「未来への10カウント」山口まゆ、木村拓哉との再会秘話語る「覚えていてくれた」活動休止・挫折を経て心境の変化も<インタビュー>
2022.04.23 18:00
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現在放送中のテレビ朝日系ドラマ「未来への10カウント」(毎週木曜よる9時~)に出演する女優の山口まゆ(やまぐち・まゆ/21)がモデルプレスのインタビューに応じ、7年ぶりの共演となった木村拓哉についてや撮影現場の様子を語った。活動休止期間を経て、復帰した理由とは何だったのか。女優として活動をしていく覚悟や素顔に迫った。
山口まゆ「未来への10カウント」で木村拓哉と再共演
同作は、生きる希望を完全喪失している男・桐沢祥吾(木村)が、図らずも高校ボクシング部のコーチになったことで徐々に熱を取り戻し、再生していくさまを描く青春スポーツドラマ。山口はボクシング部員たちの取材を通して鋭く見つめ、ボクシング部の力強い味方となる新聞部の部員・矢代智香を演じる。山口まゆ、木村拓哉と再共演で“ピース”される
― 「未来への10カウント」への出演が決まった時の心境を教えて下さい。山口:木村拓哉さんが主演と聞いて、以前お仕事をしたことがあったので「すごい!また会えるんだ」とすごく嬉しかったです。また、しっかりとした学園モノというドラマが今まであまりなかったので楽しみだなと感じました。
― 木村さんとはドラマ「アイムホーム」(テレビ朝日系/2015年)以来、7年ぶりの共演ですが、実際に現場でお会いして以前共演した時とは印象は変わりましたか?
山口:私が木村さんと初めて共演した時が中学3年生の時だったので、木村さんが大スターだとあまり実感が出来ていない状態でした。当時はそのような心境のままお芝居をしていたので、大人になって「すごい人だ」と改めて感じ、今回の撮影はより緊張しました。
― 実際に撮影が始まってみて、現場で言葉を交わすことや同じシーンを撮って話した場面はありましたか?
山口:1度現場でお会いした時にすごく緊張しながら木村さんに「おはようございます」と言ったらピースだけされました(笑)。「覚えていてくれたんだ」とすごく嬉しかったです!
― 木村さんからのピースはどう受け取りましたか?
山口:木村さんは初共演した当時からかしこまった感じではなくフランクに距離を縮めて下さっていました。今は木村さんのことをスターだとわかっている状態なので一瞬動揺しましたが、初共演した時のことを思い出すとやっぱり「良い方だな。すごく素敵だな」と思いました。
山口まゆ、木村拓哉は「空気までも変える」
― 撮影が始まってどれくらいになりますか?(取材は4月上旬)山口:3月末ぐらいから始まって、5、6話ぐらいまで進んでいます。私の役はボクシング部ではないので、クラスで授業を受けているシーンなどを撮影しました。キャストさんは多いですが、私は職員やボクシング部のキャストさんとはまだしっかり絡んでいないんです。(撮影場所で)会って挨拶するぐらいなので、まだ始まったばかりという感じですね。
― 現場の雰囲気はいかがですか?
山口:木村さんがいらっしゃるとすごく空気が締まったりゆるんだりするので空気までも変えるような方だなと。それはすごく良い流れなんじゃないかなと感じて「さすがだな」と思っています。
― 学生役のキャストの方に何か呼びかけるというよりは、入って来るだけで締まるという感じなのでしょうか?
山口:そうですね。もう入られると締まる感じがあります。例えば、授業をしているシーンを撮影した時にアドリブで面白いことを言って下さって、みんなを笑わせていたことがありました。和む時は和んで、締める時は締めるという空気作りがすごく上手だなと思いました。
― アドリブもあったんですね。
山口:アドリブは、木村さんなりに高校の先生についてすごく研究していらっしゃるのか、自分がもし生徒だったらすごく「楽しい授業だな。良い先生だな」と感じたので「すごいな」と思いました。先生に見えます(笑)。
― 教室でのシーンでは、ほかの同世代のキャストの皆さんとも一緒かと思いますが、実際に一緒にお芝居をしてみて刺激を受けた方や影響された方はいらっしゃいますか?
