”コーナー、最後の「制服のマネキン」…<“瞬き厳禁”約3時間・全25曲セットリスト>

2018.04.23 00:00

乃木坂46生駒里奈 卒業コンサート」が22日、東京・日本武道館で行われた。チケットの当選倍率は約30倍、文字通りプレミアムチケットを手にして会場入りできたのは1万2000人。約3時間にわたって全25曲を披露、生駒はほぼすべての楽曲でステージに立った。ステージを右へ左へ、走り回り、アンコールではトロッコに乗ってアリーナ席を1周。いくつもの温かいサプライズに涙も流したが、全編にわたって生駒らしく“元気な笑顔”が溢れる卒業コンサートだった。

ダブルアンコールは『君の名は希望』。秋元康氏が「生駒をイメージして書いた」という乃木坂46の代表曲。生駒はメンバー、一人ひとりから赤いバラを手渡され、ハグやチュー、頭ポンポン…。そして生駒以外のメンバーが左から順に後ろを向いていく。42人の背中に書かれた42文字をつなぐと「生駒ちゃんとのたくさんの思い出忘れないよ!大好きだよ!そして本当に今までありがとう。」と感謝のメッセージ。生駒は溢れる涙を止められず、その涙を生田絵梨花と白石麻衣が笑顔でふいた。

乃木坂46「生駒里奈 卒業コンサート」(提供写真)
乃木坂46「生駒里奈 卒業コンサート」(提供写真)
生駒は「みんなありがとう。やっぱり7年間ずっと一緒のところでやってきて、すべてを知るわけではないですけど、みんなのいろんな姿を見てきて、だんだんと私も引っ張るというより、そんなみんなをどうにか楽しませたい、支えたいという気持ちにさせてくれたのは、やっぱりみんなが大好きだからで、みんなが大変なとき、つらいとき、頑張ろうって声かけたいって思ったのはみんなが頑張ってたからで。私は『ありがとう』って言葉をくれるのはすごく嬉しいけど、そんな『ありがとう』ってくれるみんなに『ありがとう』だから。本当に素敵な人たちに出会えてよかったです。人はいろいろ成長して次に向かう生き物ですけど、ここにいて変わり続けるのも乃木坂46の美しさであるし、未来の後輩にもこの乃木坂46をやっぱり大切にしてほしいし、新しい乃木坂46にしてほしいし、やっぱり乃木坂が大好きだから、本当に入ってよかったな。入ってよかった!みんなに出会えて本当に良かった!」としみじみ語った。

乃木坂46「生駒里奈 卒業コンサート」(提供写真)
乃木坂46「生駒里奈 卒業コンサート」(提供写真)
キャプテンの桜井玲香はそれを受けて「みんな生駒のことが大好きだからだよ」と全員の気持ちを代弁。「どうする?最後どうやって締める?生駒が締めたい好きな締め方で締めよう」と振られた生駒は「じゃあみんなでお疲れ様でしたっていって締めます?明るくポップな感じで締めましょう!皆さん各々うぇーいとかなんでもいいので、そんな感じでやりますか!というわけで、お疲れ様でした!楽しかったです!」と笑顔を弾けさせ、約1万2000人のファンから大歓声を浴びた。この日は全国128の映画館でライブビューイングも行われ(史上最速50分で完売 ※ライブビューイングジャパン調べ)、計6万人以上が同時に参戦。この後“伝説”として語り継がれるであろう生駒の卒業コンサートは、日本全国のファンが幸せな気持ちとなる大団円で幕を閉じた。


生駒里奈 卒業コンサート“瞬き厳禁”の3時間

1月31日、生駒里奈の卒業発表は突然だった――。正直、最初は実感が湧かなかった。だって生駒里奈乃木坂46の顔だから、いて当たり前だから、いないことが想像できなかったから。でも「卒業コンサート」の開催が発表されて、いろんな最後が訪れ始めて、どうしても受け入れないといけなくなった。この約3ヶ月間、事あるごとに涙してきたファンもいただろう。

