西島秀俊「やり切った満足感がある」―「MOZU」で感じた“幸福”、注いだ“愛” モデルプレスインタビュー
2015.11.11 10:00
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俳優の西島秀俊(44)が、モデルプレスのインタビューに応じた。2014年より続く「MOZU」シリーズの最新作「劇場版 MOZU」が11月7日に公開となる。“映像化不可能”と言われ続けてきた逢坂剛のハードボイルド小説「百舌」シリーズが原作。連続ドラマからスタートし、今回完結編として劇場版が制作された。「すごくやり切ったという満足感があります」――西島の表情は、その言葉通り充実感に溢れていた。
遡ること3年前、TBSとWOWOWが共同制作した単発ドラマ「ダブルフェイス」がすべての始まり。西島と香川照之の初共演、ドラマの枠を超えた圧倒的なスケール感が話題となり、その後、チームが再集結し「MOZU」が制作された。
連続ドラマ版は、“テレビ界のアカデミー賞”と言われる第43回国際エミー賞の連続ドラマ部門にノミネート。西島は妻の死の真実を追う公安警察官・倉木を演じ、共演には香川をはじめ、真木よう子、池松壮亮、長谷川博己、そして劇場版からの参加となる伊勢谷友介、松坂桃李ら。さらに、シリーズ最大の謎“ダルマ”役としてビートたけしが出演するなどそうそうたる面々が名を連ね、監督は映画「海猿」シリーズを手がけた羽住英一郎氏が務めた。
吹き替えを使わない「MOZU」では、「顔意外は全部当てています」。鋼の肉体美を持つ西島でさえ「怪我をしないように、できるだけ体重を増やしました。こんな現場はほかにないってくらい危ないので、少しでも肉をつけた方がいいと思って」と肉体改造の末、撮影に挑んだ。
「監督もおっしゃっていましたけど、『あと2回まわしたら、誰かが死ぬから、ここで止めます』ってくらいギリギリのところで撮っていました。カメラポジションも『あと数m寄ったら死ぬ』って言っていたし、クレーンの位置もそう。実際、車が飛んでカメラが壊れたこともありました。俳優はもちろん、スタッフはそれ以上にギリギリの撮影に挑んでいました。そういう緊迫感が、全カットにみなぎっています。過酷な撮影でしたから、本当に命懸けでした」。
それでも「僕は肋骨にひびが入って、左肩も酷く損傷して、右目の角膜が剥がれましたから(笑)」とさらりと明かし、「でも、池松くんも桃李くんも、本当に危ないところでアクションしているので。僕だけじゃないんですよ」と笑ってみせた。
撮影期間中に肋骨が完治することは、なかったと言う。右目の角膜については「フィリピンの最後のシーンで剥がれたんですけど、日本に帰ってきて2日間準備期間があったので、その間は『目をつぶっていろ』って言われました。軟膏塗って、両目をつぶって過ごしていました」とその壮絶さを伝えるが、「きっと治るんだろうな。そういうもんだよな」と本人の中には確信があったようだ。そして2日で見事回復し、そのまま「たけしさんとの撮影だったんです」。「ケガはするけど、倉木と一緒で回復力だけはあるみたい(笑)」と何でもないことのように、あっけらかんと語る。
1994年「居酒屋ゆうれい」で映画デビュー。そして転機は、2002年、大ファンだった北野武(ビートたけし)監督の映画「Dolls」で主演に抜擢されたことで訪れた。これまでのキャリアを踏まえ「夢を叶える秘訣」を聞いてみると、「僕のことは、あんまり参考にならないと思う」と前置きしつつ、「自分のことを振り返ってみると『もっと近道があったんじゃないかな?』って思うことはあります。人の意見を聞かずに突き進みたいタイプだったので、損していることがいっぱいあるかもしれない(笑)」と何かを思い出したように笑った。
その上で、送るメッセージはこうだ――「自分を信じてあげることと、人の意見を聞くことのバランスがすごく大事だと思います。自分のことは客観的に見られないことが多いですから。でも、その取り入れる割合は人それぞれ。人の意見を聞き過ぎる人はどこかで自分を貫く瞬間が必要だし、逆の人は聞いたら近道を見つけられる可能性があると思います」。
「『MOZU』は、誰が主役っていう話でもありません。たくさんの謎があって、いろんな登場人物がうごめいているのが『MOZU』の世界。だから、僕が演じる倉木もどこか背景のような存在なんですよね。そこに悪役のみなさんがいる。すごい想像力を発揮して、キャラクターを作っている。今回から参加してくださった伊勢谷くんも桃李くんも、もちろんビートたけしさんも。一歩も引かずに、積極的に楽しんでいました。『ダブルフェイス』から共演している香川さんには、毎回驚かされるし学ばせていただいています。あとは、長谷川くん(笑)。相変わらず“長谷川劇場”が繰り広げられていますから、笑いは全部かっさらっていくと思います(笑)」。
