広瀬すず、最近感じた自身の変化「ノーストレスで過ごせている」<「あんのリリック」インタビュー>
2021.02.17 08:00
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WOWOWの「ドラマWスペシャル あんのリリック-桜木杏、俳句はじめてみました-」(前編2月27日よる9時~)で主演を務める女優の広瀬すず(22)がインタビューに応じ、撮影を振り返りながら、初挑戦となったラップ&俳句、最近自身が変化したことなどを語ってくれた。
広瀬すず主演ドラマ「あんのリリック」
今作は、俳句と様々なジャンルのコラボを成功させてきた俳人・堀本裕樹の青春俳句小説『桜木杏、俳句はじめてみました』(幻冬舎文庫)を基に、芸大生リリックライター・桜木杏と、俳人でコピーライターの連城昴が織りなす“言葉”をめぐり、熱く魂がぶつかり合う青春グラフィティ。ドラマW初登場にして初主演となる広瀬は、芸術大学の学生・杏を演じる。人との関わりを苦手とし、下宿の部屋で一人でラップのリリック(歌詞)を考えるのが至福の時間という杏。折しも、その才能に気づいた昴に声をかけられ、ラップと共通点のある俳句に興味を持ち始める。これまで触れたことのなかった俳句の世界を通じて、新しい自分と出会っていくという役柄だ。
連城昴を宮沢氷魚が演じるほか、毎熊克哉、安藤ニコ、桂雀々、ふせえり、荒川良々、田辺誠一、夏川結衣らも出演する。
広瀬すず、杏は愛されキャラに
― 今回のお話を聞いたときの感想を教えてください。広瀬:ラップと俳句のお話と聞いたときは、どう繋がって、どんなドラマになるのかとあまり想像ができませんでした。ですが、エピソードとしてラップが出てきたり、俳句を使って自分の思っていることを伝えたりと、言葉というものが土台にあるので、力を借りるものとしてラップと俳句は、違和感なくすんなりと受け入れることができました。
― 杏を演じた中で共感したことや得たものはありますか?
広瀬:杏を通して、やっぱり人と話すことが好きなんだなと思いました。人といることや、楽しいことは、どんなことがあってもやっぱり楽しめるし、楽しい。杏もそういうのが、好きなんだなと思いました。孤独をちょっと感じながら生きている女の子なのかなと思っていたのですが、そういうのは演じていくうちにあまり感じませんでした。
― クランクインのとき「今までになかったお芝居をしたいな、と色々試行錯誤しております」とコメントしていましたが、実際にいかがでしたか?
広瀬:最初のシーンは私が思っていた杏に近く、人との距離感や掴みづらいところがあるのかなと、変なリズムでセリフを言っていたのですが、段々愛されるキャラクターに変わっていきました。なので、今は最初のちょっと変な感じが、変に映っていなかったらいいなって思っています(笑)
― ラップや俳句もあって大変な作業だったのかなと思いましたが…
広瀬:すごく楽しかったです!全シーン通して現場の雰囲気も本当に良かったし、目の前のことにすごく集中できる現場でした。
― ハゲボウズ役の板橋駿谷さんとのMCバトルシーンも見どころだと思いますが、撮影はどうでしたか?
広瀬:板橋さんとは「なつぞら」(NHK)で共演していて、すごく仲良しなので、すごく楽しめました。多分板橋さんではなかったら、ちょっと遠慮したり、緊張したりしながらやっていたと思います。
広瀬すず、ラップ&俳句に苦労「意外と伝わっていなかったりする」
― 今回、ラップや俳句を披露するシーンが醍醐味だと思うのですが、どのような準備をしましたか?広瀬:ラップの先生に教えてもらいながら、結構練習しました。あと、板橋さんはずっとやっていて詳しいので、できる方に聞いたり、動画を見たりしていました。俳句も氷魚くんと一緒にシミュレーションの俳句会をやらせてもらいました。
― 実際にやってみて大変でしたか?
広瀬:そうですね。男性と女性だと見えている世界も違うだろうし、自分の感覚でやっているところもあるので、意外と伝わっていなかったりしました。
― その逆で面白いとか、魅力を感じたところはありますか?
広瀬:ずっと座って、いろんな俳句を選んで発表してという客観的に見ると地味に見えるかもしれませんが、発表のときってすごくドキドキするんですよ。そういうのは意外だったので、すごく楽しいです。みんなが自分の句を褒めてくれたり、いろんな想像を膨らませてストーリーを作って感想を言ってくれたりすると、やっぱり嬉しいですね。そういうのは想像以上に楽しかったです。ラップも頭の回転が速くないとできないと思っていました。実際にやってみたら、苦戦したし、難しいと感じましたが、楽しかったです。
― 特報を見ると、少し声が高めのキャラ設定なのかなと思ったのですが、役作りで意識したのでしょうか?
