モデルプレスのインタビューに応じた、chay(C)モデルプレス

chay「あなたに恋をしてみました」から2年―新たに生まれた葛藤「ずっと同じではいられない」<モデルプレスインタビュー前編>

2017.06.14 18:00

シンガーソングライターのchay(26)がモデルプレスのインタビューに応じた。ヒットとなった「あなたに恋をしてみました」のリリースから約2年。待望のヒット曲は、喜びと同時に新しい自分を表現したい、これまでのイメージも壊したくないという葛藤を生んでいた。6月14日に発売した2ndアルバム「chayTEA」には、その葛藤の末に彼女がたどり着いた答えが詰め込まれている。

前作から約2年ぶりのリリースとなった2ndアルバム

2ndアルバム「chayTEA」(6月14日発売) chay(C)モデルプレス
約2年ぶりのリリースとなった2ndアルバム「chay TEA」は、「好きで好きで好きすぎて」から「笑顔のグラデーション」、「それでしあわせ」、「運命のアイラブユー」、「12月の雨」、最新シングルの「恋のはじまりはいつも突然に」までのシングル曲、さらに、これまでの楽曲とは一線を画す挑戦的な新録曲を含めた全14曲というボリューム満点のアルバム。

今回、モデルプレスではこの2年間のこと、2ndアルバムに込めた思いや心境の変化などについて話を聞いた。

「あなたに恋をしてみました」で得た喜びと葛藤

chay(C)モデルプレス
― 2ndアルバム「chayTEA」に込めた思いを教えてください。

chay:前作から約2年と結構長い時間が空いてしまったのですが、制作活動は着々と進めていました。その分、今のchayを詰め込んだ悔いのない渾身の1枚になりました。シングル曲も入っているので、chayをあまり知らないという方、ちょっと聴いたことあるぐらいという方にも楽しんでいただけるものになったと思います。

― 2年ぶりのリリースということですが、この2年間を振り返ってみていかがでしたか?

chay:いろいろありましたが、『chay's room』という弾き語り形式のワンマンライブを始めたことは大きかったです。デビュー前から路上ライブをしてきた私にとって、“弾き語り”はやっぱり原点なので、弾き語りのワンマンライブはいつかやってみたいと思っていて、昨年9月に念願叶って初開催しました。約2時間、弾き語り一本のライブというのは初めてだったので、やっぱり想像以上に大変です…。もう5回やっていますが、どうやったら私の声とギターだけでお客さんに楽しんでもらえるか、毎回試行錯誤しています。回を重ねるごとに反省や課題もありますが、その分成長に繋がっているというのを実感しています。

― 「あなたに恋をしてみました」のリリースもちょうど2年ほど前ですよね。

chay:そうですね。「あなたに恋をしてみました」という楽曲は本当にたくさんの方に聴いていただいて、私を知っていただくきっかけになったと思っています。だからこそ「あな恋」以降の楽曲は、60'sや70'sをイメージしたサウンドやレトロなアレンジにこだわってきましたし、昭和歌謡テイストのメロディを追求してきました。

でも、今回のアルバムではそういったレトロポップスも大事にしつつ、進化したchayを見せたい、という思いがありました。やっぱりずっと同じではいられない、常にアップデートしたchayを見せたい。そこは私もスタッフさんも同じ思いだったので、今回のために新たに制作した新曲はかなり挑戦的な楽曲ばかりになっています。

―かなり振り幅の広いアルバムだなと感じました。「あなたに恋をしてみました」の路線も楽しめつつ、新しいchayさんも知ることができるというか。

chay:ありがとうございます。「chayTEA」というタイトルにもそういう意味を込めています。タイトルは最後に決めたんですが、“チャイティー”って甘いだけじゃなくて、実はいろんなスパイスが効いていて、意外とピリッとしていたりするじゃないですか?私自身、ラブソングのイメージが強いと思いますが、今回のアルバムはその甘いラブソングの中でも1曲1曲がいろんなスパイスになっているのでこのタイトルにしました。

でも、最初はアルバム全体にしっかりコンセプトを持たせるというか、ジャンルやサウンドを1つに絞ることにすごくこだわっていました。

こだわりを捨てる勇気「今のchayはこれだ」

chay(C)モデルプレス
― アルバム全体にまとまりを持たせる、ということでしょうか。

chay:そうです。やっぱり私が作詞作曲したものと、プロデューサーの多保孝一さんが作ってくださるものでは結構テイストが違ったりして、アルバムとしての統一感がなくなってしまうのではないかという不安がすごくありました。でも、どんな曲も私が歌えば私の曲になる、ということに気づいたんです。いろんな不安もあったけど、自分が入れたい14曲を詰め込んだものを最後に聴いたとき、「間違っていなかった」と思えた。「今のchayはこれだ」と心から言える1枚になっています。

― 私の母は50代なんですが、「あなたに恋をしてみました」が大好きなんです。やっぱりサウンドとか懐かしいみたいで、よく口ずさんでいるんですよ。

chay:嬉しいです!そうやって世代を問わず幅広い方々に楽しんでもらえるように追求して作った楽曲でした。今でもその思いは変わっていなくて、今回のアルバムにはレトロポップス以外にもいろんな曲が入っていますが、老若男女問わずいろんな人に楽しんでいただけたら、と思っています。

― 今回のアルバムには「あなたに恋をしてみました」のウェディングバージョンが新たに収録されていますが、制作しようと思ったきっかけはなんだったんでしょうか。

chay:最初、そもそも「あなたに恋をしてみました」はアルバムに入れる予定はなかったんです。でも、やっぱりこの曲でたくさんの方に知っていただくことができたし、改めて光を当てたいというか、このタイミングでもっとたくさんの人に聴いていただきたいという思いがありました。

