ディーン・フジオカ(C)フジテレビ

ディーン・フジオカ「シャーロック」インタビュー 岩田剛典との共演で気づいた“似ている”部分とは?撮影中の様子明かす

2019.09.30 06:00

10月7日にスタートするフジテレビ系月9ドラマ『シャーロック』(毎週月曜よる9:00~※初回30分拡大)で主演を務めるディーン・フジオカ(39)が、このほど報道陣のインタビューに応じ、ドラマに向けての思いを語った。

世界一有名なミステリー小説『シャーロック・ホームズ』シリーズを原作にした同作では、名探偵・シャーロックと医師・ワトソンが難事件を解決していく古典ミステリーの傑作を、現代の東京を舞台に映像化。

月9ドラマ初出演にして初主演となったディーンは、原作上“シャーロック・ホームズ”にあたる誉獅子雄を演じ、“ジョン・ワトソン”にあたる若宮潤一(岩田剛典)とバディを組んで、数々の難事件を解決していく。

ディーン・フジオカが演じる“シャーロック”

ディーン・フジオカ(C)フジテレビ
ディーン・フジオカ(C)フジテレビ
― 撮影はいかがですか?

ディーン:順調です。台風がありましたが、そこまで大幅に遅れることなく、チーム一丸となって日々粛々と撮影を頑張っております。

― 世界一有名な探偵・シャーロックが題材ということで、これまでの“シャーロック・ホームズ”のイメージに則っている部分、また今回演じるからこそ挑戦している部分を教えて下さい。

ディーン:シャーロックには色んなアイコニックなパーツがあると思うんです。例えば、着てるもの、それこそ被ってる帽子とか、バイオリンだったり、ボクシングだったり、口調とか、仕草とか、それらを緻密に取捨選択してやっています。今回現場でテイクを重ねるごとに、自分の中で可能性があるんじゃないかと思うものをトライさせてもらったり、西谷(弘)監督からこれをやって欲しいっていうのがあったりする中で、「あの時のあのバージョンに似すぎちゃってるから止めよう」っていうこともあるんですよ。

でも、それをやり続けると消去法で残ったものが少なくなってしまいますし、かと言って離れすぎると奇をてらい過ぎて「そもそもそれってアリじゃなくない?」みたいなこともあって、そこのバランス加減がすごく緻密です。本当に緻密すぎて、自分でも何故今のテイクがOKで、さっきは駄目だったんだろうって分かんない時があるくらい、監督の中ですごい細かい選定の基準があるなと感じています。

今回、すごく台詞が早いんです。謎解きをする時も、呼吸せずにワンブレスでブワーっといって、一瞬リズムを落とすみたいに音楽的なんですよね。そのリズム感で自分の中に違和感が生まれたりして「監督、今のはどうでしょうか?」って、そういうせめぎ合いを毎シーン、毎シーンやっている感じです。

― ということは、今までのキャラクターとは全く違うものとして楽しんでやってるということでしょうか?

ディーン:そうですね、すごい緊張感です。そのせめぎ合いのところに、きっと“オリジナリティ”が生まれるものだと思います。1話を半分以上撮り終わった段階で、西谷さんが「これが令和のシャーロックの姿だと思います」と言ってくれたのが、自分にとって自信にすごく繋がったというか、西谷さんのイメージに少しでもシンクロし始めてるんだなって、手応えを感じております。

― 外見や風貌でのこだわりはありますか?

ディーン:シャーロック・ホームズは常に長いロングコートを着てるイメージだと思うので、そこは踏襲しつつ、生地がちょっと和っぽいというかレトロな感じで、一瞬これ手ぬぐいかなって錯覚する時もあるんですけど(笑)。そういうレトロな東京感がディティールにある気がします。

あと、謎を解く過程で、閉まった扉など色んな所を開けていかなくてはならないので、そういう時に使う針金みたいなものを指に巻いてます。一見指輪に見えるんですけど、それは今回オリジナルなんじゃないかなって思います。

ディーン・フジオカ(C)フジテレビ
ディーン・フジオカ(C)フジテレビ

ディーン・フジオカ、台詞へのこだわり

― 役作りで大変だったことはありますか?

