flumpool山村隆太、ミュージシャンとして「ジレンマ、葛藤、寂しさは感じてる」 役者オファーは過去にも…10周年目前で変化＜モデルプレスインタビュー後編＞

ミュージシャンとして俳優として…本音に迫る

ドラマ『突然ですが、明日結婚します』は、20～30代の女性を中心に人気を博しているコミック誌「プチコミック」（小学館）にて2014年5月号より連載がスタートした「突然ですが、明日結婚します」（宮園いづみ氏作）が原作。「専業主婦になりたい女」（高梨あすか／西内まりや）と「絶対に結婚したくない男」（名波竜／山村）による、リアルな恋愛模様を描いた最旬ラブストーリー。演技初挑戦の山村は、甘いルックスと声を武器に、名波竜＝“ナナリュー”を好演し注目を浴びている。

flumpoolのニューシングル「ラストコール」は、表題曲が野村周平主演の映画「サクラダリセット」主題歌に、収録曲「ナミダリセット」が後篇エンディングテーマに起用。作詞は山村が手掛けており、どこか優しさとせつなさを感じるメロディ、未完成な青春の脆さ、そして強さを表現した歌詞が、壮大な物語の世界を繊細に彩っている。

今回のインタビューでは、ミュージシャンとして俳優として、その両面から、山村の本音に迫った。

役者オファーは過去にも…10周年目前で変化

＜インタビュー後編＞

― “俳優”というフィールドに挑戦する中、3月15日にはニューシングル「ラストコール」をリリースされますね。

山村：映画「サクラダリセット」の主題歌として描き下ろした楽曲なんですけど、「諦めない気持ちを大切にしたい」って気持ちを込めました。今の自分たちにも重なる部分があるんです。バンドを結成したのが10年前で、その頃の自分からしたらドラマをやってるとか考えられないこと。でも、30代になって自分が変わってきて、今まで出来ないって思ってたものにチャレンジしたり、その中で傷ついて心折れてくじけて、それでも諦めずにやって…その気持ちっていうのは、誰もが持ってるものなのかなって、思ったんですよ。例えば、その気持ちを10年前の自分が持っていたら、もっと強くいられたのか、夢を叶えられたのか、とかも思うし…。一方で、役者をやってるってことは想定外だけど、遠回りしながら歪みながらも、毎日一歩一歩、歩いて来たんだなって実感もあるんです。自分が思った道に進んでないように見えても、諦めなければどこかで繋がってるんだよって。

― あのデビューから来年で10年。早いですね。

山村：年をとりましたね。

― 10年の中でも、役者デビューというのは、大きな転機になりましたか？

山村：事務所の性質上、これまでもお話は何度かあったんです。でも、絶対やらないと思ってた。というか、出来ないと思ってたんです。それが、10周年を前にやってみたいに変わったんですよ。

Twitter開設は自己発案「公式マークほしい」

― ファンの方にとっても、驚きの発表だったと思います。

山村：そうですよね。実際に放送がスタートすると、思っていた以上に、影響力がすごいなと感じました。1時間ずっと顔が出てるってミュージシャンでは考えられないですもんね。5分出るだけでもすごいのに。歌で伝えられない分、プレッシャーは大きいですけど、街で声を掛けられることも多くなりました。

― それは世代を問わず？

山村：はい。だから、立ち食いそば屋さんとか行けない。好きなんですけどね。

― 山村さんがいたら、びっくりします。

山村：食べ方とかも気をつけないと（笑）。この間は、大学生の男子4人組に声を掛けられました。あとは、親子でとか。

― 幅広い世代の方から。それこそ、Twitterにも色々な反響が届いているのでは？

山村：そうですね。役者って直に反響を感じられる場所がないなと思って、個人のTwitterを始めたんですよ。

― ということは、山村さん発案？

山村：そうです。メッセージを受け取ることはもちろん、自分もメディアを持って発信していかなきゃと思ったんです。でも、まだ非公式なんですよね…（笑）。僕のツイートが胡散臭いんですかね？