そんな気持ちを察してか、生駒は卒業コンサート前日、ブログを更新した。「私はいつも通りの最高のライブをしようと思っています。ライブに来られる方、ライブビューイング含め超楽しい時間にしましょうね!!瞬き厳禁だよ☆」。生駒からファンに向けたメッセージ。そう、悲しいけど、楽しい時間にしないといけない。4月22日18時、“瞬き厳禁”の3時間が幕を開けた。

スクリーンにVTRが流れ始める。生駒センター楽曲のミュージックビデオ撮影地の“今の姿”。当時とは違った姿に月日の経過を感じずにはいられない。桜井玲香のナレーション。「私たちが共に過ごした景色。今ではずいぶん変わってしまった。あのとき響き渡っていたみんなの声、今はもう聞くことができない。でも私たちは覚えている。あの広い会場に響き渡っていたあなたの声。つらいときも悲しいときも一人でみんなの前に立つ。そして大勢の人たちに告げていた『乃木坂の詩』のあの感謝の言葉。生駒ちゃん、これまでお疲れさま」。

生駒以外のメンバーがステージ両端に並ぶ。オープニングはこれまでライブの最後に歌われてきた『乃木坂の詩』。ファンとメンバーの気持ちがひとつになる曲。「今日は最初からひとつだよ」。その特別感がそんな言葉を脳内に響かせる。そしてステージ中央に生駒の姿。一瞬の静けさの中「僕らの詩~♪」生駒がアカペラで歌う。みんなが聞きたかった生駒の声。歌い終わると、地鳴りのような歓声と拍手が会場を包み込んだ。

会場は生駒カラー「青×紫」のサイリウムでいっぱい。15歳で秋田から上京した女の子、猫背でいつも下を向いていた女の子が、背筋をぴんと伸ばして手を高く挙げる。そこに導かれるようにメンバーが生駒に向かって歩き出した。最後の時間を精一杯、楽しもうと心に決めた笑顔で。

生駒「さぁ皆さん!ついに始まりました卒業ライブ!楽しんでいくぞー!」

『おいでシャンプー』。大サビ前、生駒が嬉しそうに「生駒ちゃんのことが?」と観客に煽る。もちろん答えは「大好き~!!」。満面の笑みでどんどん飛ばしていく。『太陽ノック』で叫ぶ。「いくぞー!」。ファンも負けずに最初からお祭り騒ぎだ。そしてソロ曲『水玉模様』を一生懸命に歌う。「大人の気持ちはずっとわからないよ♪」と歌っていた16歳の女の子ではなく、6年8ヶ月の活動を経てすっかり成長した生駒が。でもその後のMCでは純真無垢に笑って話す。

「改めましてこんばんは、生駒里奈です!まずはこんな4月の日曜日に自分の時間を割いてここに来てくれてありがとうございます。本当に私も嬉しいです。さっき『水玉模様』やったんですけど、最後の最後まで私はあ~こんな感じかって思って、まあこんな感じなのが私らしいんですけど。裏でずっと練習していたんですけど、やっぱり上手くならなくて!味とか言ってくれるけどそんなのここにいる人だけだから、そんなこと言ってくれないからさ絶対。だからそういうのも含めて、いま披露してとっても楽しかったです」。




可愛い生駒から打って変わって“カッコ良い生駒”が躍動したのが、生駒の最後のセンター楽曲『Against』、そして生駒が参加する最後のシングル曲『シンクロニシティ』。生駒のキレのあるしなやかなダンスに合わせてスクリーンに色鮮やかな絵が動く。ソロパートでは生駒の情熱がほとばしり、観客の歓声も呼応するように大きくなっていった。

そしてメンバー全員でのMC、桜井玲香が切り出す。「始まっちゃいましたね。生駒ちゃん的に今日はどんなライブにしたい?」。生駒が笑顔で卒業ライブへの思いを話し始めた。

「やっぱり卒業ライブ、といったら卒業のいろんなタイミングがあるじゃないですか。でも私はちょっと変な人なので、ちょっとそういうありきたりなのじゃなくてちょっと変えない?みたいな感じになった。デビュー日は2月22日だけど、なんらかの形で4月22日を徹底的に刻みこんだるわ、って気持ちでライブに取り組んでまいりましたので、メンバーにもそういう風に思ってもらえたら良いなと思います。最後までよろしくお願いします」。生駒はファンが喜ぶことをわかっている人。ここからはまさにそれが証明されるような構成だった。



