役者・健太郎が人を惹きつける理由 現場での在り方に変化…“ネクストブレイク”から「さらに上を目指す」<モデルプレスインタビュー>
2018.05.07 20:00
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そこにいるだけでエネルギーを放ち、自然と周りに人が集まってくる―。「島ぜんぶでおーきな祭 第10回沖縄国際映画祭」が開催された沖縄で、モデルプレスのインタビューに応じた役者・健太郎の人となりは、光をたたえた大きな瞳と、まっすぐな受け答えから十分に伝わってきた。映画『ルームロンダリング』(7月7日公開)では、そんな彼自身とは真逆のタイプとも言える地味なメガネ男子をしっくりと魅力的に演じてみせる。写真撮影を始めれば、思わずドキッとする色気ものぞかせる20歳。その底知れない可能性に、映画やドラマ、さらにはバラエティ番組のMCやラジオパーソナリティーに至るまで、各方面からラブコールが殺到中だ。
健太郎「オバケは…怖いです(笑)」 映画『ルームロンダリング』で味わった新鮮さ
― 沖縄の空気はいかがですか?健太郎:最高です!時間がゆっくり流れている感じで、東京のような都会とは違う時間の流れ方がすごく好きです。
― 沖縄に来るのは何度目?
健太郎: 2、3回目です。だからあまり詳しくないので今回はマネージャーさんにプランをお任せして、昨日から前乗りさせてもらい海に行ったり、ソーキ、三枚肉、テビチがのった沖縄そばを食べたりして満喫しました。明日の午前中はお土産を買いたいと思います。
― アクティブに楽しまれているようですね。今回は『ルームロンダリング』での映画祭参加となりましたが、いつ頃撮影を?
健太郎:去年の5月です。ちょうど1年前くらいですね。
― 改めて完成した作品を見ていかがでしたか?
健太郎:すごく面白かったです。ワケありの物件に人を住ませることによって浄化させる(=ルームロンダリング)というお話で、オバケも出てきますが、ホラーというわけではなく、すごく温かみのある映画になっていて。亡くなった方々がそれぞれやり残してしまったことがしっかりと描かれていて、だから成仏できなくて住んでいた家に住み続けている。この世に色々な思いを残して命を落とした方って、リアルにいると思うんですよ。この作品を観るとそういった方々の気持ちがわかったりもするのかなと。僕はすごく好きです。
― 主人公の八雲御子(池田エライザ)とのやり取りを見ていると、幽霊たちのことが愛おしく思えてきますよね。健太郎さんは、霊感はあるんですか?
健太郎:全くないです!なんかこう…たまにいるじゃないですか。見える人。
― 御子ちゃんのように。
健太郎:はい。結構前のことなんですが、友達とちょっとした旅行に行った時、その友達が見える子で。同じ部屋にいたら、そいつが「健太郎の寝てるベッドの横に、ちっちゃい猫がいる」って訳のわからないことを言ってきて(笑)。
― 猫!怖いんだか可愛いんだか…。
健太郎:見えないから余計怖くて。見えたほうがまだいいなと思いました。
― 健太郎さんもオバケは怖いんですね。
健太郎:オバケ…怖いです(笑)。結構苦手です。
― 確かに、御子のようにハッキリと人の形として見えていたら怖くないかも。
健太郎:そうなんですよ。手がボロッて取れちゃったりとか、結構ヤバイことが起きているけれど、全てが「うわ、怖っ!」っていう感じの映し方ではないので、面白く観ていただけると思います。
― 健太郎さんが演じる虹川亜樹人は、マンションの隣人として御子と出会いますが、演じてみていかがでしたか?
健太郎:亜樹人はオバケが見えないので、その描写を演じるのが面白かったです。オバケが一つの部屋に集まっている時に、亜樹人が寒気を感じてクシュンとくしゃみをしたり、毛布にくるまって寝たり。
― なかなか他の作品では味わえないですね。
健太郎:そうですね。こういうタイプの作品は初めてだったので、すごく新鮮で楽しませていただきました。
― 亜樹人くんの性格をご自身と比べるといかがでしょうか。
健太郎:性格は似ていないと思います。でも亜樹人の持っている正義感や、それ故の後悔はちょっと共感できる部分もあるなと思いながら演じました。亜樹人は陰と陽で言うと、陽ではないじゃないですか。
― そうですね。
健太郎:なのに、やる時はやる。頑張って警察官に立ち向かってみたり。結局ボコボコにされちゃうけれど、演じてみてすごくかっこいいなと思いました。
― とても良いギャップですよね。コンビニでアルバイトをするシーンも印象的ですが、健太郎さんはアルバイトの経験はないですよね?