― いやいや…（笑）。中には、あえて非公式にしているタレントさんもいらっしゃいますよね。

山村：僕は、認められたいです（笑）。公式マークがほしいです（笑）。

― （笑）。個人のTwitterを始めたことで、新しい発見はありましたか？

山村：ストレスが溜まるとそこで愚痴りたくなったり、弱音を吐きたくなったり、色々な感情があるなと感じました。Twitterみたいに発信する場所がなければ、自分の中に留めて我慢するって判断になりそうなところを、発信するかしないか、1つ感情の段階が増えた気がします。「ここでは発信したらダメだ」って理性も働くし、逆にそれがストレスになる人もいるのかなとか。ちなみに僕は、Twitterで書けないことは、ファンクラブのブログに書くんですけどね（笑）。

― 少しのさじ加減ですね。山村さんと西内さんのTwitterでのやりとり、とても面白いです。特に、誤爆の件は可愛らしいなと。

山村：僕が間違ってダイレクトメールしっちゃったやつですよね？リツイートすごい数でした！あれは、西内さんの天然なところが出てましたね（笑）。

― それはお互い…（笑）。

山村：あっ僕も（笑）！初めてだから分からなくて、間違っちゃったんですよ。「こんな画面見たことないな？」って。でも、高梨あすか風に返ってきたから（笑）。

― 微笑ましいやりとりでした。

山村：確かに、ああいうことたまにあります（笑）。

俳優デビューで感じた「ジレンマ、葛藤、寂しさ」

― 最近は、エゴサーチしてると拝見しました。

山村：してますね。最初は「flumpoolの人」って名前が出てこなかったので…。

― 1話放送時には、「flumpoolの人」がトレンドに入っていましたね。気になって調べた方も大勢いたと思います。

山村：確かに。「この人、どんな歌歌ってるんだろう？」って繋がっていくのは、ありがたいです。5月に武道館でライブをやるんですけど、「武道館に行くのが初めてなんですけど大丈夫ですか？」とか「ドラマ観てライブに行きたいと思ったんですけど、初心者なんです」とか、ドラマをきっかけに色んな声をいただいています。

―反響の大きさを感じますね。

山村：嬉しいです。若い世代のテレビの離れがあるって言われてる中で、こうやって10代、20代に向けて王道のラブストーリーを届けるっていうのは、今の時代勇気のいることだと思うんです。僕も音楽をやっている中で、ベタなものとか王道なものって物足りなさを感じてしまうんですけど、ストレートだから伝わることがある。10代の頃の感性って大人になっても残るし、ミュージシャンとしても役者としても、その世代に真っ直ぐ届けることって大事だと感じました。

― “届ける”という点では、ミュージシャンと役者に共通点を感じているということでしょうか。

山村：そうですね。ただ、やってることには、すごく違いを感じています。役者さんは、正解のない中で、ストレスも大きいなと思いますね。モデルプレスさんでも色々な記事を書いてくださって、それをきっかけに「山村隆太」を知ってくれて、さらにflumpoolの音楽に触れてくれる人がいると思うんです。でも、入り口が違うと、行き着く場所が一緒に見えても一緒じゃない。役者の僕から入ってくれた人は、ミュージシャンの僕を見て、違和感を感じるだろうし、逆も。そのジレンマ、葛藤、寂しさは感じています。とてもありがたいと分かっていつつ、もっとミュージシャンとしての僕を知ってほしいという思いが生まれました。

― チャレンジしたからこそ。5月には武道館、秋からはツアーが始まるかと思いますが、挑む上でこれまでのツアーと気持ちが変わった部分はありますか？

山村：最近、ミュージシャンが役者をやって、それを歌に持ち込むのは、あんまり良くないって話を聞いたんです。役者さんって本当に伝えることが上手だから、歌でも伝え過ぎてしまう。ミュージシャンが歌うなら、聞き手の余白を残さないといけないし、どこか無表情なところが聞き手に色んな感情を与えてると思うんです。「この歌の主人公は切ないのかな？悔しいのか？」って。捉え方次第で、聞き手それぞれに重なる感情を見つけてもらうことだ大事だし、情報量を持ち過ぎるのは、良くないことなのかなと。

