佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス

鈴木伸之&佐野勇斗、クールな“さぼりエピソード”告白 初共演で意気投合<「俺たちはあぶなくない」インタビュー>

2020.08.15 08:00

俳優・鈴木伸之(すずき・のぶゆき/27)と佐野勇斗(さの・はやと/22)。9月17日よりスタートするドラマ特区『俺たちはあぶなくない~クールにさぼる刑事たち』(テレビ神奈川:毎週木曜23時~、MBS:毎週木曜24時59分~ほか)でW主演を務める2人が、このたびモデルプレスなどのインタビューに応じドラマの魅力や撮影裏側を語った。

鈴木伸之&佐野勇斗W主演『俺たちはあぶなくない~クールにさぼる刑事たち』

―――昭和の刑事は熱かった。平成の刑事は下り坂でも世のため人のために踏ん張った。でも令和の刑事は、見切っている!これからの自分の未来と平和のために戦うのだ!―――

主人公の2人は、都会にはびこる数多の犯罪と立ち向かう過酷な現場に身を置いているにも関わらず、定時を超えて働かない、無理はしない、あろうことか捜査もしない“あぶなくない刑事”。とにかくコスパよくさぼることを常に念頭に置き、クールにスタイリッシュに毎日を過ごしていく、とんでもなく後ろ向きだけど超カッコいい2人を描く新時代のポリス・コメディが始まる。

常にコスパを考え昇任試験と署内政治に忙しい「出世刑事」高野心(たかの・しん)を鈴木、愛されキャラを生かしつつ転職活動に勤しむ「世渡り刑事」世中渡(よなか・わたる)を佐野が演じる。

“あぶなくない刑事”の魅力 高野心&世中渡はどんな人?

鈴木伸之&佐野勇斗 (C)MBS
鈴木伸之&佐野勇斗 (C)MBS
― お2人が演じた高野・世中はどんなキャラクターですか?

鈴木:僕が演じた高野はとにかく直感力に優れていて、事件の匂いがしたり、自分に不都合なことが起きそうになるととにかく鼻が利く男です。「あぶない匂いがする」というセリフが毎話のどこかに出てくるのですが、その“匂い”の種類によって、言い方や仕草も毎回変わってくるので、そこも楽しみにしてほしいです。

あとは、なにかを人に渡したり、飲み物をとったり、立ち上がったりするときに「シュッ」という言葉を発します。ちょっと不可思議なキャラクターなのですが、それも自分で案を出して、いろんな「シュッ」を撮らせてもらったので、楽しみにしていてください(笑)。

佐野:世中は名前からも分かるように、世の中の渡り方が上手い男で、いち早くあぶない仕事である刑事から転職したいと思っています。それなのに実は刑事に向いていて、推理力が優れていたり、頭の回転が早かったり、洞察力がある。そんな中で伸くん演じる高野さんとの掛け合いも面白いので、注目してほしいです。

― 高野と世中の魅力は?

鈴木:高野は“さぼるために何ができるか”を常に考えています。フェスに行きたい、女の子と遊びたい、といった別のベクトルの目的があるのに、そのために会議ですごく真面目な答弁をしたりする、というアンバランスな感じが好きですね。

佐野:僕は、世中ってカッコイイな、と思うところがあるんです。全然真面目にやっていないし、犯人を捕まえたいという気持ちもないのに、推理力が高くて、結局彼がひらめいたことが全部事件解決に結びついていく。そういうところがある意味クールでカッコイイなと思いながら演じていました。刑事をやりたくて転職したいのに刑事に向いているなんて、ほかの人からしたら羨ましいですよね。

“さぼるために真面目になる”がドラマの見どころポイント

― ドラマの台本を読んだときの感想は?

鈴木:台本がすごく面白くて、撮影に入る前からとても楽しみでした。そして台本の活字以上に面白いことをみんなで体現できたと思っているので、放送できるのがとても楽しみです。

佐野:台本を読んでここまで笑ってしまう経験は初めてでした。本が面白い分、自分が演じる上で面白くできるかというプレッシャーはあったのですが、撮影を終えた今はすごくいいものができたと思います。

― 作品全体の見どころは?

鈴木: “さぼるためにめちゃくちゃ真面目になっている”というのがこのドラマのミソで、面白いところだと思います。チームのみんなが「事件解決に向けて頑張ろう」という熱い雰囲気なのに、一歩会議室を出るとそんな捜査は全くせずに遊んでいる。一方、会議室の外でもすごく熱く捜査に励んでいるのに、一向に何も成し得ないキャラクターも出てくるので、その対比もすごく楽しい作品になっていると思います。

佐野: 2人はさぼろうとしているのに上手くいっちゃうっていう(笑)。ズルいですよね。でもそこが魅力だと思います。

鈴木伸之&佐野勇斗、初めての刑事役も“予想外の展開”

佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
― 初めての刑事役はいかがでしたか?