山口:まだちゃんと絡んでいなくて。でも、これから撮影するシーンでキャストが集結する予定があるので、その時が楽しみです。お会いしてない方もいらっしゃいますし、やっとそこで生のお芝居を見られるのも楽しみです。
山口まゆ、山田杏奈と再会
― 撮影中の休憩時間などでほかのキャストさんとお話はしましたか?山口:以前共演した方が何人かいるので挨拶をした時に「久しぶり!」と声を掛け合うことはありました。映画「樹海村」(2021年)で共演した(山田)杏奈ちゃんは今回は同じクラスメイトなので、撮影の合間に話しました。
― これから話してみたい、絡んでみたいなという方はいらっしゃいますか?
山口:私の役は新聞部なのでボクシング部周りのキャストと全く絡んでいなくて、新聞部として取材に行った時にやっと絡める感じなのですが、まだ行っていないんです。ボクシング部がみんな練習されていると聞いて、まだ一切見ていないのでどんな感じなのかなとすごく楽しみです。木村さんのボクシングもまだ見ていなくて。でも一視聴者としてドラマで楽しむのもありかなという思いもあります(笑)。
― 今回のドラマで共演して印象が変わった人はいますか?
山口:ボクシング部の男の子たちに何人か知り合いがいるんですけど、まだお芝居が見られていなくて(笑)。でも元気そうでした!
大朏(岳優)くんはマッシュルームみたいな頭になっていたので、個性のあるキャラをどう演じるんだろうとか、坂東(龍汰)くんは明るく元気な方なので、ボクシング部だとどんな感じなのかなと。たくさんキャストさんがいらっしゃいますし、木村さんをはじめ本当に豪華なキャストの方が揃っているので、初日に(撮影現場に)行った時に「どう?緊張しない?」と話していたら、結構みんな声が震えたこともあったみたいで「(自分と同じように感じている人がいて)良かった」と思いました。最初はやっぱり緊張しますね(笑)。
木村さんというだけでも緊張しますが、みんないつもとちょっと違う神経を使っていると言っていました。でも木村さんは壁を作る感じではなく、控室にみんなの顔を見に来ている姿を見て、こうやって引っ張っていくんだと心強かったです。「さすが先生!」と思いました。
山口まゆ、矢代智香役への思い
― 演じる役に共感する部分と「自分とはここが違う」と思う部分をそれぞれ教えて下さい。山口:智香は真面目な新聞部というよりは、どちらかというと「ミーハーでスクープ大好き」みたいな子だと思っていて。私自身は好きな映画や音楽などについてはミーハーな気持ちはあるのですが、自分の興味のないことについてはミーハーじゃないので似てないなと(笑)。あと授業中に先生に向かって色々と発言することが出来ないので、そこは全然キャラが違うなと思います。似ている部分は調子が良いところですかね(笑)。ふわふわと楽しくやっている部分が似ていると思います。
でも高校当時の気持ちはもうあまり思い出せなくて(笑)。大人になって周りも見えているので、学生を演じることは結構難しいなと思いました。もう22歳なので、当時のキラキラした青春の感じを出せているのかな(笑)?でもクラスメイトのキャストの方たちはほぼ成人しているので、みんなで頑張ろうという感じです。
― 実際に取材をするシーンはもう撮りましたか?
山口:短いシーンですが、校長室で取材をするシーンを撮りました。
― 普段は取材を受ける側ですが、実際に自分で取材をする側になるというのはどう感じますか?
山口:内田有紀さん演じる校長に取材をしないといけなくて、すごく緊張したんですけど本番は割り切って突っ込んでいきました。
― 撮影の時に内田さんとは何かお話されましたか?
山口:「学生じゃないのに学生に見える」「いやでも内田さんは40歳には見えないです」などと言い合っていました(笑)。
― では改めて、ドラマの見どころや観て欲しいポイントを教えて下さい。
山口:学生役が久しぶりなのでちょっと恥ずかしい気持ちもありますが、そこは楽しみにしていただけたら嬉しいです。ボクシングについての物語でもあるので、ボクシング好きな方も面白いんじゃないかなと思います。そして木村さんがとてもかっこ良いと思うので木村さんのボクシングにも注目していただきたいです。
山口まゆ、映画「3つのとりこ」は「観る人によって見え方が違う」
― 続いて、短編集映画「3つのとりこ」(4月23日~29日まで池袋シネマ・ロサにて期間限定上映中)にも出演されていますが、こちらの作品の見どころについても教えて下さい。山口:この映画はとても不思議な映画で、2人の女性が出てくるのですが、私はみどりという役を演じています。どちら(の女性)にも感情移入が出来るような作品だと思います。観た人がどう感じるかわからないですが、結構「気持ち悪かった」と反応が返ってくることが多いので、皆さんがどの位置で観るのかというのがすごく私は気になります。
― 山口さんはこの作品からどのようなメッセージを受け取られましたか?
