“音楽家”としての小室哲哉「こういう時代になってきた」プロデューサーとの違いを語る モデルプレスインタビュー

【小室哲哉/モデルプレス=3月15日】約3年ぶりにソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』を3月15日リリースする小室哲哉(58)。globeやTM NETWORKのメンバー、音楽プロデューサー、作曲家…といった様々な顔を持つ小室だが、今回は“職業・音楽家”としてアルバムをリリースする。そんな“音楽家”小室哲哉にモデルプレスがインタビューを行った。
モデルプレスのインタビューに応じた小室哲哉(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた小室哲哉(C)モデルプレス

“音楽家”小室哲哉を語る



― 今回のアルバムでは“職業・音楽家”ということを全面的に押し出しているのかなと思いました

小室:僕が世の中に作品を出すということ=CDとして形にして、残していくことですが、ここ数年でその概念はなくなってきているなと思っていて。音楽を作る人間として打ち合わせに参加しても、「(CDとして)発売しますか?」と聞かれることが多くなりました。僕としては「どちらでもどうぞ」と思うのですが、それが悲しいとか寂しいというわけではなく、こういう時代になってきたんだなと実感しました。

音楽やダンスは年々身近なものになってきて、エンターテイメントの在り方が変化しているのかもしれません。今はいつでもどこでも音楽が聴ける時代。昔はベストポジションみたいな場所に行って聴かないと聴けなかったと思います。いつでも聴けるからこそ、音楽の絶対的な必要性というのは今少し薄れてしまっているのかもしれません。だからこそ、音楽というは今、いろんなものと関わっている、関わりがあるんだよということを“音楽家”として知らせるという意味での作品でもあります。

― “音楽家”として音楽を作るときと、“プロデューサー”として音楽を作るとき、こだわりは違ってくるのでしょうか?

小室:そうですね、全然違いますね。

― “音楽家”小室哲哉としては?

小室:頼まれたオーダーに応えること。オーダーが山ほどあるんですよね。リクエストがあって、どんどん狭められていきますが、小室さんテイストは残してくださいって言われることもあります。

― 頼まれたアーティストさんのイメージに合致させようとすることも?

小室:そうですね、合わせなくてはいけないと思っています。その方が持っているものと、小室哲哉という音を合わせたら、こんな感じになるのかなと。ふと気が付かせて、思い出させるための、技みたいなのを入れておかなくちゃいけないと思っています。

“1つの作品集”になったソロアルバム



小室哲哉(C)モデルプレス
小室哲哉(C)モデルプレス
― TM NETWORKだったり、globeだったり、周年が続きましたが、終わったこのタイミングで今回なぜソロアルバムをリリースしようと思ったのでしょうか?

小室:単純な理由で、いろいろな仕事がバラバラで溜まってしまって、それを1つにしておこうと思ったこと。あとは、1つの作品集として、その後の仕事にも繋がるのも大きな理由です。

― タイトル「JOBS#1」にした理由も教えてください。

小室:WORKが多すぎるので(笑)。少し捻りたいと思ったのと、今の音楽業界の状況を根本から覆されたスティーブ・ジョブズにかけて、ダブルミーニングにしています。

― なるほど。

小室:やっぱりウォークマンができたときと、iPodができたときでは、音楽の在り方が全く違ってしまったので。

― iPod登場以降はアルバムの聴き方も変わってきたと思います。

小室:そうですね。全部変えられてしまいましたね。

― 昔は1曲目を何にするのかすごく重要だったと思うのですが…

小室:1番大事でした。A面B面の長さも合わせなくてはいけなかった。何分収録できるのか考えて曲を作っていたのですが、そういう縛りがなくなり、また面白いものが誕生していくんだと思います。

「Can You Celebrate?」を収録した理由



小室哲哉のソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』(3月15日発売)初回盤/画像提供:avex
小室哲哉のソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』(3月15日発売)初回盤/画像提供:avex
― 今回のアルバムの中ですごく象徴的だったのが、1曲目「Can You Celebrate?」のリミックスが入っていたことです。2016年にケミカル・ブラザーズと共演したイベントで選曲されたそうですね。

小室:たくさんのDJの方たちがリミックスしたいなと思うんですけどね。みんなが知っている曲ということで今回のアルバムに収録したのですが、ミディアムバラードというジャンルは手を付けづらいところがありました(笑)。「Can You Celebrate?」でも曲としてアレンジの可能性はここまでできるということを示せた曲なんじゃないのかなと思いました。

― 「Can You Celebrate?」を1曲目にもってきた理由も教えてください。

小室:聴く側のことを考えると、3~4曲目までは真面目に聴いてくれると思うんですよね。そこをクリアしたら、全部聴いてくれるのかなと思って。そこまでのこだわりはなかったのですが、視聴するときも1曲目の方がいいのかなと思いました。

セカオワとの共通点は?



― SEKAI NO OWARIさんなどのライブにも見に行かれたりするそうですが、この先、若手アーティスト達をどう見てますか?

小室:セカオワの子たちとは似ているんですよね。あと、マンウィズ(MAN WITH A MISSION)やRADWIMPSの(野田)洋次郎くんとか。みんな共通しているのは、海外でやりたい、海外の人たちにも自分たちの曲を聴いてもらいたいという気持ちが強い人たちだと思います。彼らは日本だけでいいやという発想はないんです。

その1番の年長者はHYDEとか。僕らはその1番の先駆けだったりするので、そういった共通の認識、共通の思いみたいなものはあると思います。

― 先月は「第59回グラミー賞授賞式」が行われましたが、海外という意味では小室さんもあらためてグラミー賞を狙うことを考えたりはするんですか?