生駒は14年4月から1年間は交換留学生として、公式ライバルのAKB48(チームB)を兼任した。『初日』『てもでもの涙』。『初日』は3期生と、『てもでもの涙』は鈴木絢音と歌唱。生駒は「2曲とも私にとってすごく意味のある曲。『初日』は兼任して初めてチームBでお披露目のときに歌わせていただきました。『てもでもの涙』は(渡辺)麻友さんと一緒に劇場公演で歌わせていただきました。劇場公演のときは、私はこっち(客席から見て右立ち位置)だったんですよ。それで麻友さんはこっち(客席から見て左立ち位置)。でも麻友さんの方を最後に歌いたくて、私がこっちに移動して、秋田コンビの絢音ちゃんと一緒に披露させていただきました」と選曲理由を明かした。

「さぁこの最後の曲は皆さんにいただいた曲です。この14位という順位がなければ、私はこの曲を歌うことができませんでした。あのとき私は『あ~、兼任して本当に良かった』って思いました。そして、皆さんの力のすごさを実感しました。聴いてください!『心のプラカード』!」。

スクリーンには2期生から生駒へのメッセージが続々と映し出される。堀未央奈が「生駒さんにどうしてもメッセージを言いたいという2期生のメンバーが来ました」と呼び込むと、ステージ脇から「任せてください!大好きです」のプラカードを持った北野日奈子が登場。体調不良で活動休止していた北野だが「私も生駒さんの卒業を送りたかったので、ここかからですが参加させていただきます」と笑顔で意気込み、生駒も「誘って断られたらどうしようと思っていたんだけど、きいちゃんの方から言ってくれて、本当に嬉しかったよ。ホロリとしたよ」と同じステージに立てることを喜んだ。



乃木坂46には愛される組み合わせがいくつもあるが、その中でも乃木坂46が坂を上り始めたばかりのときにフロントをしていた3人、生駒里奈・生田絵梨花・星野みなみによる“生生星”は特別だ。ステージに3つのイスが用意される。3人で「イェイイェイイェイイェイ」とノリノリで登場してそこに座った。

生田「なんか座談会みたいね」、星野「ね、恥ずかしい」、生駒「じゃあ自己紹介しますか、せーの!私たちは」、3人「“いくいほし”です!」、生田「初めて言ったね、自分たちで。言ってはいただいていたけどね」、生駒「私たちがファンの方から“いくいほし”って呼ばれるようになったのは、3人で1stシングルをフロントで歌って、そのときにファンの方から親しまれて愛称で言われたのがきっかけだよね」、生田「頭文字とって。ちょっと揉めたよね。“いくいこほし”にするのか“いくいほし”にするのか。あ、揉めたって悪い意味じゃなくて、検討したってこと(笑)」、生駒「生駒じゃん、生田じゃん、星野じゃん?じゃあそのままで良くない?ってね」、星野「シンプルにね」。そこから自由に思い出話に花を咲かせる3人に会場中がほっこりした。




1度目の『君の名は希望』。『ハウス!』で盛り上がった後、生田絵梨花がステージ中央に置かれたピアノに腰を掛ける。伴奏が始まってセンターの生駒らメンバーが歌い出す。コンサートでは珍しくない光景だ。しかしやっぱりどこか違う。これが最後だから。こみ上げてくるものが違う。生駒と生田、あまりシンメで語られることはなかったが、“生生”はシンメとして最高だった。生駒が主人公でナルトなら、生田はライバルでサスケ。乃木坂46には奇跡のような出会いがたくさんあるが、この2人が同時に乃木坂46に入ったことも奇跡だった。

