間宮祥太朗の美しく、悲しい姿「好きで好きで狂ってしまう…女性に共感してほしい」 モデルプレスインタビュー
2016.02.01 07:00
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俳優・間宮祥太朗(22)が映画『ライチ☆光クラブ』(2月13日公開/内藤瑛亮監督)で演じた少年・ジャイボは、残酷なほどに美しかった。そう感想を伝えると、少し不安げに「“美しい”と言ってもらえなかったらどうしよう、と思っていました」と一言。これまで演じたどんな役柄とも違う、新しい姿で生きたセンセーショナルな体験を語る。
「もう一歩」を欲張らないことに決めた
「これまでの作品は、完成したものを観た時に『こうだな』という感想が具体的に出てきたんですけど、『ライチ』はなぜか客観的になれなくて。映画として観てもどこか、ジャイボとして追っている自分がいる。それが初めての事なので、自分でも驚いています。客観的に観た人がジャイボに対してどう思うかが全く想像できないから、いろんな役者から『ライチどうなの?』と聞かれても、正直『どうなんだろうか?』と(笑)。公開後にTwitterで“ジャイボ”と調べて、そこに何が書かれているんだろう?という楽しみはすごく大きいです」原作は古屋兎丸氏のロングセラーコミック。黒い煙と油にまみれた町・螢光町で、廃工場の秘密基地に集う「光クラブ」を結成した、9人の美しき少年。成長を否定した14歳の愛憎と裏切り、そして“永遠の美の象徴”として囚われた少女と機械(=ロボット)の純愛がファンタジックに描かれる。その独創的な世界観はカルト的人気を誇り、中でもジャイボは原作ファン人気No.1。物語の幕開けと共に、その妖しい笑顔、危うい存在感に一瞬で引き込まれる。
「ジャイボは僕がどうこうしなくても、話の流れや役柄の立ち位置で確実に注意を引く存在ではあるんですよね。その大前提があった上で、自分が何を見せていくのか。そう考えた時、例えばこういう役だからエッジを効かせようとか、ジャイボがただでさえ持っているポテンシャルよりももう一歩、欲張ってしまうといいことがない。それが自分のジャイボだと決めました。まずはそのポテンシャルを最大限にありがたく、全うすること。その中で、人間である僕が演じるからこそ生まれるもの…悲しみとか、ピュアさを見せられればいいなと」
まっすぐで強い、1本の線に
ジャイボの目線の先にいるのは、光クラブを独裁的に支配する“帝王”ゼラ(古川雄輝)だ。ジャイボの世界の中心はゼラ。だからこそ、その世界を崩さんとするものに対する選択は「排除」ただひとつ、残酷で狂気的な行動へ―。「気持ちはシンプルに、ゼラに対してのまっすぐな思い。それをすごく強い、1本の線にしたくて。ゼラには自分のことだけを見ていてほしい、ジャイボが望むのはただそれだけ。あとはそのベクトルの障害になることにだけ反応する。それ以外には興味もないし見てもいない、という風に。まずその1本を強いものにできれば、あとは自然に出てくる発想になるから、そこから楽になると思いました」
光クラブという閉鎖された空間で交わるジャイボとゼラ。寂しく、満たされることのない“禁断の逢瀬”が間宮にとって初のラブシーンに。
「刺激的でした。ジャイボは甘えもすれば、スッと引いて『来て、来て』と誘いもする。言葉じゃない気持ちの面で、寄ってみるのか、避けてみるのか。古川くんとその場で生まれる感情、その距離感でしかできないコミュニケーションをできたと思うし、距離感を表現するというのは、役者としてはすごく楽しいですよね」
“執着”という感情、人とのつながり方
そんなジャイボについて「女性が共感できる役柄になれば一番いい」とも。「すごく“女性脳”の人間だから。女性が恋愛をして、好きで好きで狂ってしまう…その境界線を踏み出さない女の子たちにも、内に秘めた思いはあると思うんですよ。激情と言っても過言ではないくらい。『好きだ』っていう気持ちをジャイボにダブらせてみて、その悲しみに触れてくれたら。もしジャイボの最期で泣いてくれる人がいるとしたら、それは彼にとっては救いだと思います」愛するものへの執着や嫉妬心。間宮祥太朗という人にその感情はあるのか、と聞くと「全然ないです!」と即答だった。