広瀬:低めのつもりだったのですが、途中からどんどん普通の声になっちゃって(笑)
― そういうのもあって、愛されキャラになっていったんですね!
広瀬:みんなが味方に付きたくなるようなキャラになっていきましたね。その場に馴染んでいないけど、楽しいから続けている子を想像していたのですが、みんなが想像以上に優しい言葉と優しい雰囲気で接してくれたので、これをどんどん素直に受け取っていったんだと思います。「杏ちゃん!」って言いながら笑いかけてくれるような方が多かったので、愛されているんだろうなと思いました。
広瀬すず、コミュニケーションで大切にしていること
― 言葉をすごく大切にしている作品だと思いますが、広瀬さんが言葉について思ったことはありますか?広瀬:やっぱり言わないとわからないし、言葉でしか伝えられないというのはすごく大きいなと思いました。私ももともと人に言葉で伝えるタイプではないのですが、こんなにもちょっとしたことでいろいろな人が言葉を通して繋がっていくんだなと思うと、まだ知らない世界とか、見えない景色がいっぱいあるんだろうなと思いました。言葉を繋いでいくと、想像しちゃって、そんな世界もあるのかなって、生きていくのが楽しみになりましたね。
― 広瀬さんがコミュニケーションをとる上で相手に対して意識していることがあれば教えてください。
広瀬:気を使って話すことがあまりないのですが、話すことが好きな人って自分が答えると返してくれるじゃないですか。だからそのトーンに合わせます。だけど、いっぱい話すことが好きではない方もいる。そういう境目はけっこう見分けちゃうかもしれないです。見分けるようにして勝手に意識しちゃっているかもしれません。
― 杏と昴ってそこまで会話を交わすわけではないのに、自然と話が進んで、絆が深まっていく印象があるのですが、広瀬さん自身も話さなくても伝わるような関係って心地良いものなのでしょうか?
広瀬:私は自分のことをどんどん話して知ってもらうという過程が苦手で、ちょっと一歩引いちゃったりするタイプなので、そこまでナチュラルにお互いがお互いの魅力を知っているのは、恋愛でも友情でももいいなと思います。
― ラップや俳句の感想を言い合いながらやっていたとおっしゃっていましたが、広瀬さんは映画やドラマとかも感想を言い合ったりしますか?
広瀬:私は一人で映画を観に行くことが多いので、「こうだったよね」とかあまり話さないのですが、(新型コロナウイルスによる影響で)お家にいる時間が増えて、いろんなネット配信の番組を観ていたときに、誰かに話したくなって、電話をかけて話したことがあります。いろんな視点から感想が聞けて楽しかったですね!なので、自分が出演している作品でも話してもらえたらすごく嬉しいですし、作品のことを話すことが増えていくのは嬉しいなと思います。
広瀬すず「ノーストレスで過ごせている」変化したことを明かす
― 今回はラップと俳句を通して新しい自分と出会っていくというお話でもありますが、最近広瀬さん自身が新しい自分と出会えた出来事はありますか?広瀬:最近、寛大な心を手に入れることができました(笑)。友達から「ここまで送って」と言われて、私も帰り道だったので、足に使われたなと思いながら(笑)、「いいよ」と言って一緒にタクシーで帰ったことがあるのですが、今までだったら「なんで?」って言える相手だったら絶対に言っちゃっていました(笑)。ちょっとイラっとしちゃうようなことがなくなったんです。最近友達が寛大な心を手に入れたって話を聞いて、素晴らしいことだなと思って、私も意識したら全然怒らなくなって、新しい自分と出会えたなと思いました(笑)。今までだったら、ぐちゃぐちゃの状態で出前が届いたら「なんで?」って思っちゃうのに、今は「運んでくれてありがとう」って思えます(笑)
― 今後もイライラしない自分でいることができそうですか?(笑)
広瀬:そうですね!今、全然ノーストレスで過ごせています(笑)
― 自分を変えられたんですね!
広瀬:20歳を過ぎてからすごく意識しているんですけど、人と上手くコミュニケーションがとれるようになったと思います。
― 主演として現場で意識していることはありますか?
広瀬:あまりないですね。自分が主演だから雰囲気を作らなくちゃとか考えるタイプではないので、楽しければいいかなと。今回は意識せず、普通に楽しかったです。
― 空き時間、宮沢さんやほかの共演者の方とお話したりしましたか?