健太郎:ないんです。だからコンビニのジュースが入っている棚の後ろ側に初めて入ったのですが、冷蔵庫の中なのでめちゃめちゃ寒いんですよ。「こんな寒いんだ!」とビックリしました。季節的に特に防寒していなかったので、音声部さんとかは半袖の方もいて。女性の音声さんが中でブルブル震えていて…。
― コンビニの中でそんな過酷な状況が。
健太郎:「大丈夫ですか?」と聞いたら、「大丈夫です、大丈夫です!」と言いながらも震えているので、心配で「一回出てください!」って言いました(笑)。スタッフさんがすごくキツかったと思います。
― ご近所さんとの距離感も改めて考えさせられる作品になっています。
健太郎:僕も引っ越しをした経験があるのですが、昔からご近所付き合いはいいほうでした。両親が共働きというのもあったので、近所のおばちゃんの家でご飯を食べさせてもらったり。
― それは心強い存在ですね。今は一人暮らしですか?
健太郎:実家です!
― 一人暮らししたいという思いは?
健太郎:思います、思います!
― 家事はどうですか?
健太郎:料理は昔から結構します。
― それならいつでも一人暮らしできそうですね!
健太郎:準備はできているので、あとはタイミングかな(笑)。
“ネクストブレイク”からもう一段階、上へ 《役者・健太郎》の強みとは
― 今年は同作のほかにも映画『コーヒーが冷めないうちに』や『ういらぶ。』、そして10月には連続ドラマ「今日から俺は!!」が控えていて、とても忙しく過ごされているかと思います。健太郎:今のところ忙しいと感じるよりも、楽しませていただいているという気持ちのほうが大きいです。新しい作品にどんどん携われるし、色々な人と出会えているので、すごく充実しています。
― 数年前と比べると状況は大きく変わったのでは?
健太郎:そうですね。数年前と比べたらやっぱり家にいる時間も減っているので、それはすごくありがたいと思います。
― ブレイク俳優として注目されている現状は、率直にどのように捉えていらっしゃいますか?
健太郎:ネクストブレイクということで取り上げていただいたり、そういう風に言っていただけることも増えてきたのですが、ネクストではなく“ブレイク”と言い切れるくらい、もっと頑張らないといけないなと今一番思います。もう一段階さらに上を目指したいなと。
― 役者業に対する向き合い方も変わってきたのではないでしょうか。
健太郎:そうですね。そこは始めた頃と比べると格段に変わっていると思います。作品のことを考える時間もすごく増えました。別のことをしていても、頭のどこかには次に入る作品のことがあったり。
― そんな風に変化するきっかけとなった作品を挙げるとしたら?
健太郎:全ての作品がターニングポイントではあるのですが、『デメキン』(2017年12月公開)は初めて主演という立場だったこともあり、今までと違う景色が見えた作品でした。実際に主演をやらせていただいて初めてわかったことがたくさんありました。それまでは甘い考え方や行動もすごくあって。10代最後の作品でしたし、一つのターニングポイントになったと思います。
― 作品に対する責任感を改めて考えたりも?
健太郎:そうですね。毎日現場にいて、スタッフさんたちと一つの作品を作り上げて。撮影が終わった後も、公開するまでは気をつけなきゃいけないこともありますし、一つ一つの作品の重みみたいなものは、主演作をやった後はさらに感じるようになったと思います。
― 同世代の方々の活躍は意識されますか?
健太郎:あまり意識しすぎるほうではないですが、やっぱりちょっと気になることはあります。自分と同世代の役者がすごく良い作品をやっていたり、良いお芝居をしているのを見ると、感じるものがあるというか…。羨ましかったり、そこに入れない悔しさもすごく感じます。
― そういった悔しさは次のモチベーションになりますか?
健太郎:はい。自分が今やっている作品の中で、自分ができることを全力でやろうと思います。
― 現時点で“役者・健太郎”の強みをどのように捉えていらっしゃいますか?
健太郎:そうですね…すごく難しいのですが、僕は人と話すことで生まれるものがたくさんあると思っています。最近は特に、監督をはじめスタッフさんとのコミュニケーションを大切にしていて。それが強みと言えるのかはわからないですが、大事だと思えるようになってきました。
― 人見知りはしないのでしょうか。
健太郎:人見知りの部分も多少ありますが、人見知りって言っている場合じゃないなと(笑)。自分が人見知りだからこうですという姿勢は、なるべく避けたいなと思ったりもするので。
― 健太郎さんが現場の真ん中にいると、その場がパッと明るくなりそうですね。
健太郎:そうだと嬉しいです(笑)。
― ちなみに…小さい頃の夢は?
