広瀬すずは“求められること”に慣れない オーディション落選から4年越しの実現…オファー殺到の今も「まだまだ」<モデルプレスインタビュー>
2017.10.23 07:30
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俳優の生田斗真が主演をつとめる映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)。同作は、累計発行部数570万部突破、1996年から2003年まで別冊マーガレット(集英社)で長期連載したコミック「先生!」(作・河原和音氏)を『陽だまりの彼女』『ホットロード』『僕は明日、昨日のきみとデートする』と立て続けにヒット作を手がける、三木孝浩監督が実写映画化。生田演じる“先生”と恋に落ちるヒロインには、広瀬すず。生田と広瀬は今回が初共演で、意外にも広瀬にとって初の王道ラブストーリーとなる。
目次
初共演・生田斗真と王道ラブストーリー
映画のテーマは「教師と生徒の純愛」。大人と子ども、教師と生徒、本音と建前、様々な思いが交錯する中、不器用で純粋すぎる伊藤(生田)と響(広瀬)の“じれったい恋”が描かれる。「『四月は君の嘘』は少し恋愛のお話も出てきましたが音楽の要素の方が強かったですし、『ちはやふる』や『チア☆ダン』はスポ根系ですし、『三度目の殺人』もシリアスで全くテイストが違う。ラブストーリーはずっとやってみたかったので、嬉しかったし面白かったです」と初挑戦を振り返った広瀬。
少女漫画原作という点でいうと、『海街diary』、『ちはやふる』シリーズ、『四月は君の嘘』、と続いたが、「“少女漫画の実写化をやっている”というイメージが強いとよく言われるけれど、私の中では少女漫画=ラブストーリー」だと明かし、「いわゆる“壁ドン”のような、分かりやすいシーンがある恋愛要素は演じたことがないんです。それに、私にはスポ根が合っていると思います」と分析する。
その理由は「“壁ドン”をされても、きっと恥ずかしくて『うわー!』ってなっちゃうタイプだから(笑)」。「 “壁ドン”やかっこいい仕草が王道ラブストーリーのひとつになっていますが、そういったシーンがない『先生!』にも『これぞ王道』というものを感じました。私より少し上の世代の方が読んでいた作品だと思うので、今の10代の人にとっては新鮮さもあるかもしれません。真っ直ぐに恋する気持ちやキラキラした純粋な思いは『素敵だな』『恋ってこういうことなんだ』と思えて、響を応援したくなりました」と、作品との出会いに感謝した。
現場で感じた“痛い”が心を刺激
王道ラブストーリーならではの切なさや胸キュン…それ以上に、この作品には“痛い”という表現がしっくりくる。広瀬も語っているように「恋ってこういうことなんだ」と思わせてくれる、痛みがある。響を演じながら、彼女もそれを感じたそうで「モノローグから痛かったです。 “痛い”という言葉が一番伝わる気がします。苦しいとか切ないは耐えようと思えば耐えられるかもしれないけど、“痛い”は耐えられない。チクッと針が刺さったような感覚でした。あまりにも痛くて、『先生も同じ痛みを味わえばいいのに』『一発パンって殴ってやりたい!』と思ってしまうほどでした(笑)」と、全身全霊で役を受け止めていたようだ。
そして、そこで生まれた“痛い”は「先生との恋はやっぱり憧れます。自分が学生の頃はお仕事でいっぱいいっぱいだったので恋愛のことを考える余裕がなかったですが、響を演じてみて、2人みたいな恋をしてみたくなりました」と広瀬の乙女心もチクリと刺激した。
オーディション落選から4年越しの実現
今回のヒロイン役は三木監督たっての希望で広瀬に決定。2人の出会いは、4年前に遡る。広瀬は当時、三木監督のオーディションに落選している。しかし、その当時から三木監督は「彼女をいつか起用したい」と考えていたらしく、その後は『ちはやふる』の現場に見学に訪れたこともあったそう。「覚えてくださっていて嬉しかったです。三木監督の作品は光が綺麗な印象があって、いつかご一緒させていただきたいなと思っていたので」と念願のタッグが実現した。
この4年で、広瀬を取り巻く環境は激変。「Seventeen」モデルとしてキャリアをスタートさせ、「ゼクシィ」7代目CMガール、「全国高校サッカー選手権大会」10代目応援マネージャー、JR東日本グループ「JR SKISKI」ヒロイン、とブレイク登竜門に次々抜てきされたのは、2014年のこと。そこからの快進撃はすごかった。オーディションを受ける立場から、瞬く間にオファーが殺到する女優に。
「ちょうどこの間、友達と話していたんですが、オーディションってやっぱり怖いものだなと。結果が分かりやすいですし、その場で『ダメだ』と思うこともありますし。どうしてもやりたいと思っても、気持ちだけではどうにもならない。今はこうやってお話をいただくことも多くなりましたが、これまでに悔しい思いを私もたくさんしてきました。今回三木監督とご一緒できると決まったときは、4年前のことを思い出して『時間はちゃんと流れているんだな』としみじみしました。あの頃とは違うものを出せるように、ちゃんと応えられるようにと思いながら撮影に臨みました」。