広瀬:結構しました!みんなでずっとなにかしら話して、みんなと一緒に控室に移動していました。常に全員でどこかで固まってしゃべっているという感じでした。
広瀬すず、挑戦したいことは?
― 今回ラップと俳句に挑戦しましたが、今後広瀬さん自身が挑戦してみたいことはありますか?広瀬:一輪車でスピンができるようになりたいです!一輪車で競技ダンスとかもあって、出てみたいなと思って(笑)。本当に一輪車を買おうかなと思って、ネットで調べたばかりです。
― 広瀬さんって結構運動をされているイメージがあります!
広瀬:一輪車も有酸素運動になると思っています。激しく動くのも好きですが、以前映画でチアダンスをやってから、踊ることも好きになって。最近ダンスにちゃんと行けてないので、ダンスにも通いたいですね。
広瀬すず、夢を叶える秘訣は「人に言うこと」
― 夢を追いかけているモデルプレス読者に向けて、夢を叶える秘訣を教えてください。広瀬:人に伝えること。やりたいと思ったら、その道に近いものからどんどん挑戦していくことが近道だと思うのですが、人に宣言してから行動に移すことで、私はそれに対して自分のプライドが出てくると思います。言ったからにはできなかったんだって思われたくないので、無理矢理自分のハードルを上げるだけで、叶えられると思います。なので、私は絶対にこれをやると決めたら、声に出して誰かに言います!
― そうやって夢を叶えた経験があるんですか?
広瀬:「Seventeen」専属モデルをやっていたときは、この年齢のときに単独表紙やるって決めて、人に言っていましたね。頑張ったら2ヶ月後ぐらいに叶ったので、次は何月号の表紙をやりたい、お正月号の表紙もピンでやるとか、言い続けました。その後は、お芝居のお仕事がどんどん増えたので、この作品でこの役を演じるとかすごく言っていました。
― たくさんの夢があっても、すべてを叶えてきたわけではないと思います。そんな挫折を味わったとき、広瀬さんはどうやって乗り越えてきましたか?
広瀬:相当努力をしてもダメだったときは、全てを忘れることは無理だけど、忘れるほど自分に永遠にご褒美を与え続けて、乗り越えます(笑)
― 例えば、どのようなご褒美を?
広瀬:ストイックに頑張ってきたのだからと言い聞かせ、好きなものをたくさん買ったり(笑)。それが1日だけじゃなくていいと思うし、次のなにかが見つかるまででいいと思うので、挫折しそうなときは、自分に甘えたり、誰かに甘えたりしてみてください。
― たくさんのお話ありがとうございました。
(modelpress編集部)
「ドラマWスペシャル あんのリリック -桜木杏、俳句はじめてみました-」ストーリー
芸大生の桜木杏(広瀬すず)は、友達がいない。日々のささやかな楽しみは、近所の掲示板に貼られている“言葉”をめでることと、匿名でラップのリリック<歌詞>を作ることである。ある日、何気なく口ずさんだリリックをきっかけに、大手広告代理店勤務のコピーライター連城昴(宮沢氷魚)に声を掛けられる。俳人でもある昴は、上司の塔矢ローズゆり(夏川結衣)から、俳句とラップをテーマにしたプロジェクトチームに引き入れられ、この突飛な企画に頭を悩ませていた。昴に丸め込まれた杏は、プロジェクトの手伝いをすることとなる。俳句は知らないし、人間関係も不安だった杏。だが、初めて参加した句会で個性的な面々と出会い、俳句の世界に惹かれていく。そんな中、代理店での打ち合わせに参加した杏は、リリックを提供していた売れっ子ラッパーと鉢合わせてしまう。広瀬すず(ひろせすず)プロフィール
1998年6月19日生まれ。静岡県出身。2012年、女性ファッション誌「Seventeen」の“ミスセブンティーン”に選ばれ、2013年放送のドラマ「幽かな彼女」(CX)で女優デビュー。2018年には第41回日本アカデミー賞 最優秀助演女優賞を受賞した。今後は主演ドラマ「エアガール」(EX、今春放送)、映画「いのちの停車場」(5月21日公開予定)などが控えている。
<クレジット>
ヘアメイク:河北裕介
スタイリスト:丸山晃
撮影:SHIN ISHIKAWA(Sketch)
<衣装クレジット>
ワンピース(アキラナカ/ハルミPR)
インナー(ルシェルブルー/リステア・ルシェルブルー総合カスタマーサービス)
ブーツ(クラークス オリジナルズ/クラースジャパン)
ピアス(ソワリー/ソワリー)
【Not Sponsored 記事】
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