

【港区・清家愛区長】第4回 「学校に行かない日があっても大丈夫」選べる学びと寄り添う支援のカタチ
2025.10.09 12:00
提供:ママスタ☆セレクト

港区では、ICTを活用した“複線型授業”=「MINATOスタイル」を軸に、教育の可能性を広げています。さらに、重度障害のある子どもや発達に課題のある子どもたちの支援として、放課後デイサービスとインクルーシブ一時預かりを一体的に実施する施設を誘致し、障害のあるお子さんを乳幼児期から高校生まで切れ目なく支援する体制づくりに取り組んでいます。清家愛港区長に、教育・福祉の取り組みについて話を伺いました。
港区の“MINATOスタイル”とは?
──港区では、“MINATOスタイル”という教育を取り入れていると聞きました。具体的にはどんな内容ですか?
清家愛港区長(以下、清家区長):子どもたちが、自分で学び方を選択して、ICTを活用しながら学びを深める授業を“MINATOスタイル”と呼んでいます。子どもたちの個性が様々であるように、課題によってその子にあった学び方はそれぞれ異なりますよね。課題によって「先生と一緒に学びたい」、「ひとりで追究したい」、「友だちと一緒に話し合いたい」といった子どものニーズに応えてあげることで、子どもは主体的に学びます。いわゆる「個別最適な学び」です。
この学びに不可欠なのがICTの活用です。港区では国の「GIGAスクール構想(※1)」を受け、いち早く区立学校のICT環境を整備してきました。現在、港区の区立学校では、先生方も子どももICTを使いこなしています。たとえば、タブレット端末で情報収集や学習の進捗管理などを行うほか、電子黒板で情報共有をシームレスに行っています。このように「個別最適な学び」を、ICTを活用して実現したのがMINATOスタイルなんです。
(※1)GIGAスクール構想:国が進めるICT教育の取り組み。子どもたち全員にタブレット端末などを配布し、個別最適な学びを実現することを目指している。
すべての子どもに「選べる学び方」を
──実際の授業は、どんな感じですか?

──先生の役割も変わってきているんですね。
清家区長:先生は“教える人”というより、子どもたちをサポートする“ファシリテーター”のような存在ですね。先生が一人ひとりの生徒のサポートをしながら、学びを深めていくことができます。先生があらかじめ、クラウド上で子どもたちの学びを共有できる仕組みをつくり、子どもたちの学習状況を把握しながら適切に支援しています。子どもたちも、友だちが何をどのくらい調べているのかを見ることができるので、「あの子は私と違う考えだな。ちょっと聞いてみよう」と、そこから新しい学びが生まれる。子どもたちにとっても、いい刺激になっているとわけです。
「学校に行きたくても行けない」子どもたちへの教育支援

清家区長:はい。「学校に行きたいけど行けない」そんな思いを抱える中学生のために、港区では令和7年4月から「Minato School(ミナトスクール)」(※2)がスタートしました。(※2)港区立小中一貫教育校御成門学園御成門中学校学びの多様化学校(分教室型)
これは、不登校が30日以上続いている子や、これまで適応指導教室「つばさ教室」に通っていた子を対象とした新しい学びの場です。他の中学校と同様に正規の先生がいて、一人ひとりの個性や意欲に合わせた学び方を一緒に考えてくれます。「どうしても学校がつらい」そう感じているお子さんにも、「ここなら行ってみたいな」と思える場所であってほしいと願っています。
──内容はどのようなものですか?
清家区長:ただ勉強するだけじゃなく、港区ならではの学びもあります。たとえば、区内の企業や大使館と連携した授業や、同じ施設の中にある区立みなと科学館と連携した授業など、子どもたちがワクワクするようなプログラムが充実しています。
この間「Minato School」を見に行ったとき、子どもたちが本当に楽しそうに学んでいて、思わず涙が出そうになりました。「学校に戻らなくても安心して学べる場所がある」。そんなふうに感じられる場が、今とても大切なんだと思います。きちんと卒業単位も取れるので安心してくださいね。不登校の子どもが年々増えているので、小学生のうちから考えていくことが大切だと感じています。
保育園や幼稚園にネイティブ講師を派遣。異文化にふれる体験を
──ところで、港区では小学校だけでなく保育園や幼稚園でも、ネイティブの英語講師を派遣しているそうですね。
清家区長:港区には全国の在外公館の半分にあたる約80の大使館があります。130以上の国と地域の方々が暮らしていて、区民の約1割が外国籍です。実際に区立の幼稚園などを訪れると、日本人より外国籍の子どもの方が多いクラスもあるくらいなんですよ。
──国際色豊かなんですね。
清家区長:だからこそ、港区では小さい頃から「違いにふれる」ことを大切にしています。乳幼児期からネイティブの先生と関わることで、英語という語学だけでなく、いろいろな文化にふれるきっかけになります。小中学校でも国際理解教育を主軸にしていて、子どもたちが自然と“多様性”を受け入れられるよう工夫しています。
障害のある子どもたちの新しい支援拠点が誕生へ
──障害のある子どもや、そのご家族の支援にも力を入れているそうですね。
清家区長:障害や発達の遅れがあるお子さんの預かりニーズが、年々高まっています。でも今あるサービスだけでは足りないのが現状です。「本当は預けたいのに、預け先がない」というママたちの声を受けて、港区では、重度心身障害児向けの「放課後等デイサービス」と、小学校入学前の障害児の受入れ機能をより充実した「インクルーシブ一時預かり」を一体で行う施設を、令和8年4月、芝5丁目の「ミタマチテラス」1階にオープン予定です。
──対応が速いですね!
清家区長:区立で整備する場合は計画から開設まで5~6年かかってしまいます。今回はスピーディーに進めるため民間の力を借りました。障害のある子もない子も、一緒に過ごせる“インクルーシブ”な場所にしたいと思っています。
子どもが「自分は大切にされている」と感じられる社会へ

清家区長:本当にそう思います。子どもは一人ひとり違いますよね。だからこそ、同じ枠にあてはめるのではなく、それぞれの特性や力を活かせる環境をつくっていくことが大切ですね。
──その子に合った環境づくりが、自己肯定感にもつながっていくんですね。
清家区長:「自分は大切にされている」と、子ども自身が感じられること。それが自己肯定感を育てて、「違いを認め合える心」にもつながっていきますよね。みんな違って、みんないい。そんなふうにお互いを認め合える感性こそが、これからの社会を生きるうえで大事な“グローバルな力”になると信じています。
※取材は2025年7月に行いました。記事の内容は取材時時点のものです。
取材、文・長瀬由利子 編集・いけがみもえ 撮影・編集部
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