『悲しみの忘れ方』では生駒の父母からサプライズメッセージ。「親として願うことは、健康でいてくれること。これからも変わらず支えていくからね。新たな目標に向かって力強く歩んでいってほしい」。誰よりも側で支えてくれた家族の優しさに触れ、涙が頬を伝う。それを見た白石麻衣が生駒の肩を組む。白石はこのライブで「今でも仕事が終わって、テンションが上がると肩を組んで話したりするのが、あのときと変わっていないなって。すごくその関係性が好きだった」と振り返る一幕があった。生駒と白石は3つ歳が離れているが“いこまいやん”には“戦友”という言葉がふさわしい。生駒は「ずるいよ、お母さんとお父さんはダメだよ。泣いちゃうもん」と照れ笑いした。



本編ラストは『制服のマネキン』。その前に白石麻衣、西野七瀬、堀未央奈、齋藤飛鳥、生田絵梨花が生駒と向き合って、生駒への思いを涙ながらに伝えた(※本文下に全文を掲載)。それを笑顔で頷く生駒の姿が印象的だった。次は生駒がその気持ちに対して自分の思いを話し始める。

「ひと言で片付けるとするならば、この人たちじゃなかったら私は今ここにはいないってことですね。ちょっと自分のことを語ってしまうと、集団行動の苦手な人間が、こんな集団行動のアイドルグループで7年間もやってきたことがすごくて、その1番の理由がこの人たちだったから、この出会いがあったからこそ、ここまですごく楽しくやってこられて、このメンバーじゃなかったら見たくなかったし、できなかったし、それを思うことは毎日たくさんありました。なんだろうな、デビューっていったって『ぐるぐるカーテン』で出たときはまだみんなプロじゃなかったし、だけどそんなみんなが一生懸命頑張ってやってこられたあの時期があったから、今こうやって武道館にみんなで立っているわけで。いろんなメンバーが卒業したし、いろんなメンバーが乃木坂に入ってきてくれて、今この形だけど、本当に私はこの人たちで良かった。本当に私はこの人たちだったから本当に最高だったんだって思います。なんだろうな、日本語難しいな。なんか伝えたいことはたくさんあると思うのにな。純粋に大好きだし、今後みんなが巣立っていったときにやっぱり1番思うのが、自分のこともそうだけど、乃木坂46が今後活躍していくために私は活躍したいって思っちゃうんですよ。そんな仲間を持てたことが本当に嬉しいです。そんな人生で良かったなっていま言っちゃう。本当にみんなありがとう。こんな時間をくれてありがとう」。

ファンもメンバーも涙、涙、涙。でもそれを言い切る生駒は笑顔だ。そしてひと呼吸おく。

「それではラストです。この曲で乃木坂46でいられてよかったと思いました。みんなと一緒にパフォーマンスができて本当に良かった。たぶん私が死ぬまで私の代名詞になるでしょう。そう言わせてください。聴いてください。『制服のマネキン』」。待っていた1曲にファンが沸く。“マネキンポーズ”から目を光らせ、表情から充実感がにじみ出る。これが最後の『制服のマネキン』、噛みしめるように歌いきった。




みんなに愛された生駒。ライブではこれまで仕事で関わってきた人たちからのメッセージがたくさん寄せられた。スクリーンに踊る言葉はどれも熱い。生駒が誰に対しても誠実に向き合ってきた証だ。乃木坂46の冠番組のMCを長年務め、ファンから“公式お兄ちゃん”として親しまれるバナナマンからも愛に溢れたメッセージが届いた。

「バラエティの生駒もお芝居している生駒も俺は全部好きです。でも俺は乃木坂で歌って踊っている生駒が1番好きです。テレビでもライブでも乃木坂が歌うときは、いつも生駒を探していました。ラストも見ています。みんなに生駒のすごさを見せつけてやってください」(日村勇紀)

「乃木坂に入らなかったら、あんなにたくさん泣かなかっただろうね。でも乃木坂に入らなかったら、こんなに素敵な仲間や応援してくれるみんなに出会わなかっただろうね。生駒、乃木坂に入ってくれてありがとう」(設楽統)