時代のヒロインは「まだまだ」と首を横に振る
「日本映画界が広瀬すずを求める理由が分かる」。これは、撮影初日、生田が広瀬について語った言葉。広瀬にそのことを伝えると、「ええっ…!」と手で口を覆った後、「絶対誰も求めてないです!」と声を強めた。業界も世間も、今、日本中が求める時代のヒロインは「ピンとこない」と首を横に振り、「早く追いつかなきゃといつも思っています」と謙虚だった。
特に最近、「先輩方とお仕事させていただく機会がすごく増えた」ことで、よりそう痛感したのだという。「学園モノだと、キャスト同士のチームワークや仲の良さで乗り越えられる部分もあるんですが、孤独な役柄だと1人の力で乗り越えていかなければいけないので、まだまだです」。
“求められること”に慣れない姿勢
19歳、最後の10代。20代に向けて、理想の女性像を聞いてみると「『海街diary』で共演したお姉さんたち(綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆)」と目標を教えてくれた。「撮影していた頃、私は上京したばかりで、共通の話題もあまりなく、一番年が近い夏帆さんで23歳だったので緊張していたんです。でも、私が19歳になって、少し追いつけた気がしていて、今では隠し事はないくらい何でも相談できるようになりました。3人から教えてもらったように、私も後輩に教えていけたらいいなと思いますし、女優さんとしても女性としてもあの頃からずっと変わらず憧れです」。
『海街diary』の公開は2015年。彼女がブレイクしたその頃で、“広瀬すず”の名を広めるきっかけのひとつにもなった作品。その頃生まれた気持ちが、彼女の中にはずっとある。 “求められること”に決して慣れようとはせず、初心を忘れないことが、向上心に繋がり、今を冷静に見つめる客観的な目を育てる。だからこそ、「日本映画界が広瀬すずを求める理由が分かる」という言葉にも、全くおごることなく謙虚でいられるのだろうと思った。
広瀬が初めて王道ラブストーリーに挑戦した『先生! 、、、好きになってもいいですか?』。「まだまだ」と思った心が、また“女優・広瀬すず”の新しい顔を作った。なぜ、日本映画界が彼女を求めているのか、その理由をスクリーンで確かめてみてほしい。(modelpress編集部)
広瀬すず(ひろせ・すず)プロフィール
1998年6月19日生まれ。静岡県出身。2012年、雑誌「Seventeen」の“ミスセブンティーン”に選ばれ専属モデルとなる。『幽かな彼女』(13年/CX)で女優デビュー。『学校のカイダン』(15年/NTV)で連続ドラマ初主演。第68回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にエントリーされた『海街diary』(15年)では、第39回日本アカデミー賞新人俳優賞など数々の賞を受賞。主な主演作に、劇場アニメ『バケモノの子』(15年/声の出演)、『ちはやふる-上の句-・-下の句-』(16年)、『怒り』(16年)、『四月は君の嘘』(16年)など。今年は、映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』『三度目の殺人』、劇場アニメ『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』が公開されたほか、今後は『先生! 、、、好きになってもいいですか?』(10月28日公開)、『ちはやふる -結び-』(18年公開予定)、『ラプラスの魔女』(18年公開予定)『SUNNY 強い気持ち・強い愛』(18年公開予定)などが控える。映画『先生! 、、、好きになってもいいですか?』
原作:河原和音『先生!』(集英社文庫コミック版※1996年~2003年)監督:三木孝浩
脚本:岡田麿里
出演:生田斗真 広瀬すず 竜星涼 森川葵 健太郎 中村倫也 比嘉愛未 八木亜希子 森本レオ
<ストーリー>
高校2年生の響は、ちょっと不器用でまだ恋を知らない17歳。そんな響が生まれて初めて本当の恋をする。その相手は口ベタだけれど生徒思いな世界史の教師、伊藤だった。
「好きになっても、いい?」「俺はやめとけ」そう言われても、ただ好きで、どうしようもなく好きで。そんなまっすぐ過ぎる響きの想いが、ゆっくりと伊藤の心を溶かし始めていることを、響はまだ知らない。
最後に“きちんとフラれるため”と向かった屋上で、伊藤は突然響を抱き寄せキスしてしまう。様々な想いが交錯する中、響の初めての恋の行方は…?
【Not Sponsored 記事】
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