二宮和也「ブラックペアン」6年経て変化したこと・俳優業におけるブレない姿勢―天城役のテーマは「どれだけ異物化できるか」【インタビュー前編】
2024.07.08 18:00
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7月7日スタートのTBS系日曜劇場「ブラックペアン シーズン2」(毎週日曜よる9時~)で主演を務める嵐の二宮和也(にのみや・かずなり/41)に、モデルプレスがインタビュー。6年ぶりにカムバックした同シリーズでの新たな挑戦に懸ける思い、俳優としてのブレないスタンスなどを語ってもらった。<前編>
二宮和也主演「ブラックペアン シーズン2」
本作は2018年4月期に二宮主演で放送された同枠「ブラックペアン」の続編で、6年ぶりに日曜劇場に帰還。シーズン1から6年後の物語となる今作で二宮が演じるのは、シーズン1で演じた渡海征司郎ではなく、人も金をももてあそぶ悪魔な世界的天才外科医・天城雪彦だ。原作は、海堂尊の小説「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」(講談社文庫)。 “バブル3部作”と呼ばれる「ブラックペアン」シリーズ「ブラックペアン1988」「ブレイズメス1990」「スリジエセンター1991」はファンから熱烈な支持を受けている。
二宮和也「ブラックペアン」新たな役への挑戦
― まずは、改めて6年ぶりの続編が決まったときの率直な心境を教えてください。二宮:「もう6年も経っていたのか」と時の流れの早さを感じるのと同時に「6年も経ったらもうやらないのかな?」とも思っていたので、まずはシンプルにびっくりしました。せっかく「また『ブラックペアン』を背負っていいよ」と言ってくださるのであれば、できる限り同じメンバーでできた方が観ている方たちも嬉しいんじゃないかなと考えていたので、「みんなが集まれるタイミングであればぜひ参加したいです」と話していました。
― 新たな役柄での続編となりますが、最初にお話を聞いたときはいかがでしたか?
二宮:僕自身、不思議な感覚だったのですが、いろいろなことができるのかもと捉えていました。最初は別役であることを明かすか明かさないかという議論もあったのですが、「いや、これはもう知ってもらったうえで作品を楽しんでもらった方が早いだろう」「そんな妙な驚きは必要ないのではないか」という結論に至り、前作との違いを枠組みから揃えていきました。このシーズン2も様々な展開があるので、最後まで観ていただけると、違うキャラクターになった意図を分かっていただけるのではないかと思っています。
二宮和也「ブラックペアン」天城役で意識していること
― “オペ室の悪魔”渡海先生と、“人も金をももてあそぶ悪魔”天城先生のキャラクターの違いや、演じ分けるうえで意識していることはありますか?二宮:違うキャラクターなので、ビジュアル自体全く違いますよね。あと、人それぞれ感じ方は違うと思いますが、僕は天城先生を演じて改めて観たときに「渡海先生は実は良い人だったんだな」と実感しました。特段悪いところをデフォルメして抽出しているわけではないですが、天城先生は渡海先生とはまた角度の違うアプローチというか、自由奔放に映っていると思います。
― その自由さというのは、どのように表現されているのですか?
二宮:僕が天城先生を演じるときは、自由に“こうしたい”とアプローチをしていることの方が多いかもしれないですね。あと“こう動いてもらいたい”とTPOに合ったムーブはあまりしていません。あえてしていないという意図的なことでもあるのですが、渡海先生よりは能動的に社会とも関わっているようなキャラクターです。
― 実際に天城を演じてみて感じたことや発見したこと、撮影が始まってから思ったことを教えてください。
二宮:“その場に置かれたときに、どれだけ異物化できるか”ということを、1つのテーマに演じています。あまり場に馴染んでいなかったりその場を乱したりするのに、オペのときだけはみんなの中心で動いている様が面白いと思っていたので、オペをしているときとしていないときの差は意識しています。
二宮和也、6年前からの変化・俳優業におけるブレない姿勢
― 6年前と現在で、ご自身の役者としての姿勢に変化を感じたことはありますか?二宮:一番不思議というか面白いなと思った感覚は、これまでいろいろな作品に顔を出させてもらって、沢山の経験をさせていただいていたのですが、「ブラックペアン」と言われると、あの頃の感じが戻ってくるというか、6年前と同じやり方で現場にいられている気がします。それを許していただける現場だということが一番大きいのですが、僕は現場に入って空気を見て出てくるもので勝負したいタイプなので、それを良しとしてやらせてくださるスタッフの方々、対応してくれる共演者の方々がいてくださって「あ、『ブラックペアン』の現場に戻ってきたな」と、むしろ懐かしさすら覚えました。
― この6年で様々な作品に出演してきたからこそ、今回の現場で新たにできていることはありますか?
二宮:共演している方たちと、当日撮るシーンの話をするようになりました。前室とかで「ここをこうしたいんだけど大丈夫?」「じゃあ僕はこうします」「私はこうやります」と役者間でやりとりできるようになったのは、大きいかもしれないですね。僕もですが、他のみなさんも6年経っていて、いろいろな現場を経験されているので、そういう方たちと「ブラックペアン」のやり方で今一緒にできていることがいいなと思いますし、やりやすくて好きです。
★キャストとの裏話や二宮にとっての自身最大の“選択”について聞いたインタビュー後編も公開中。(modelpress編集部)
二宮和也(にのみや・かずなり)プロフィール
1983年6月17日生まれ。東京都出身。1999年、嵐としてCDデビュー。俳優としても高い評価を受けており、2005年に映画「硫黄島からの手紙」でハリウッドデビュー。2016年、映画「母と暮せば」で「第39回 日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を、2023年には「TANG タング」「ラーゲリより愛を込めて」で「第65回ブルーリボン賞」主演男優賞を受賞した。近年の主な出演作は、ドラマ「潜水艦カッペリーニ号の冒険」(2022年/フジテレビ系)、「マイファミリー」(2022年/TBS系)、「VIVANT」(2023年/TBS系)、「ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜」(2023年/フジテレビ系)、映画「TANG タング」(2022年)、「ラーゲリより愛を込めて」(2022年)、「アナログ」(2023年)など。「ブラックペアン シーズン2」第2話あらすじ
天城(二宮和也)は、佐伯(内野聖陽)が計画中の新病院のトップに推挙され来日することに。着任早々、とんでもない新病院構想で周囲の反感を買い、さらに自身は公開手術で日本医療界にデビューすると豪語。天城は世界でただ一人、冠動脈バイパス術の進化形、ダイレクトアナストモーシスを扱える技術を持ち、それを披露すると言う。そんな中、世良(竹内涼真)が担当している患者である洋菓子店を営む繁野(誠 直也)は資金が足らずスナイプ手術を受けられずにいた。娘の麻美(蘭寿とむ)は、繁野自身が独自開発した大人気商品であるアップルパイのレシピと販売権を売ることで資金を調達しようとする。しかし、それを知った繁野とその孫の結衣(堀越麗禾)は猛反対。さらに繁野が助かるためには莫大な資金がかかる天城のダイレクトアナストモーシスを受けるしかないこと判明。そして天城はなんと結衣に手術を受けるための賭けを持ちかけるのだった。
一方、新病院のトップを密かに狙っていた高階(小泉孝太郎)。その高階に、全日本医学会会長の座を佐伯と争っている菅井(段田安則)の影が忍び寄る。
【Not Sponsored 記事】
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