健太郎:夢は本当にいっぱいありました。宇宙飛行士とか、バスケット選手とか…料理人になりたいとも思っていました。コロコロ夢が変わっていました。好奇心がすごく旺盛だったので。でも俳優とか、こういう風にメディアに出るような仕事の夢を持つことはなかったです、一度も。
― では最初は戸惑ったんじゃないですか?想像もしてなかったことが起きたりして。
健太郎:確かに今の自分が置かれている環境や関わっている人たちは、例えば中学生の時の自分からしたら想像もしていなかったことだと思います。でも戸惑うというよりは、「もっと頑張らないとな」という気持ちや嬉しさ、感謝もあり…一言で言い表せないような感情が生まれてきました。
― 好奇心が健太郎さんの根底にあるのですね。
健太郎:そうですね。新しいことが大好きです。
― 今、オフの日があったらどんなことをしますか?
健太郎:地元の友達と会うことが多いです。
― アウトドア派でしょうか?
健太郎:それは半々くらいかな。みんなを家に呼んで集まることもあれば、外でご飯を食べることもあります。
― お友達と会う時は、自分から誘うんですか?
健太郎:それも半々ですね。僕から突然「今日、どんな感じ?」って連絡することが多くなるのですが、みんなが僕の休みに合わせてくれるのでありがたいです。
― お休みの日も人と交流することがリラックスになるのですね。
健太郎:そうですね。1人の時間も好きですし、地元の友達と過ごすと落ち着くので、そこはすごく大事にしています。
健太郎、夢を叶える秘訣を語る「とにかく挑戦。自分が一番幸せだと思えるものに出会えるはず」
― 最後になりますが、夢や目標に向かって頑張るモデルプレス読者に“夢を叶える秘訣”をアドバイスお願いします。健太郎:「今の職業でトップに行きたい」とか「お嫁さんになる」とか、色々な夢があると思いますが、僕が感じるのは、色々なことをやってみることで、そこから吸収できるものがたくさんあるということです。僕も今までの人生で色々なことをやってきましたし、まだ20歳なので、もしかしたらこの仕事以外のことに興味がわくかもしれない。未来のことなんてわからないですが、とにかく色々なことをやってみれば、自分が一番幸せだと思えるものが絶対に一つはあると思います。やってみないとわからないこともあるので、とにかく挑戦することが大事なんじゃないかなって、今はすごく思います。
― 健太郎さんの今の夢は何ですか?
健太郎:僕の夢は…今、役者業をやらせていただいているので、自分が納得できるお芝居をすること。ゆくゆくは海外に出たいという目標もあります。ただ、課題はどんどんどんどん出てくるので、納得のいくお芝居というのは一生できないとも思います。納得できちゃったら、そこで終わりになってしまうかもしれないから。納得したくないけど、納得できるようになりたい。矛盾していますが、今はそう思います。
(modelpress編集部)
映画『ルームロンダリング』(2018年7月7日公開)
出演:池田エライザ、渋川清彦、健太郎、光宗薫/オダギリジョー監督:片桐健滋
脚本:片桐健滋・梅本竜矢
<ストーリー>
5歳で父親と死別し、その翌年には母親が失踪してしまった八雲御子(池田エライザ)。その後は祖母に引き取られたが、18歳になると祖母も亡くなり天涯孤独に。そんな御子のところへ、母親の弟である雷土悟郎(オダギリジョー)が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれることに。しかし、その仕事とは、ワケあり物件に自分が住むことによって、物件を浄化するという“ルームロンダリング”だった。ルームロンダリングを始めて以来、幽霊が見えるようになった御子は、部屋に居座る“この世に未練たらたらな”幽霊たちのお悩み解決に奔走させられ…!?
健太郎(けんたろう)プロフィール
1997年6月30日生まれ、東京都出身。身長179cm。2014年にドラマ「昼顔~平日午後3時の恋人たち~」で俳優デビュー。以降、ドラマ「学校のカイダン」(2015)、「トランジットガールズ」(2015)、「仰げば尊し」(2016)、「アシガール」(2017)、映画『俺物語!!』(2015)、『ミュージアム』(2016)、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』(2017)、『先生!、、、好きになってもいいですか?』(2017)、『デメキン』(2017)などに出演。2018年は映画『ルームロンダリング』(7月7日公開)、『コーヒーが冷めないうちに』(9月21日公開)、『ういらぶ。』(11月公開)、10月期連続ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)などが待機。「健太郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」パーソナリティ(ニッポン放送で月1回、土曜27時~)、「ムビふぁぼ」(TBSで月1回、月曜深夜24時58分~)MCを担当。
【Not Sponsored 記事】
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