ディーン:どういうリズム感で謎を解くか、ロジックの道筋を進めていくか、日本語と他の言語では違うと思うんです。喋る時にどういうアクションをつければ自然で、どういうのアクションをつけちゃうと言葉が日本語で体だけ違う言語になっておかしいなとか、そのマッチング、シンクロ率を高めています。

あとは、主語や述語など、何をどう紡いでいけば1番スリリングに思考の流れが見えるのかも言語によって違うと思うんです。「これは省略すべき」「これが最初に来てるから、途中は全部すっ飛ばしてもいいけど、最後だけもう1回代名詞じゃない言葉で言う」とか、そういう細かい台詞の微調整を全テイクやってます。なので、もちろん脚本をまず覚えていくんですけど、ほとんど脚本通りやってないです。“てにをは”とか、語尾とか、倒置法とか、変えに変えまくってます。

ディーン・フジオカ(C)フジテレビ
ディーン・フジオカ(C)フジテレビ

ディーン・フジオカ、岩田剛典は「似てる」

ディーン・フジオカ、岩田剛典(C)フジテレビ
ディーン・フジオカ、岩田剛典(C)フジテレビ
― バディ役の岩田さんとの撮影はいかがですか?

ディーン:岩ちゃんと撮影をしていて、お互い似てるなって部分もありますし、やってる仕事柄クロスする部分も多いので、あるある話で盛り上がったりしますけど、あんまり無駄話はしない感じというか、ちゃんとその場所でやるべきことをしっかりやるっていうの優先順位があります。隣で見てて、その真摯な姿に努力家だな、真面目だなって感じますし、たまにちょっかい出すと、色々岩ちゃんの人となりが分かる様な話が聞けます。

音楽の話では、岩ちゃんが今回の主題歌や、制作のことを質問してきたり、お互い最近どんな音楽を聴いてるとか共通の趣味で盛り上がったり。まだ撮影が始まったばかりなので、お互いそれぞれの役をしっかり作ってかなきゃいけないということで、常に喋ってるっていう訳じゃないですけど、その中でもすごく気持ちよくコミュニケーションとらせてもらってるなって思います。

― ちなみに似てるなって思った部分はどの辺りでしょうか?

ディーン:色んなことをマルチタスキングで同時にやっていかなくてはいけないスタンスですかね。岩ちゃんはグループで活動していて、こっちはソロでやってて、そういう違いもありますけど、俳優も、ほかのことも覚悟を持ってやってるっていうのはやっぱり伝わってきます。そういうところで気づく話であったりとか、自分で伝えられたらいいなっていうことだったり、岩ちゃんの目を通して自分が改めて気付かされる部分もあります。

主題歌「Shelly」も書き下ろし

― 今回の主題歌『Shelly』(シェリー)も描き下ろしで担当していますが、苦労された点はありますか?

ディーン:今回たくさん候補曲を作りました。自分の中で「この曲だったら作品の魅力や価値を足すことができるんじゃないか」ってコンペをしてから、最終的に選んでもらう流れだったので、そこがすごく苦労しました。というのも、前回の『モンテ・クリスト伯 ―華麗なる復讐―』の主題歌『Echo』は、ピンポイントで針の穴に糸を通す様にして手書きしたで、今回は全く違うプロセスでした。

― 聴いてもらいたいポイントは?

ディーン:そもそもシェリーは誰なんだっていうところですかね(笑)。音楽の表現をする時にはメタファーなものがあると思うんですけど「こういう風に聴いて下さい」「これは何です」って理路整然と説明がつくものじゃないところに感動があると思います。そこを想像して頂きたいですね。

人によっては特定の女性と男性との関係性の中での色んな深い情感みたいなものを感じて頂けることもあるかも知れないですし、聴いて頂ける時と場所が違ったら、同じ曲でも、同じ人でも全く違う様な響きになってくれるように所々仕掛けを散りばめています。

ディーン・フジオカ「シャーロック」での裏テーマ

― ドラマにちなんで、ディーンは罪を犯す者とそうでない者、何が分けていると思いますか?