鈴木:初めての刑事役なので、刑事らしい熱いシーンをすごく楽しみにしていたんです。警察手帳を見せて「〇〇警察署の〇〇だ」「〇〇罪で逮捕する」と言うシーンとか。でも今回はそういう場面が一切なく、講習をさぼってキャンプに行って遊んだり、普通の刑事ドラマではないようなシチュエーションばかりなんです。思い描いていた刑事ドラマとは全く違ったのですが、それはそれですごく楽しくて、他とは一線を画すようなドラマだなと思います(笑)。

佐野:僕は自分の年齢よりも年上の役を演じること自体が初めてでした。僕も刑事ドラマと言えば現場検証とか、黄色いテープをくぐって手袋をはめて…みたいなことをするのかなと思っていたのですが、そんなシーンは全くなく、バーベキューをしたり、フェスに行って盛り上がったり(笑)。これ本当に刑事ドラマですか?と思いながら撮影をしていたのですが、すごく面白い映像が撮れていると思うので、楽しみにしていてほしいです。

― コメディの演技はやってみていかがでしたか?

鈴木:スタッフさんや監督も含め、本番中に笑い声が聞こえるくらい笑いが耐えない現場でした。僕たちも本番中に何回か笑ってしまったのですが、やるときはやる、笑うときは笑うというようなメリハリもある現場で、すごく充実した期間でした。アドリブもちょくちょく入っています。僕は色々な方のモノマネをさせていただいたので、そこも楽しみにしてください(笑)。

佐野:僕はコメディをやらせていただいたことがあまりなくて、今回は学ばせていただくことがとても多かったです。間のとり方とか、あえてテンポよく言ったりとか、そういったところで面白さも変わってくると思いますし、現場のスタッフさん、なにより伸くんが笑ってくれたので、すごくありがたかったです。

鈴木伸之&佐野勇斗、お互いを絶賛

― 共演して、お互い魅力に感じたことはありますか?

鈴木:佐野くんは初共演だったのですが、本当に世中渡というキャラクターにぴったりな男だと思います。すごく気遣い屋さんで、そこが世中ともリンクするところですね。現場の空気や出演者同士の距離感など、色々なものに対するものさしが優れた人だなという印象です。一緒にいて楽しかったですし、歳が少し離れていることも感じず、友達・同志のようないいバディができたと感じています。

佐野:僕は年上の方で親しい方があまりいないのですが、伸くんはとてもフラットに接してくれて、こう言うと上から目線に聞こえてしまうかもしれませんが、とにかく人柄が素晴らしいなと思います。忙しい中でも笑顔を絶やさず、周りのみんなを盛り上げつつ、スタッフさんへの気遣いも忘れないので「だからこの方はみんなに愛されるんだな」と感じましたし、勉強にもなりました。

― そう言われて鈴木さんはいかがですか?

鈴木:悪い気はしないですね~。

佐野:(笑)。

鈴木:佐野くんは役者として今まで他の作品で見ていたので、ご一緒させてもらうのも嬉しかったですし、撮影に入ったときから気さくに声を掛けてくれて、心を開いてくださっていたので、すごくやりやすかったんです。本当にバディ役が佐野くんでよかったと改めて思います。

佐野:いや~もう、悪い気はしないですね。

鈴木:(笑)。

佐野:クランクイン前は「年齢が離れているから話が合わないかな」という不安もあったのですが、その不安を弾き飛ばすかのように伸くんが優しくしてくださって。他の先輩だったら現場に行かなかったんじゃないか?と思うくらいです。

鈴木:(笑)。

― 現場で見つけたお互いの“クールなところ”は?

鈴木:今回は撮影が朝から晩まで忙しかったのですが、佐野くんは朝9時くらいから集合しても、いつも爽やかに「おはようございます!」と入ってくる好青年でした。佐野くんの「おはようございます!」で「今日も撮影が始まるのか!」という気持ちになるくらいでしたね。

佐野:いやいや(笑)。伸くんが言ったように結構撮影シーンも多く忙しかったのですが、中でも高野は説明のセリフもあって、とんでもないセリフ量だったんです。伸くんがたまに「セリフ頭入ってないわ~」と言っているときがあったのですが、本番はだいたい一発OKなんですよ。本番はちゃんと決めてくるところが「クールだな~」と思いました。

佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
― さぼって遊んでいるシーンが多いですが、実際にお2人が楽しかったシーンは?