山口:本編では、ずっと話が噛み合わない2人が会話をしているなのですが、行先や目的はそれぞれ違うので自分が伝えたかったメッセージはあまり定めていませんでした。イライラや人間関係を映し出した日常がすごくリアルに反映されている作品なので、自分でもちょっとわからない部分があって。「気持ち悪かった」という感想を聞いて、観る人によって見え方が違うと感じました。私が演じる役はとにかく目の前にいる女性を自分の世界に引っ張りたいということを考えていました。
山口まゆ、芸能界の道に戻ってきた理由
― ここからは、山口さんのこれまでの活動についてもお伺いしていきたいと思います。まずは芸能界デビューのきっかけを教えて下さい。山口:3、4歳ぐらいからクラシックバレエを習っていて、バレエを踊るのがすごく好きでした。舞台に立って、お化粧をしたり衣装を着たりというのが楽しくて、その延長でミュージカルというものに出会いました。小学生ぐらいの時です。そのまま子役事務所に所属して、習い事感覚で歌と演技とダンスを習っていました。中学校に入るにあたって1度お休みをして、でも色々とレッスンをしていた中でお芝居がすごく好きだったのでまたお芝居をやりたいなと思い、中学生の時に今の事務所に入り、現在活動をしています。
― 女優として進んでいきたいと思った1番の大きなきっかけは何ですか?
山口:演技のレッスンがすごく楽しかったことです。ミュージカルに取り組んでいた時はダンスは好きでしたが歌に苦手意識があり、それでもやっぱり演技が楽しかったんです。そのタイミングで「ハガネの女」(テレビ朝日系/2010年)に自分と同じくらいの年齢の子が出ているのを観て、ドラマに興味を持ち始めました。昔は、テレビに出ている人はこの世にいないテレビの中だけの人だと思っていたんです(笑)。また、エキストラをやっていた時に「私たちは雨でびしょびしょだけど女優さんたちは傘を差してもらって良いな」と思っていたこともありました。
1度お休みをした中学生の頃は友達と遊ぶのがとにかく楽しくて、でもお芝居はずっと好きでした。趣味の延長でお芝居を始めましたが、19、20歳ぐらいから「もっと仕事を頑張らないと」という意識が芽生えました。
― 中学生になるタイミングで今まで続けてきたものを急に止めることに戸惑いや恐怖はなかったですか?
山口:あまりなかったです。中学校で環境が変わり「そろそろ勉強をした方が良いんじゃない?」と言われて、中学校に入って友達も出来て楽しくて。でも自分がやりたかったことを今までもずっと続けてやらせてもらえていて、そういうものを見つけられたのはすごく良かったなと思います。19歳になって将来の進路に迷う子もいると思うので、やりたいことがその当時からもう見えていて、動いていたというのは今思えば強かったなと感じます。
― 今までの芸能生活の中で辛い経験や辞めたいと思ったことはありますか?
山口:辞めたいとはしょっちゅう思ってしまうんですけど…(笑)。でも本当にお芝居や映画を観ることが好きなんです。作品に関われるというのがすごく自分の中で楽しいことになっていて、「達成感あるな」と気づいたのは18歳ぐらいでした。それまではただ目の前にあるものをやっていたという感覚です。その時に、挫折というか仕事が続かなくなってきて「まずいな」と思って…。そこで、自分の考え方を変えて、色々と勉強をしたのですが…ただ勉強してもダメだなと感じて。経験することが大切だなと思い、人間関係から上手くやれるように意識しました。そうすると意外と「お芝居に反映できるな」と思い始めました。そこからはお芝居に対しての苦というものはなくなってきて「人生経験が足りないんだな」と考えるようになりました。「等身大で経験したものが出せれば良いのかな」と思い知らないことはもちろん勉強しますが、こういう考え方になってからはお芝居をちょっと違った目線で見られて、より楽しいなと思っています。
山口まゆの“2回のターニングポイント”
― ターニングポイントになったお仕事や作品はありますか?山口:ターニングポイントの1回目は「コウノドリ」(TBS系/2015年)という作品です。14歳の母という役をやったのですが、その時に自分が思っていた以上に周りの反響がありました。街でも声をかけていただくようになって、よくわからない状態のままお仕事もいただけていたけど、大学受験なども重なり色々と暗い時期もありました。
大学に入って、2回目のターニングポイントになったのが「樹海村」という作品です。この作品を通してまた変わりましたね。お芝居というものにちゃんと向き合えましたし、辛かったですが、すごく自分の財産になりました。
― 辛い時や挫折した時の原動力や支えになったものはありますか?
