北村匠海、今田美桜「あんぱん」第12話(C)NHK

朝ドラ「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)、幼馴染設定の理由 実際は出会っていなかった幼少期スタートの意図【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.1】

2025.04.26 08:15

今田美桜主演の連続テレビ小説「あんぱん」(NHK総合・毎週月~土あさ8時~ほか)の脚本を務める中園ミホ氏に、モデルプレスら報道陣がインタビュー。Vol.1では、朝田のぶ(今田)と柳井嵩(北村匠海)の設定秘話を語った。

今田美桜主演朝ドラ「あんぱん」

中園ミホ氏(提供写真)
中園ミホ氏(提供写真)
放送100年、そして戦後80年を迎える朝ドラ第112作目となる本作は、「アンパンマン」を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦がモデル。2人があらゆる荒波を乗り越え、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでの人生を、激動の時代を生きた波乱万丈の物語として大胆に再構成。登場人物名や団体名などは一部改称して、フィクションとして描く。主人公・のぶを今田、後にのぶの夫となる嵩を北村が演じる。

中園氏は、小学生の頃にやなせさんにファンレターを送ったことをきっかけに文通がスタート。やなせさんを知る中園氏だからこそ描ける「あんぱん」とは。

「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)、幼馴染設定の理由

木村優来、永瀬ゆずな「あんぱん」第7話(C)NHK
木村優来、永瀬ゆずな「あんぱん」第7話(C)NHK
― 実際には大人になってから出会ったやなせさんと暢さんを、作品では幼馴染の設定にした理由を教えてください。

中園:史実に忠実にするのであれば、パラレルで描かなければいけなかったかもしれないですが、やなせさんに「子供のときはどんな子でしたか?」と聞いたら「気が弱くてあまり男の子っぽい遊びはしなくて、女の子の友達がいた」「その子と遊んでいたことぐらいしか覚えていない」とおっしゃっていたんです。「どんな子でしたか?」と聞いたら「元気の良い女の子だった」とおっしゃったので、もし暢さんが近所に住んでいて、知り合っていたらこういう会話をしたんじゃないかとオリジナルで作らせてもらいました。やなせさんが女の子と遊んでいたという言葉が私にとっては印象深かったので、他の女の子が出てくるより、暢さんを、と。あと、複雑な生い立ちなので、センチメンタルな詩もいっぱい残っていて、寂しかったのかなと思い、そこに元気の良い明るい女の子がそばにいてくれたら良いなという私の願望も入っています。

永瀬ゆずな、木村優来「あんぱん」第10話(C)NHK
永瀬ゆずな、木村優来「あんぱん」第10話(C)NHK
― そこから恋愛関係になっていく過程の描き方はどのように意識されましたか?

中園:この2人が出会ったら、こういう会話をして、こういうことが起きるのではないかなと作っていったら自然と恋に落ちました。私も早く観たいシーンの一つで、見どころです。残っている暢さんのエピソードはほぼ全部物語に入っていて、実際の2人とあまり違いはないんじゃないかな、と。暢さんとやなせさんの間ではこういう会話がなされていたんじゃないのかなと想像を膨らませて描いています。

「あんぱん」幼少期スタートの意図

北村匠海、今田美桜「あんぱん」第1話(C)NHK
北村匠海、今田美桜「あんぱん」第1話(C)NHK
― やなせ夫婦の物語ですが、のぶが主人公。2人の描き方のバランスで意識していることはありますか?

中園:結婚したところから始める描き方もあったかもしれませんが、どうしてもやなせさんの幼少期を描きたかったんです。実は2人が結婚するのはかなり経ってからなので、青春期は2人を描く上でとても大切だと思いました。分量的には同じくらいで、結婚してからだとやなせたかしを描いたことにならないということで幼少期からスタートしました。

― 「あんぱん」で伝えたいことを教えてください。

中園:伝えたいことはたくさんあります。「なんのために生まれて なにをして生きるのか」という歌詞も伝えたいですし、戦争で弟を亡くされたこと、その果てに「アンパンマン」が生まれたことがとても尊いことだというのを改めて強く感じたので、やなせさんの精神全てを伝えたいです。

(modelpress編集部)