でも、それもやってみて気がついたことで、自分が伝えたい方法っていうのは、10代、20代のうちにやり尽くした感覚があったので、この先バンドが飛躍するために、より深く刺さる歌を歌うために、今回チャレンジしたことは良いことだったなと思いっています。チャレンジしてみないと分からないことばかりだし、人生にはここが正しいって100％がない。結婚だって、「この人だ！」って100％思っても、結果的に別れることもあるし。だから「結婚しないのか？」っていうとそうじゃなくて、今目の前にあること、自分の感情が向いている方向に、全力で進むっていうのが大事なんじゃないかなと実感してるんです。

“夢を叶える秘訣”は？

― 山村さんが考える「夢を叶える秘訣」は何ですか？

山村：僕の夢は、まだ叶ってないですけど（笑）…諦められないから夢なんだなと、最近思います。諦められないものだけが、自分の元に残っていく。僕なら、音楽。負けそうになる自分とか、諦めたくなる自分が嫌になる瞬間って今でもあるんですけど、本気でこれしかないなって思える夢の方が、そう思う回数が多い。これまでにも、音楽辞めて教師になろうって思ってたこともあるし、何度も音楽辞めようと思うこともあったけど、仲間の支えもあり、ここまで来ました。これしかないと常に一本杉でやってきたわけじゃないなという実感は、年をとってからの方があります。諦めたくなる回数が多いってことは、それだけ夢を見た回数が多いってことだし、そこで間違えてほしくないなと思います。向いてないとか、思わないでほしい。諦めたくなるくらい本気で頑張れることこそ夢だし、そこでの迷いっていうのはネガティブに捉えなくて良いなって思います。

― 今の夢は？

山村：バンドでもっと大きなところでライブをやりたい。4人が望んでいたバンド像には足りてない。音楽を初めて、売れようって思ったとき、思い描いた自分たちには、全然足りてないんです。まだまだこれからです。

― ありがとうございました。

（modelpress編集部）

山村隆太（やまむら・りゅうた）プロフィール

flumpooのボーカル＆ギター。メンバーは山村のほか、ギター・阪井一生、ベース・尼川元気、ドラム・小倉誠司。2008年10月、「花になれ」でメジャーデビューを果たす。2017年は5月の日本武道館公演を皮切りに全国ツアーを開催。来年はデビュー10周年目に突入する。2017年1月期月9ドラマ『突然ですが、明日（あした）結婚します』で、主演西内まりやの相手役で俳優デビュー。