実はこの日、生駒が1番最初に泣いたのは大ファンと公言するアニメ『NARUTO』の主人公・「うずまきナルト」からのサプライズだった。

「生駒ちゃん久しぶり!七代目火影・うずまきナルトだってばよ!生駒ちゃんが乃木坂を卒業するって聞いて、すげー寂しいってばよ。だけどお前のその覚悟と勇気、すげーかっこいいぜ!乃木坂のみんな、それから会場のみんなも、俺と一緒にこれからの生駒ちゃんの活躍を応援しようってばよ!俺も負けねーくらい立派な火影になってやる。里奈!また会おうぜ!」

原作者・岸本斉史氏からの直筆イラストもモニターに映し出された。「ここで泣くつもりなかったのに…でもナルトは泣いちゃうよ!生きててよかった!」その後のMCで生駒が明かした本音。泣いているとき、隣にいた堀未央奈が生駒の背中をさすって支えていたのもファンの心を揺さぶった。




アンコールは『走れ!Bicycle』でスタート。『シャキイズム』でトロッコに乗った生駒里奈はアリーナを1周。精一杯、手を高く挙げてスタンドのファンに笑顔で手を振る。残りわずかと誰もが思い始めた。それはメンバーも一緒。でも生駒が“笑顔で終えたい”と願うならそれを叶えたい…生駒がトロッコに乗っている間、生田絵梨花と星野みなみはTシャツにプリントされた生駒の顔を撫でてはしゃぐなど、メンバーは全力でその瞬間を楽しんだ。そして生駒がトロッコを降りると、白石麻衣は生駒に向かって手を広げる。生駒は迷わず、白石のもとに飛び込んだ。

音楽が一度止まると、生駒は客席を見渡し「アンコールありがとうございます」と感謝。「最後にちょっとだけ、長くなるかもしれませんが最後にお話しさせてください」と前を真っ直ぐと見た。ここから続く約8分のスピーチ(※全文は本文下に掲載)。「人間って変わることができるんだなってことも乃木坂46で教えてもらったこと」「私は上手くなりたいと思ってしまった。もっともっと険しい道を上りたい、進みたいって思った。こんなに充実しているのに、こんなにすごい場所なのに。でもそれよりも私は上手くなりたいと思った。この世界に夢を持ってしまった、その先に続く夢を掴みたいと思ってしまった」「生駒ちゃんを見たときに現実を忘れて心の底から楽しんでもらえるようなエンターテイナーになりたいと思います」。

生駒は溢れる涙を我慢できなかった。メンバーもファンももらい泣き。会場のいたるところですすり泣く声が聞こえてくる。「生駒ちゃんが乃木坂46にいないなんて嫌だ」。そんな悲しみも生駒の乃木坂46に対する愛と、これから一人で進もうとする意思に、誰もが「応援したい!」と思ったに違いない。



「い・こ・ま!い・こ・ま!い・こ・ま!」鳴り止まぬ“生駒コール”でダブルアンコールに突入。スクリーンに秋元康氏からのメッセージが映し出された。

「2011年8月21日、オーディション会場で初めて君とあった日のことを今でも覚えています。審査員の大人たちの視線に居心地悪そうな表情が印象的でした。でも、その瞳の奥になにか強い意志を感じました。センター候補だったほかのメンバーが脱退したとき、僕は迷わず君を中心に乃木坂46を構成しようと思いました。それから5作連続でセンターという重責を担った君は心身ともに疲れ果てたことでしょう。そんな君をイメージして書いたのが『君の名は希望』です。生駒里奈、君は乃木坂46を卒業してもずっとみんなの希望でいてください」。

大きな拍手と歓声。生駒は自分を見出してくれた秋元氏の言葉に「そんな希望じゃないよって思っているんですけど…」と謙遜しながら、乃木坂46が大好きで仲間思いでやっぱり“主人公”の彼女らしい返しをする。

「たぶん私がやりたいことは、きっとこれからも乃木坂46の希望になることだと思うので、うん。自分の夢のために卒業するわけですが、私を作ったのは乃木坂46なので、その(乃木坂46)ために自分は頑張りたいと思います。私は自分のために頑張ると頑張れなくなっちゃうんです。やっぱりなにかのために頑張らないと、力を発揮できなくて、それで一番発揮できるのが乃木坂46なんです」。