山口:初めて出演した映画「くちびるに歌を」(2014年)で共演した方たちです。学生ばかりで舞台となる五島列島に2ヶ月ぐらい行って、楽しい合宿みたいな感じでした。いつも親戚の集まりみたいな感じになるのでそういう時にみんなに相談したことが支えになりましたね。同じ役者という活動をしていないとわからない部分もあると思うので、妹感覚でいつもみんなに甘えていました。
山口まゆ、事務所の先輩・有村架純らとのエピソード明かす
― 憧れの女優さんや尊敬している方はいらっしゃいますか?山口:憧れの女優さんはあまりいないですが、韓国の女優さんで好きな人は結構います。すごすぎて目標には繋がらなくて、ただ好きなだけなんですけど…(笑)。海外の女優さんだとリリー・コリンズとかすごく好きです。
― 好きになったきっかけや作品はありますか?
山口:Netflixの「エミリー、パリに行く(原題:Emily in Paris)」シリーズ(2020年~配信中)がすごく好きです。海外作品を観ることが結構多いです。邦画は勉強という視点で観てしまうので楽しめない時もあって。
ですが同じ事務所の先輩方はすごく尊敬しています。お芝居もそうですが、心配をしてくれて声をかけて下さるんです。女優さんとしてだけではなく、1人の人間としてもとても素敵な方たちです。
― 先輩から声をかけられて印象に残っている言葉はありますか?
山口:徳永えりさんによく相談をして、ご飯に連れていってもらっています。有村架純さんにはむくみの相談を(笑)。体調面のことなども相談しています。山口紗弥加さんには「おすすめの本はありますか?」といったことなどを現場で色々と聞きました。事務所などで先輩方とお会いすることが多いですし、ほとんどの先輩と一緒にお仕事をしたことがあるので、その時には声をかけて下さいます。事務所の先輩がいるとすごく心強くて、ありがたいなと思っています。
山口まゆの「夢を叶える秘訣」
― 山口さんにとっての夢を叶える秘訣は何ですか?山口:まだ、夢が叶ったとも思っていないし、これまでも叶えているとは思ってないので難しいですね…。すごく現実的かもしれないのですが、最近よく思うのは30歳でお仕事が楽しいなと思えていたら良いなということです。今、じゃなくてもあと何年後かに良かったと思えるように、10代から20代で辛いこともあると思いますが頑張るしかないのかなと。安定はしないし、先が見えないし、30歳になって何をしているかわからないけど「楽しいな」と思えるように今は頑張ろうと思っています。夢を叶える秘訣の答えになっているかわからないですが、私にとっては今が頑張り時だということです。20代は頑張るしかないことに最近気づきました(笑)。
― 30代に向けて意識していることはありますか?
山口:色々と知識を増やしたいと思っています。今から色々と切り捨てていくのは、あまり良くないのかなと思いますし、将来は全然別の仕事をしている可能性もあるので、今は何でも興味を持って頑張るしかないなと思っています!
― ありがとうございました。
(modelpress編集部)
山口まゆ(やまぐち・まゆ)プロフィール
2000年11月20日生まれ、東京都出身。女優としてドラマや映画を中心に活躍中。近年は、ドラマ「ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜」(日本テレビ系/2021年)、「ザ・ハイスクール ヒーローズ」(テレビ朝日系/2021年)、「シジュウカラ」(テレビ東京系/2022年)、映画「樹海村」(主演/2021年)、「軍艦少年」(2021年)、「真夜中乙女戦争」(2022年)などに出演している。
【Not Sponsored 記事】
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