「何かに執着したこともないし、した結果こうなったっていうのもないですね。うまい言い方が見つからないんですけど、例えば遠くにあるものが『綺麗だな』って思った時、それを自分の手元に置きたいという感覚がないんですよ。それはそこにあっていいし、寄りかかりたいこともなく、ただその人が生きている、その姿が好き。友達であればお酒を飲みに行くとか、彼女であれば家で一緒に過ごす日常的な時間とか、そういう時に距離が近づくけれど、その時間以外はまた離れて、各々の生活に戻る。そっちにはそっちのあなたがいて美しいから、ベッタリしたり、繋ぎ止めるようなこともあまりしないです。だから『冷たい、愛情がない』って言われることもよくありますよ。執着しなかった結果、振られたこともある(笑)。でも愛はあるよ!と思うし、むしろ友達には『冷たく見えるけど、実は熱いよね』って言われることもあるから、自分でもどう捉えていいのかわからない。分析家みたいな人がいれば見てもらいたいくらいですよ(笑)」
執着しない代わりに「人と人を出会わせるのが好き」。確かに彼のSNSからも、これまで紡いできた人間関係の幅広さ、深さを垣間見ることができる。
「同業者に限らず、こっちで会ったミュージシャンが面白くて、あっちで会った物書きが面白ければ、2人を出会わせちゃう。お互いにとって新しい刺激とインスピレーションになるし、またその片方の別の友人が来たりして、広がっていく。それがすごい好きなんですよね」
同世代で過ごした、釜山の夜
そうして縦横無尽に広がるつながりの中で、彼がとても大切にしているのが “同世代”。今作では「第20回釜山国際映画祭」に参加。初めての国際映画祭、そして現地で同じ93年生まれの菅田将暉、中島裕翔らと過ごしたことも、貴重な糧となった様子。「僕はこの世代の“面白い”を作っていく一員だと思われたいし、行く行くはそれが並んだ時に迫力がある絵面になることを期待しています。『この世代、そうそうたる面子だな』っていう言い方するじゃないですか。お互いがお互いをカッコいいと思っている、そういう関係性を築いていきたい。だからあの夜、同世代の3人が映画祭のために集まって、釜山を散歩しているのは、なんか『あぁ、いいなぁ~』って(笑)。全然普段通りの感じでしたけど、『こういう所で会うのいいな、嬉しいよね』という話をしていましたね」
そう嬉々として語る彼が、既に世代を率いる存在として輝いていることは明らか。特に『ライチ☆光クラブ』は、そんな次世代のパワーを塊で感じることのできる作品。
最後に、公開を待ちわびているファンへ伝えたいこと。
「観た後に、作品の事を考えてみてください。『おもしろかった、つまらなかった』『誰々がかっこよかった、可愛かった』とかそういうこと以上に、作品を観て突発的に『なんで?』って感じたことを改めて考えてみてほしい。すごく好きだったのか、逆にすごく嫌いだったのか。なんでわからなかったのか?…という風に考えれば考えるほど、作品がもっと見えてきて、味わい深くなる。僕もまだわからない途中。また劇場で観た後に、自分の中で不透明な部分を考えてみようと思っています」
(modelpress編集部)
映画『ライチ☆光クラブ』
2月13日(土) 新宿バルト9ほか全国ロードショー出演:野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗
池田純矢、松田 凌、戸塚純貴、柾木玲弥、藤原季節、岡山天音/杉田智和
監督:内藤瑛亮
脚本:冨永圭祐、内藤瑛亮
原作:古屋兎丸「ライチ☆光クラブ」(太田出版)
間宮祥太朗(まみや・しょうたろう)
1993年6月11日、神奈川県横浜市生まれ。2008年、「スクラップ・ティーチャー~教師再生~」(NTV)で役者デビュー。「花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス~2011」(CX)「水球ヤンキース」(CX)「学校のカイダン」(NTV)「24時間テレビスペシャルドラマ・母さん、俺は大丈夫」(NTV)、「ちゃんぽん食べたか」(NHK)などドラマや舞台で活躍。ファースト写真集が新人では異例の販売部数となったほか、その握手会では4千人を動員した人気急上昇中の若手俳優。2016年は「ニーチェ先生」(Hulu)でドラマ初主演、映画『ライチ☆光クラブ』(2月13日公開)、『高台家の人々』(6月4日公開)が控える。
【Not Sponsored 記事】
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