【Not Sponsored 記事】

関連リンク

関連ドラマ

  1. あんぱん

    あんぱん

    2025年03月31日(月)スタート

    毎週月~土08:00 / NHK総合ほか

    詳しく見る

関連記事

  1. 朝ドラ「あんぱん」サブタイトルにマイナスな言葉使う理由【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.4】
    朝ドラ「あんぱん」サブタイトルにマイナスな言葉使う理由【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.4】
    モデルプレス
  2. 朝ドラ「あんぱん」全登場人物に当てはめられた「アンパンマン」のキャラクター 視聴者の推察に“ネタバラシ”も【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.3】
    朝ドラ「あんぱん」全登場人物に当てはめられた「アンパンマン」のキャラクター 視聴者の推察に“ネタバラシ”も【脚本家・中園ミホ氏インタビューVol.3】
    モデルプレス
  3. 朝ドラ「あんぱん」脚本家が語る今田美桜への信頼 北村匠海のファーストシーンは「鳥肌が立ちました」【中園ミホ氏インタビューVol.2】
    朝ドラ「あんぱん」脚本家が語る今田美桜への信頼 北村匠海のファーストシーンは「鳥肌が立ちました」【中園ミホ氏インタビューVol.2】
    モデルプレス
  4. 【あんぱん 第21話あらすじ】のぶ、女子師範学校の寮に入所 嵩は本当の思い吐き出す
    【あんぱん 第21話あらすじ】のぶ、女子師範学校の寮に入所 嵩は本当の思い吐き出す
    モデルプレス
  5. 朝ドラ「あんぱん」不穏ナレーションに視聴者ざわつく「すでに圧倒されてる」「怖すぎ」
    朝ドラ「あんぱん」不穏ナレーションに視聴者ざわつく「すでに圧倒されてる」「怖すぎ」
    モデルプレス
  6. 朝ドラ「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)の受験結果明らかに「フラグ立ちまくりだった」「同情する」の声
    朝ドラ「あんぱん」のぶ(今田美桜)&嵩(北村匠海)の受験結果明らかに「フラグ立ちまくりだった」「同情する」の声
    モデルプレス

「インタビュー」カテゴリーの最新記事

  1. 与田祐希インタビュー「乃木坂46卒コン後の2ヶ月」と「今後の目標」
    与田祐希インタビュー「乃木坂46卒コン後の2ヶ月」と「今後の目標」
    モデルプレス
  2. 【乃木坂46小川彩「めおと日和」インタビュー】座長・芳根京子の姿に感銘 初の地上波ドラマ出演は「学びの日々」
    【乃木坂46小川彩「めおと日和」インタビュー】座長・芳根京子の姿に感銘 初の地上波ドラマ出演は「学びの日々」
    モデルプレス
  3. 藤井夏恋、結婚で広がった夢の選択肢 夫婦で挑戦したいこととは「日常とは違った刺激を求めに」【モデルプレスインタビュー】
    藤井夏恋、結婚で広がった夢の選択肢 夫婦で挑戦したいこととは「日常とは違った刺激を求めに」【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス
  4. 超特急・高松アロハ、2度目BL主演の心境 演技未経験から2年で得た成長に自信【モデルプレスインタビュー】
    超特急・高松アロハ、2度目BL主演の心境 演技未経験から2年で得た成長に自信【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス
  5. 豊田裕大「御上先生」で共演・松坂桃李から学んだこと 刺激を受けた俳優も明かす「その場にいれたことが財産」
    豊田裕大「御上先生」で共演・松坂桃李から学んだこと 刺激を受けた俳優も明かす「その場にいれたことが財産」
    モデルプレス
  6. 「イグナイト」浅見役・りょう、第7話ゲストを匂わせ「思わず涙が出そうになりました」
    「イグナイト」浅見役・りょう、第7話ゲストを匂わせ「思わず涙が出そうになりました」
    モデルプレス
  7. 安斉星来「御上先生」で“バケモノ並み”と鳥肌が立った共演者 次に挑戦したい役とは【GirlsAward 2025SSインタビュー】
    安斉星来「御上先生」で“バケモノ並み”と鳥肌が立った共演者 次に挑戦したい役とは【GirlsAward 2025SSインタビュー】
    モデルプレス
  8. 人気グラドルがコンカフェ開業 陽葵が目指すのは「女の子がキラキラ輝ける場所」背景には自身の経験【モデルプレスインタビュー】
    人気グラドルがコンカフェ開業 陽葵が目指すのは「女の子がキラキラ輝ける場所」背景には自身の経験【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス
  9. 小坂菜緒「日向坂46を引っ張っていく」“一期全員卒業”新体制曲でセンターを務める覚悟【モデルプレスインタビュー】
    小坂菜緒「日向坂46を引っ張っていく」“一期全員卒業”新体制曲でセンターを務める覚悟【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事