鈴木:フェスに行った帰りに事件が起こるシーンがあるのですが、そこのフェスがだいたい8万人くらい観客がいるという設定だと聞いていたんです。「どうやって撮るんだろうね、楽しみだね~」と佐野くんとも話していたのですが、当日に「ここで撮ります」と言われたところが駐車場みたいなところで(笑)。ほかの部署のスタッフさんとかも交えながら、ペンライトとかを持って、8万人のフェスの帰り道のシーンを10人くらいで撮ったという(笑)。想像していたものとは違ったのですが、それはそれで楽しかったです。画面で見たらフェスに行った帰りに見えるとおっしゃっていたので、僕は信じています。

佐野:あれは最高でした(笑)。信じるしかない(笑)。あとはキャンプのシーンでは、容疑がかかっている方とギターを弾いて楽しむ場面があって。僕と伸くんが楽しんでいたら、容疑者の方たちまで一緒にわ~っと盛り上がってしまって、監督に「ちょっと楽しみ過ぎです」と言われたのがすごく面白かったです。

鈴木:「楽しそうな笑顔が欲しい」と監督がおっしゃったら、被疑者の人まで「長渕歌え!長渕!」とか言って楽しんじゃって、「ちょっと抑えめでお願いします、抱えてるものあると思うんで」みたいなね(笑)。あれは面白かったです。

鈴木伸之&佐野勇斗、クールにさぼったエピソードは?

鈴木伸之(C)モデルプレス
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― クールにさぼる刑事たちにちなんで、お2人は過去に“クールにさぼった”ことはありますか?

鈴木:野球部時代に、マラソンのように地域を走らないといけなかったのですが、みんなが5、6周している間近所の団子屋さんでさぼってたことがありますね。団子食べながら。

佐野:嘘でしょ?!そんなマンガみたいなことあるの(笑)。

鈴木:みんながラスト1周のときにトップの人と合流して、いかにも辛そうな顔で学校に戻って、先生も「よしよし頑張った」と(笑)。あれはクールにさぼれたなと思います。あとは僕が最初にさぼり始めたことによって、周りの人もさぼり始めるという“さぼりの起爆剤”になったこともあります。

佐野:自分で言うのも変ですが、僕は中学生まで結構優等生で、生徒会をやったりしていたんです。でも高校生になって、真面目でいるだけでは面白くないなと思い始めて。

― たしかに“さぼる”ということがあまり似合わない真面目なイメージもあります。

佐野:本当ですか?でもそこがポイントなんですよね(笑)。サッカー部だったので、学校の外周を何周も走らなければいけなかったのですが、みんなが10周しているときも5周しかしないまま「走りました!」と言ってさぼっていました(笑)。さぼらないイメージがあるのか先生も「佐野がやったと言うならやったんだろ」と信じてくださって(笑)。

鈴木伸之&佐野勇斗は昭和タイプ?令和タイプ?

― 劇中では“昭和っぽい”熱血刑事と、お2人が演じた “令和っぽい” クールな刑事が出てきますが、お2人自身はどちらのタイプですか?

鈴木:僕はすごく“令和っぽい”と思っています。仕事でもそうですし、1日休みがあったときのプランとかも、とにかくコスパがいいことを常に考えてしまいますね。合間があったらあれができるんじゃないか、これができるんじゃないか、と考えるタイプなので、そこは高野にリンクしていたのかなと思います。

佐野:僕も令和タイプですね。熱血っぽく思われがちなのですが、意外とコスパや効率重視だと思います。例を挙げるなら、大学受験の勉強をするときも、がむしゃらに単語を覚えたりするのではなくて、効率よくやるためにまずは勉強法を学ぼうと思い、初めの1ヶ月は勉強法を勉強していたんです。

鈴木伸之&佐野勇斗は何系男子?

― 2人がお互いを“〇〇系男子”で言い表すとしたら?

鈴木:佐野くんは“気遣い系男子”ですかね。

佐野:新しい(笑)。

鈴木:本当に周りの人をとてもよく見ているんです。撮影が少し押してしまってみんながピリピリしてくると、現場を盛り上げたり、和ませてくれたりしました。スタッフさんのこともキャストのこともすごく大事にしてくれる方で、一緒にいてみんなが自然と笑顔になるので、“気遣い系男子”という言葉が当てはまると思います。

佐野:伸くんは“太陽系男子”。天性のものなのだと思うのですが、意図せず周りを笑顔にして、元気にしている、太陽のような人です。伸くん自身がすごく温かいから、周りも暖かくなってしまう感じですね。

鈴木:悪い気はしないですね。

佐野:(笑)。

鈴木伸之&佐野勇斗を突き動かすのは何欲?