ディーン:良い質問ですね。人それぞれいろんな考え方があると思いますが、今の自分が言葉でいうと……どんな言葉でもそうじゃない場合もあると頭の中で浮かんじゃいますね……。

愛が故にその一線を越える時もありますもんね。守るべき大切なものがあるからこそ踏み留まれる時もあると思うんですけど、なかなかそんな単純な世の中じゃなかったりするじゃないですか。何かどうしても自分が信じる価値観、守りたいものと相反するものが目の前に突きつけられたときに、何が何でもと頭が真っ白になって、自分と違うそこに存在している価値観を消したいという衝動が生まれてしまうかもしれないし、愛故にってこともあるかもしれないし、法律とかそういうものではないと思うし……。

そこに対する興味がこの作品にとってのシャーロックの1つのエンジンというか、シャーロック自身も自分の中にある犯罪衝動と向き合って、故に謎を解くことへの異常な執着心があって、推理力というか脳の特殊な能力みたいなものが説得力を持つようになるのかなと思うんでね。

すごく素晴らしい質問だと思います。自分自身についてはこれだとは一言では言えないですけど、それと向き合うかどうかが、シャーロックを演じる上で、裏テーマでもあるのかなって今気づかせていただきました。

「シャーロック」第1話あらすじ

都内にある病院の中庭で、この病院に勤務する消化器内科医の遺体が発見された。捜査一課の警部・江藤礼二(佐々木蔵之介)は、何者かによって屋上から突き落とされたのではないかと病院関係者へ事情聴取するが、患者からの信頼も厚く、異性関係のトラブルとも皆無だった被害者が殺されるはずなどないと口をそろえる。その様子を静かに聞いていたのは犯罪捜査専門コンサルタントの誉獅子雄(ディーン・フジオカ)である。

公にはしていないが、江藤は、ずばぬけた観察眼と天才的な思考回路を持ち合わせる獅子雄の力を時折借りながら事件捜査に当たっている。彼らの証言に潜む虚偽を瞬時に見抜き、必要な情報と不要な情報を整理していく獅子雄。

そんな中、事情調査中にも関わらずその場を静かに立ち去った1人の男がいた。この病院に勤務する精神科医の若宮潤一(岩田剛典)である。その様子を見逃さなかった獅子雄は、彼が何か真実を握っているのではないかと察知し、重要参考人として調査を開始する。(modelpress編集部)

ディーン・フジオカ プロフィール

福島県生まれ。香港でモデルとして活動を始め、映画『八月の物語』(05)の主演に抜擢され、俳優デビューを果たす。その後台湾に拠点を移し、数々のドラマ、映画、TVCF等に出演。アジア以外でも、北米ドラマ『The Pinkerton’s』(14)に出演するなど、活躍の場を広げる。日本ではNHK連続テレビ小説『あさが来た』(15~16)の五代友厚役で知名度を上げ、2017年エランドール賞・新人賞を受賞。また、自ら作詞・作曲・プロデュースを手掛け、インドネシアで制作を行ったアルバム『Cycle』を2016年にリリース。以後、俳優・アーティストとしてアジアの縦軸を中心に、語学力と多方面の才能を活かしボーダレスに活動中。2019年は、1月にフジテレビ系SPドラマ『レ・ミゼラブルー終わりなき旅路ー』の主演を務め、1月30日にアルバム『History In The Making』をリリース。2月から自身初となるアジアツアー『Born To Make History』を開催し2万5千人を動員。3月、映画『空飛ぶタイヤ』で日本アカデミー賞 優秀助演男優賞を受賞。9月13日に三谷幸喜監督・脚本映画『記憶にございません!』の公開、10月にはフジテレビの月9ドラマ『シャーロック』で主演を務める。11月15日に出演映画『エンジェルサイン』が公開予定。
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