じゃあどうしようか、と考えたとき、いろいろ候補が挙がったのですが、すごくしっくりきたのがウェディングバージョンでした。私の姉が昨年11月に結婚したり、私は今26歳ですが結婚する同級生が増えてきたというのもあったと思います。あと、リリース当時、結婚式で使ってくださる方が多いというお話もたくさん伺って、すごく嬉しかったんです。今回アルバムの発売日が6月14日なので、“ジューンブライド”にもかけて、ウェディングバージョンにしました。

― また雰囲気が違って素敵だなと思いました。

chay:ありがとうございます。原曲よりテンポをだいぶ落としていますが、それが意外と難しくて…。スローテンポで歌うメロディじゃないんですよね(笑)。それは歌ってみないとわからないことだったので、成長にも繋がったかなと思います(笑)。

1年8ヶ月ぶりの全国ツアー開催

chay(C)モデルプレス
― 8月からはこのアルバムを引っさげての全国ツアーがスタートするんですよね。

chay:そうです、全国ツアーは1年8ヶ月ぶりになります。皆さん毎日嫌なこと、辛いこと、面倒くさいこといろいろあると思うんですが、私のライブの間だけはそういうことを全部忘れてとにかく楽しんでほしい。だからより非日常的な空間というか、衣装や世界観にもこだわっていきたいと思っています。

私は“耳ではもちろん、目でも楽しめるアーティスト”というのをずっと目標にしていますが、それが表現できるのは全国ツアーのようなバンド編成のライブスタイルならではだと思っています。弾き語り形式の『chay's room』は、お客さんとの距離も近いので、私の部屋に遊びに来たような感覚でリラックスして聴いてほしい。その全然違う2つのライブスタイルを確立していきたいと思っています。

― 今後の夢や目標を教えてください。

chay:路上ライブはまたやりたいですね。私にとって原点なので。楽曲もアートワークもビジュアルも含めて楽しんでほしいし、「なんかこの人見てると不思議と嫌なことも忘れられて元気になるんだよね」と思ってもらいたい。例えば学校や会社からの帰り道、私の路上ライブを見て、ちょっとした今日の嫌なことを忘れてくれる人がいたら本望です。

― では、最後にモデルプレス読者に向けて“夢を叶える秘訣”を教えてください。

chay:やっぱり期限を決めることは大事だと思います。何事も期限までに力が発揮できるかどうかだと思います。夢っていうと、期限もないし誰かに決められているわけでもない。私はずっと歌手になることが夢で、それしか考えていなかったけど、でもやっぱりどこかで期限を決めないといけないとは思っていました。だから、大学を卒業するまでに芽が出なかったら辞めると決めていました。自分で決めたこととはいえ、期限が迫ってくればくるほど焦るし、その分底力みたいなものが出てくるんですよね。その“底力”があったからこそ、私は卒業間際にデビューが決まりました。

あとは未来日記のように予定を具体的に決めて、言葉にすること。中学2年生のときから「私、明日のミュージックステーションに出るから見てね」というメールを保存していたんですが、それを実際に送る日もやってきました。勘違いでいいし思い込みでいいんです。“言霊”ってあると思うから。

― ありがとうございました。

恋をしたいとき、日々の幸せを噛み締めたいとき、弱い自分を受け入れられず落ち込んだとき…。どんなときも心に寄り添ってくれるようなバラエティー豊かな楽曲たちは、“今のchay”の全て。良い意味でこだわりを捨てた彼女の歌声は、さらに輝きを増している。(modelpress編集部)

後編へ続く。

chay 2ndアルバム「chayTEA」

【CD収録曲/全14曲】
M1:恋のはじまりはいつも突然に 
M2:真夏の惑星
M3:それでしあわせ
M4:12月の雨
M5:Be OK!
M6:恋はアバンチュール
M7:運命のアイラブユー
M8:好きで好きで好きすぎて
M9:Kiss me
M10:笑顔のグラデーション
M11:Don’t Let Me Down
M12:You
M13:結婚しようよ
M14:あなたに恋をしてみました(Wedding ver.)

【初回生産限定盤DVD※chayの香り付】
弾き語りライブ「chay’s room」vol3~5からカバー曲を含む厳選したパフォーマンスを収録
M1:True Colors
M2:12月の雨
M3:それでしあわせ
M4:笑えれば
M5:糸
M6:Together
M7:好きで好きで好きすぎて

chay(チャイ)プロフィール

chay(提供画像)
chay(提供画像)
1990年10月23日生まれ、東京都出身。幼少の頃から歌手を目指し、小学生の頃から曲を作り始める。大学に入学すると、路上ライブを重ねるなど、本格的に音楽活動を開始。2012年10月『はじめての気持ち』でCDデビュー。2013年10月から2014年3月までフジテレビ系「テラスハウス」にレギュラー出演し話題に。2015年にリリースされた「あなたに恋をしてみました」は、CX系 月9ドラマ「デート〜恋とはどんなものかしら〜」の主題歌となり、50万ダウンロードを突破するなど大ヒット。現在は、女性ファッション誌『CanCam』の専属モデルとしても活動。今年6月14日には約2年ぶりとなる2ndアルバム「chayTEA」をリリース。同アルバムを引っさげ、8月から1年8ヶ月ぶりの全国ツアーをスタートさせる。
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