佐野勇斗 (C)モデルプレス
佐野勇斗 (C)モデルプレス
― 高野は“出世欲”、世中は“転職欲”が自分を突き動かすものになっていますが、お2人の原動力となる“〇○欲”を1つあげるとしたら?

鈴木:“物欲”ですかね(笑)。やっぱり「これ欲しい」というものがあるときほど頑張れる気がします。お金で買えるものもそうだし、買えないものも。もっと「自分がこうなりたい、ならないといけない」というところも大事にして、勉強している感じです。

― 自分にご褒美は用意するタイプですか?

鈴木:自分にご褒美するのは結構好きですね。例えば作品が終わったらゆっくりサウナやマッサージに行くとか。

佐野:僕は…“みんなを笑顔にしたい欲” (笑)。やっぱり地元から上京してきて活動しているので、両親はもちろん、おじいちゃんおばあちゃんや、高校の同級生も芸能人なんて周りにいないからすごく応援してくれていて。僕は音楽活動もさせていただいているので、ファンの方たちが僕が活躍していると嬉しいと言ってくださいますし、そういう人たちの喜んでいる姿を見ると頑張らなきゃなと思います。

― 周りの人からの言葉で特に記憶に残っていることはありますか?

佐野:おばあちゃんに「お前の活動がおばあちゃんの生きがいだよ」と言われたときはぐっと来ました。

撮影を終えて、今だからこそお互いに言いたいことはありますか?

鈴木:本当に感謝しかないですね。「本当に最高の相方でした」という一言です。もう僕は“2”やりたいです(笑)。すごく楽しかったので、また一緒にやりましょう。

佐野:バスの中のシーンがあったのですが、僕が伸くんを乗り越えてセリフを言わなければいけなくて。伸くんは背が大きいのでバスの通路に立つと隙間がないくらいで、そのときはすごく狭くて苦労しました。大変でした、ということをお伝えしたいです。

鈴木:俺は褒めてるのに…!?そうでしたか、それを根に持ってたのね(笑)。申し訳ない、すみません。

佐野:狭すぎて本当に大変だったので(笑)。

『俺たちはあぶなくない』ドラマの意気込みを語る

佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
佐野勇斗&鈴木伸之(C)モデルプレス
― 外出自粛期間が明けてからは初のドラマ撮影だったということで、心機一転の思いもあると思います。視聴者の方にメッセージをお願いします。

鈴木:ウイルスの影響で暗いニュースも続いていますが、みなさんを元気に出来る作品間違いなしだと確信しています。毎話、絶対に見て損しない30分になっているので、楽しんで頂けたらなと思います。

佐野:伸くんも言ってくれた通り、少しでも暗い気分の人はこのドラマを見るべきです。見ればきっと明るい気持ちになれるはずです!

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

鈴木伸之(すずき・のぶゆき)プロフィール

鈴木伸之 (C)「俺たちはあぶなくない」製作委員会・MBS
鈴木伸之 (C)「俺たちはあぶなくない」製作委員会・MBS
1992年10月14日生まれ、神奈川県出身。

劇団EXILEのメンバーとして、2010年に舞台『ろくでなしBLUES』でデビュー。近年の主な出演作は、ドラマ『あなたのことはそれほど』(2017年、TBS)、『今日から俺は!!』(2018年、日本テレビ)、『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』、『G線上のあなたと私』(2019年、TBS)など。現在、映画『今日から俺は!!劇場版』が公開中。また、ドラマ『私たちはどうかしている』(日本テレビ)が放送中。待機作として映画『東京リベンジャーズ』の公開を控える。

佐野勇斗(さの・はやと)プロフィール

 佐野勇斗 (C)「俺たちはあぶなくない」製作委員会・MBS
佐野勇斗 (C)「俺たちはあぶなくない」製作委員会・MBS
1998年3月23日生まれ、愛知県出身。

2015年に映画『くちびるに歌を』で俳優デビュー。主な出演作にドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(2016/TBS)、『トドメの接吻』(2018/日本テレビ)、映画『ミックス。』(2017)『ちはやふる -結び-』(2018)、『3D彼女 リアルガール』(2018)、『小さな恋のうた』(2019)など。今年はすでにドラマ『僕だけが17歳の世界で』(ABEMA)で主演を務めたほか、『FAKE MOTION -卓球の王将-』Season1(日本テレビ)に出演した。
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