2011年8月21日に「乃木坂46第1期メンバーオーディション」に合格した生駒は、単独では最多6作でセンターを張ったグループの顔。最初はなかなか垢抜けなかったが、でもセンターに立つと光り輝く不思議な存在だった。とにかく目の前のことに必死に食らいついて、センターでなくなってからも先頭に立ってみんなを守った、そして後ろからも支えた。みんな“生駒ちゃん”が大好き。5月6日に千葉・幕張メッセで行われる全国握手会が乃木坂46として最後の活動となる。でも坂は上りきっていない。乃木坂46の希望になるための坂を上り続けるのだから。だから、だからまだ“へばなっ”は言わない。


生駒里奈・8分間“神スピーチ”

改めましてアンコールありがとうございます。最後にちょっとだけ、長くなるかもしれませんが最後にお話しさせてください。

ついにアンコールが始まっちゃったんで、乃木坂46生駒里奈としてのライブも本当に終わりが近づいています。なんかリハ始まってセットリストとか考えて、みんなに贈る言葉とか考えてたんですけど、ここ1週間くらい寝られなくてですね。なにを話そう、どういう風に頑張ろうって思って、考えれば考える程、激痛の頭痛が生じるくらい。あ、人って何かを変える瞬間ってこんなにもパワーがいることなんだなって思いました。

そのときに私ふと思ったことがあるんですよ。それが、卒業できるってすごいなって思ったんです。ポカンですよね、だって寂しいですもんね、卒業って。学校とか職場とかからの卒業ってちょっと寂しいことじゃないですか。でも私は気づいたんですけども、15歳でなんにもできない素人が、16歳になってデビューして乃木坂46を7年もやることができて、その中でたくさんの経験をさせてもらって、卒業ということまでやらせてくれたこの乃木坂46って本当にすごいなって思ったし、これからの人生の方が長いんです。たった7年しか乃木坂やってないんです、私。なのに、卒業という機会をくれた。これって本当にすごいことだなって思いました。こんなに素敵なメンバーに送られることなんてないと思うし、こんなにたくさんの人に囲まれて卒業できることも絶対にもうできないと思うんです。だからこれって本当にすごいことなんだなって思いました。

振り返ると私はすごく変な子だなって思います。乃木どこ(『乃木坂って、どこ? 』)の初期の頃、自分でもびっくりするくらい変な声だなって思いました。今もちょっと変かもしれないんですけど、まだマイクに通る耳障りのない声に変化したんじゃないかなって思ってます。最初は猫背でがに股でした。ちょっとO脚だけど、びっしり立っているつもりです。最初はこのスカートを着るのも恥ずかしかったです。スースーするなって思っていました。今はこんなに見ている人がいるのに、ターンすることだってできます。変化したんです、この7年間で。こんなに人間って変わることができるんだなってことも乃木坂46で教えてもらったことだなって思います。

オーディションのチラシみたいなものをくれたのもお父さんでした。お父さんが大きいきっかけでした。合格しました、真ん中になりました。やっぱり秋元康さんってすごいんだなって思いました。だってこんな子を真ん中に置いて、大事なデビューシングルをやらせるんです。すごいですよね、まさかこんな風になるなんて、自分でも思ってないですもん。見出してもらえたんだなって思います。私だけじゃなく、メンバー、一人ひとりが。多才なメンバーもいました、人前に出るのが苦手な子もいました。でも今は、立派な先輩にもなっているし、立派な後輩にもなっています。心の底から信頼できる仲間とこんなにたくさんの時間を過ごせたこと、私はすごく嬉しいです。

最初は握手会がすごく怖かったです。だってなに言われるかわからないし、初めましての人と握手するって私からしたらびっくりしました。だけでそこは違いました。こんな自分を褒めてくれる人たちはこんなにいないですよ。嬉しかった。だから頑張ろうって思えた。ありがとうございます。ただの素人をここまで育ててくれたスタッフの皆さん。お父さんよりお母さんよりいろんな面を知っている部分もあると思うんです。赤の他人の女の子たちをたくさん面倒見てくれて本当にありがとうございます。本当にすごいことをしていると思います。なかなかできることじゃないんです、これは。