flumpool 8th tour 2017 Beginning Special「Re:image」at NIPPON BUDOKAN

5月20日（土）～ラストコール～
5月21日（日）～ナミダリセット～

【日本武道館】
5月20日（土）OPEN 17:00 / START 18:00
5月21日（日）OPEN 16:00 / START 17:00

flumpool 8th tour 2017「Re:image」

9月16日（土）【宮城県 仙台サンプラザホール】OPEN 17:15／START 18:00　
9月18日（月・祝）【秋田県 秋田県民会館・大ホール】OPEN 17:15／START 18:00
9月23日（土・祝）【岐阜県 岐阜市民会館・大ホール】OPEN 16:30／START 17:00
9月24日（日）【富山県 富山県民会館】OPEN 16:30／START 17:00
9月29日（金）【北海道わくわくホリデーホール（札幌市民ホール）】OPEN 18:15／START 19:00
10月1日（日）【北海道 函館市民会館】OPEN 16:15／START 17:00
10月6日（金）【高知県 高知県立県民文化ホール・オレンジホール】OPEN 18:30／START 19:00
10月7日（土）【岡山県 岡山市民会館】OPEN 17:30／START 18:00
10月9日（月・祝）【愛知県 名古屋国際会議場・センチュリーホール】OPEN 16:00／START 17:00
10月10日（火）【大阪府 フェスティバルホール】OPEN 18:00／START 19:00
10月13日（金）【新潟県 新潟県民会館・大ホール】OPEN 18:30／START 19:00
10月15日（日）【埼玉県 大宮ソニックシティ・大ホール】OPEN 16:00／START 17:00
10月21日（土）【和歌山県 和歌山県民文化会館・大ホール】OPEN 17:00／START 18:00
10月22日（日）【奈良県 なら100年会館・大ホール】OPEN 16:00／START 17:00
11月1日（水）【兵庫県 神戸国際会館・こくさいホール】OPEN 18:00／START 19:00
11月3日（金・祝）【徳島県 鳴門市文化会館】OPEN 16:15／START 17:00
11月4日（土）【滋賀県 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール・大ホール】OPEN 17:00／START 18:00
11月12日（日）【静岡県 富士市文化会館ロゼシアター・大ホール】OPEN 16:30／START 17:00
11月19日（日）【群馬県 伊勢崎市文化会館】OPEN 16:00／START 17:00
11月22日（水）【宮崎県 宮崎市民文化ホール】OPEN 18:00／START 18:30
11月23日（木・祝）【熊本県 荒尾総合文化センター】OPEN 16:30／START 17:00
11月25日（土）【福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール】OPEN 17:30／START 18:00
11月30日（木）【千葉県 市川市文化会館・大ホール】OPEN 18:00／START 19:00
12月2日（土）【神奈川県 パシフィコ横浜・国立大ホール】OPEN 17:00／START 18:00
12月3日（日）【神奈川県 パシフィコ横浜・国立大ホール】OPEN 16:00／START 17:00
12月9日（土）【福井県 福井市文化会館】OPEN 17:30／START 18:00
12月10日（日）【三重県 桑名市民会館・大ホール】OPEN 16:30／START 17:00
12月15日（金）【広島県 広島上野学園ホール】OPEN 18:30／START 19:00
12月16日（土）【鳥取県 米子市公会堂】OPEN 17:30／START 18:00

flumpoolシングル「ラストコール」（2017年3月15日リリース）

＜初回限定盤 CD＋DVD＞
M-1 ラストコール 映画「サクラダリセット」主題歌
M-2 ナミダリセット 映画「サクラダリセット」後篇エンディングテーマ
M-3 キズナキズ NHK「みんなのうた」2017年2-3月
（BONUS TRACK　ALL BONUS TRACKS from flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」～シロテン・フィールズ・フォーエバー～）
M-4 花になれ
M-5 MW ～Dear Mr.＆Ms. ピカレスク～
M-6 大切なものは君以外に見当たらなくて

・特典DVD内容
「flumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 『FOR ROOTS』～シロテン・フィールズ・フォーエバー～＠大阪城ホール Special Live Digest＆Making of Live」

カウントダウンライブで初披露となった、新曲「ラストコール」や、本公演のテーマソングでもある、「ムーンライト・トリップ」を含むflumpool COUNTDOWN LIVE 2016→2017 「FOR ROOTS」～シロテン・フィールズ・フォーエバー～＠大阪城ホールのLIVE映像ダイジェストに加え、ライブ当日の本番前と本番後のメンバーインタビュー、ライブ前日にデビュー前にストリートライブを行っていた思い出の地を巡り、サプライズで城天（大阪城公園）でストリートライブを敢行した映像などを盛り込んだライブドキュメントを収録。ライブ映像には「FREE YOUR MIND」「輪廻」「花になれ」「MW ～Dear Mr.＆Ms. ピカレスク～」「未来」「ムーンライト・トリップ」「ラストコール」「大切なものは君以外に見当たらなくて」「MY HOME TOWN」が約50分に渡り収録。

＜通常盤 CD＞
M-1 ラストコール 映画「サクラダリセット」主題歌
M-2 ナミダリセット 映画「サクラダリセット」後篇エンディングテーマ
M-3 キズナキズ NHK「みんなのうた」2017年2-3月
M-4 ラストコール（Instrumental）
M-5 ナミダリセット（Instrumental）
M-6 キズナキズ（Instrumental）