小室:アメリカに4年ほど住んでいたことがありましたが、敵わないですよね(笑)。まずは、体力(笑)。彼らは朝から夜まで元気に過ごしていて、僕が同じ生活を送っていたら5日ぐらいで参ってしまうのですが、彼らは1ヶ月経過しても変わらない。体型関係なく、みんなタフなんですよ。だから僕自身の曲なんかではとても難しいと思っています。

― 今年「年間最優秀アルバム」「年間最優秀レコード」などを受賞したアデルさんを、小室さんはどう見ていますか?

小室:すごくシンプルなことなんですけど、歌唱力。彼女の歌唱力が良いメロディを作り上げている。出ないところの音程が出るから、あそこの音にまでもっていけるというメロディが多いと思います。

― アデルさんがボーカルなら音楽家としてやりがいがある?

小室:あると思います。ドレミファソラシドと弾いて、こんなにも声が出るんだと思うとやりがいはあるはずです。ほかの人がやろうとして出せないメロディを、彼女は自然に出せています。

TM NETWORK「GET WILD」が30周年を迎える



小室哲哉(C)モデルプレス
小室哲哉(C)モデルプレス
TM NETWORK のメンバーとしても活躍する小室。1987年に発売されたTM NETWORKの『GET WILD』は、これまで数十バージョンが存在するほど、多くの人から慕われている。そんな『GET WILD』が今年30周年を迎え、全曲『GET WILD』が収録される「GET WILD SONG MAFIA」が4月5日に発売される。

― TM NETWORKの「GET WILD」が30周年とのことでアルバムをリリースしますが、今回のアルバムはどこから発想が出てきたのでしょうか?

小室:TMのメンバーもスタッフもみんなを驚かせるような決まりきったことではなく、みんながやりたかったことなんですよね。

― 前々から考えていたのでしょうか?

小室:僕は考えていませんでした。これはスタッフからの発想です。僕がクラブなどでDJをしているとき、最後の曲はどうしようと考えていると「GET WILD」しかないでしょ、とスタッフから言ってくることが多かったんですよね。30年前の曲なので、知らない人も多いはずなのですが、みんな歌えて、騒いでくれるんですよね。

― TM NETWORKの代表曲ですもんね。

小室:そうですね。それをやり続けてきたからこそ、ほかの方がカバーしてくれたり、リミックスしてくれたり。そういう方が増え、今回リリースできるアルバムなのかなと思いました。

TM NETWORKの再始動は?



― あと、ファンが気になるのはTM NETWORKが再始動するのかどうかだと思います。

小室:(笑いながら)どうですかね。今は「GET WILD」ですが、次の世代では、90年代の「Feel Like dance」もDJたちがたくさんいじったりしてくれています。この曲も刺さる人たちがたくさんと思います。



『Tetsuya Komuro JOBS#1』とは



小室哲哉(C)モデルプレス
小室哲哉(C)モデルプレス
同アルバムは、近年のソロワークを中心に、神田沙也加(TRUSTRICK)やtofubeatsとコラボした「#RUN」、音楽番組を発端にヒャダインと共作した「22世紀への架け橋」、高田賢三氏の新たなブランドTVCMソングでシンガーソングライターの大森靖子とコラボした「rêver」、さらにつんく♂・May J.と世界に向けて作り上げ今回アルバム用にリアレンジされた「Have Dreams! tk piano mix」を収録。そのほか、番組テーマソング等多数収録され、2017年初頭にロンドンへ渡り制作された最新曲含め新曲7曲、最新リアレンジ4曲含む2枚組全15曲が収録される。POPS、EDM、ピアノ、アートなど、ジャンルの壁を超え“小室哲哉”の持つ要素一つ一つが集約された最新アルバムとなっている。

初回生産限定DVDには、昨年オーストリアで行われたアルスエレクトロニカフェスティバルで共にインスタレーションを発表した慶應義塾大学脇田玲教授と同アルバム収録用だけに披露された最新パフォーマンス映像が余すところなく収録される。

また100ページを超すフォトブックには、ここでしか読めない全収録楽曲の解説やアルバム制作秘話、さらには今後の活動を示唆するインタビューを含む約2万字が収められているほか、ここ数年の番組出演時やイベント等で各地を訪れた際のオフショット写真が400点以上掲載されるなど見応え読み応え満載の内容となっている。(modelpress編集部)

ソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』



発売日:2017年3月15日(水)

小室哲哉のソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』(3月15日発売)通常盤/画像提供:avex
小室哲哉のソロアルバム『Tetsuya Komuro JOBS#1』(3月15日発売)通常盤/画像提供:avex
<CD 1>

1.Can You Celebrate? Art Mix
2.RAISE UR HAND
3.Have Dreams! tk piano mix / Tetsuya Komuro × Tsunku♂ feat. May J.
4.#RUN / 小室哲哉 feat. 神田沙也加(TRUSTRICK) & tofubeats
5.maze
6.HERE WITHOUT YOU
7.rêver / feat. 大森靖子
8.a new lease on life
9: BLUE OCEAN

<CD 2>

1.one more run
2.Song for ALPINE SKI WORLD CUP 2016
3.STILL BREATHING
4.Sound of Scalar Fields additional piano mix
5.22世紀への架け橋 / 小室哲哉vsヒャダイン
6.NOW1#2017

<DVD>

1.amplification
2.amplification(VJ version)

<ブックレット>

内容:インタビュー&PHOTO(104ページ)

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