周りに尊敬できる人がたくさんいて、成長できることをたくさんもらったけど、それよりもなによりも私は上手くなりたいと思ってしまった。もっともっと険しい道を上りたい、進みたいって思った。すげーわがままなことだと思います。こんなに充実しているのに、こんなにすごい場所なのに。でもそれよりも私は上手くなりたいと思った。この世界に夢を持ってしまった、その先に続く夢を掴みたいと思ってしまった。

だからこそ、メンバーには、自分もいつかそうなったときに胸張って一人で仕事ができるところを見せてあげたい。お父さんとお母さんにはこれからも結構迷惑かけると思うけど、いつか東京に家を建てるから待っててください。スタッフの皆さんはまだまだお世話になることがたくさんあると思うんですけど、生駒に仕事たくさんあげたいって思える人間になりたい。ファンの皆さんには、生駒ちゃんを見たときに現実を忘れて心の底から楽しんでもらえるようなエンターテイナーになりたいと思います。


【メッセージ】白石麻衣→生駒里奈

改めて7年間お疲れさま。ライブ楽しんでる?生駒ちゃんの笑顔がたくさん見られることが1番の幸せだと思っています。そうだな、初めて『ぐるぐるカーテン』を披露し終わってから、生駒ちゃんはひっそり泣いていて、(私は)一緒に肩を組んで励ましてた、というか一緒に泣いたことはすごく思い出に残っていて。今でも仕事が終わって、テンションが上がると肩を組んで話したりするのが、あのときと変わっていないなって。すごくその関係性が好きだったから、卒業しちゃうのはすごく、やっぱり寂しいけど、ここからの生駒ちゃんの未来を1番応援したいし、乃木坂も、もっともっと大きくなれるよう頑張るから生駒ちゃんはそのままの姿でこれからも頑張ってください。本当にお疲れさま。生駒ちゃんのファーストキスを奪ったことは忘れないよ。まいやんでした。

【メッセージ】西野七瀬→生駒里奈

あんまり上手に話せないんですけどね。生駒ちゃんは乃木坂の顔として約7年間走り続けてくれて。生駒ちゃんの背中を見て、自分もこうしなきゃ、とか乃木坂全体のことを考えなきゃ、とかいろいろ思わせてくれたから、生駒ちゃんがいなかったら、ここまで成長できなかったと思うところもあります。だから、いてくれてすごくありがたいと思いました。あぁ…(涙声)。楽しい時間も共有できたけど『君の名は希望』のときに2人で一緒にちょっと落ち込んだことがあったのを今でも覚えていて。2人でずっとね、愚痴をバーって言ったりして。スタッフさんが一発芸とかして慰めてくれたりしてたこととか、悲しい、マイナスなことも共有できたことが嬉しいなと思いました。あと、好きだったのはね『ギャグマンガ日和』って漫画の“今日のポピー”っていうのがね…2人しかわからなくてごめんなさい。でも今日のポピーがすごく好きだったから(涙)。完全に2人にしかわからなくてごめんなさい。そういうのが、すごく好きだった。これから卒業して開放感に満ち溢れる感じだと思うし、不安ももちろんあると思うけど、私は生駒ちゃんのことを応援しているので頑張ってください。本当にありがとう。

【メッセージ】堀未央奈→生駒里奈

生駒さん、改めて卒業おめでとうございます。私が『バレッタ』で選抜に選ばれたとき、一番に…(涙)声をかけてくださったのが生駒さんで、本当に真っ直ぐで優しくてぶれない性格がすごく好きで。何回もこのお礼を伝えているけど、やっぱり言葉って口にしないと伝わらないから…ちゃんと伝わるかなって思って。私はその時の生駒さんの姿を見て、そんな先輩になりたいとすごく思ったので。仕事に対する真っ直ぐさとかメンバーに対する愛をすごく生駒さんから教わったので、私たち2期生も、3期生、4期生がこれから入ってくるけど、そんな素敵な先輩がいたことを胸に、後輩としても乃木坂のメンバーとしても頑張っていきたいと思うので、いろんなことを教えてくださってありがとうござました。あと『月の大きさ』のMV撮影のときに、車で結構遠くに行ったじゃないですか。あのときに初めて先輩といろいろと話せて、メンバーになったんだなっていう実感とか、MV撮影も大変だけど楽しいなってすごく思えて、そういうちょっとした思い出とかも忘れずに頑張っていきたいなと思って。これからも生駒さんらしく頑張ってください。ずっと応援しています。

【メッセージ】齋藤飛鳥→生駒里奈

う~ん…生駒ちゃんが卒業を決めたとき、一番最初に私が思ったのは…。生駒ちゃんは結構「乃木坂でいろんな経験をさせてもらっていろんなことを知れた」っていう話をしていたから、すごく前向きな卒業だとはわかっていたけど、それでも…生駒ちゃんが…「残りたい。まだ乃木坂として活動したい」と思えるグループでいられなかったことが…(涙)。(会場からの頑張れ~の声に)頑張ってるから!…それがちょっと悲しいなとか、悔しいなって思っちゃってたんですけど、でも最近の生駒ちゃんの活動や、卒業に向けていろんなことに取り組んでいる生駒ちゃんを見て、そういう風に思うのは、生駒ちゃんに対してもきっと失礼だろうし。卒業した後もここにいるみんなで…こんなに誇らしいメンバーがいるんだから、ちゃんと生駒ちゃんが前にみんなに言ってくれた「紅白出てるところが見たいよ」とかそういう夢を叶えていけたら良いな、ってすごく思っています。個人的には、生駒ちゃんはすごく可愛らしいおばあちゃんになると思うから、さっき、かずみんも言ってたけど、本当に長生きして欲しい。それを楽しみにしています。(生駒:うん。おばあちゃんになったら、また飛鳥のところに行くわ。)また会おう、おばあちゃんになったら。

【メッセージ】生田絵梨花→生駒里奈

(涙で言葉がでない)…そうだね、本当になにもわからないときからずっと近くにいて。最初は…生駒ちゃんがどうだったか本当のことはわからないけど、もしかしたら、お互いのことを壁に感じたり強がったりする時期があったんじゃないかなと思っていて。ただ、ね、7年間もずっと一緒にいればお互い成長して、相手の良いところも本当にいっぱい見つけることができたし、生駒ちゃんを見ていると自分の足りないところを知って頑張らなきゃと思うこともあったし、逆に生駒ちゃんから「いくちゃんの姿がこうだったよ」とか連絡をもらったり声をかけてもらったときは、本当になんて良い仲間を持ったんだろうって心から感じました。生駒ちゃんの側にいたけど、支えることはあんまりできなかったのかな、と今思っていて。なのでその分も、もしここを旅立った後で苦しくなることや帰りたくなることがあったらなんでも話してほしいし、この7年間、本当に濃いものだったけどまだまだ関係を深めていけたら良いなと思っています。本当にいろんなものを背負ってきたと思うので、しばらく休みつつ、1回自由に楽しんで、生駒ちゃんの、本当に誰もが尊敬するパフォーマンス力だったり表現だったりを爆発させてほしいなと思っています。本当に7年間ありがとうござました。

乃木坂46「生駒里奈卒業コンサート」@日本武道館<セットリスト>

VTR1

M1.乃木坂の詩
M2.おいでシャンプー
M3.太陽ノック
M4.水玉模様

MC

M5.トキトキメキメキ
M6.スカウトマン

VTR2

M7.Against
M8.シンクロニシティ

MC
VTR3

M9.初日
M10.てもでもの涙
M11.心のプラカード

MC
VTR4

MC
VTR4

M12.ここじゃないどこか
M13.満月が消えた
M14.あらかじめ語られるロマンス
M15.無口なライオン

MC
VTR5

M16.指望遠鏡
M17.月の大きさ
M18.ハウス!
M19.君の名は希望
M20.悲しみの忘れ方

MC

M21.制服のマネキン

<EN>
EN1.走れ!Bicycle
EN2.シャキイズム

MC

EN3.ぐるぐるカーテン

<WEN>

WEN1.君の名は希望


(modelpress編集部)
【Not Sponsored 記事】

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