話を聞いていると、この作品に溢れんばかりの愛を注ぎ込んでいることが改めて分かった。「MOZU」を語るときには、いつだって楽しそうだ。「すごくやり切ったという満足感があります」――全身全霊で挑んだことを表すこの言葉は、作品への“愛の証”だ。(modelpress編集部)
■西島秀俊(ニシジマ ヒデトシ)プロフィール
1971年3月29日生まれ、東京都出身。A型。1994年「居酒屋ゆうれい」で映画デビュー。TBS&WOWOW『ダブルフェイス』、NHK大河ドラマ『八重の桜』など数多く出演。現在は主演ドラマ『無痛~診える眼~』(フジテレビ系)が放送中。また、映画『女が眠る時』、『クリーピー』が2016年公開予定。
連続ドラマ版は、“テレビ界のアカデミー賞”と言われる第43回国際エミー賞の連続ドラマ部門にノミネート。西島は妻の死の真実を追う公安警察官・倉木を演じ、共演には香川をはじめ、真木よう子、池松壮亮、長谷川博己、そして劇場版からの参加となる伊勢谷友介、松坂桃李ら。さらに、シリーズ最大の謎“ダルマ”役としてビートたけしが出演するなどそうそうたる面々が名を連ね、監督は映画「海猿」シリーズを手がけた羽住英一郎氏が務めた。
アクションシーンで大ケガ、完治する間もなく撮影続行…壮絶な撮影の裏側「本当に命懸け」
「MOZU」の見どころのひとつは、過激なアクションシーン。今回、大規模アクションシーンを実現するため、フィリピン・マニラで約1ヶ月間に及ぶ海外ロケを敢行しており、「テレビシリーズの頃から、スタッフの『もっともっと』って熱量がすごくて、爆発しそうになっていました。自分たちのイマジネーションを全部開放できる場所が日本にはなかったので、フィリピンに行って、限界を超えた絵を撮ることができました」と手応えを感じている。吹き替えを使わない「MOZU」では、「顔意外は全部当てています」。鋼の肉体美を持つ西島でさえ「怪我をしないように、できるだけ体重を増やしました。こんな現場はほかにないってくらい危ないので、少しでも肉をつけた方がいいと思って」と肉体改造の末、撮影に挑んだ。
「監督もおっしゃっていましたけど、『あと2回まわしたら、誰かが死ぬから、ここで止めます』ってくらいギリギリのところで撮っていました。カメラポジションも『あと数m寄ったら死ぬ』って言っていたし、クレーンの位置もそう。実際、車が飛んでカメラが壊れたこともありました。俳優はもちろん、スタッフはそれ以上にギリギリの撮影に挑んでいました。そういう緊迫感が、全カットにみなぎっています。過酷な撮影でしたから、本当に命懸けでした」。
それでも「僕は肋骨にひびが入って、左肩も酷く損傷して、右目の角膜が剥がれましたから(笑)」とさらりと明かし、「でも、池松くんも桃李くんも、本当に危ないところでアクションしているので。僕だけじゃないんですよ」と笑ってみせた。
撮影期間中に肋骨が完治することは、なかったと言う。右目の角膜については「フィリピンの最後のシーンで剥がれたんですけど、日本に帰ってきて2日間準備期間があったので、その間は『目をつぶっていろ』って言われました。軟膏塗って、両目をつぶって過ごしていました」とその壮絶さを伝えるが、「きっと治るんだろうな。そういうもんだよな」と本人の中には確信があったようだ。そして2日で見事回復し、そのまま「たけしさんとの撮影だったんです」。「ケガはするけど、倉木と一緒で回復力だけはあるみたい(笑)」と何でもないことのように、あっけらかんと語る。
「夢を叶える秘訣」を明かす
壮絶な現場で、日々緊張感を持って作品と向き合っていた。「テンションが切れることはなかった」という西島は、「現場が一番楽しいから、それが一番のリフレッシュ法。現場で出しきってフラフラで家に帰って、泥のように眠るっていうのが一番の理想の生活です」と根っからの“仕事人間”のようだ。1994年「居酒屋ゆうれい」で映画デビュー。そして転機は、2002年、大ファンだった北野武(ビートたけし)監督の映画「Dolls」で主演に抜擢されたことで訪れた。これまでのキャリアを踏まえ「夢を叶える秘訣」を聞いてみると、「僕のことは、あんまり参考にならないと思う」と前置きしつつ、「自分のことを振り返ってみると『もっと近道があったんじゃないかな?』って思うことはあります。人の意見を聞かずに突き進みたいタイプだったので、損していることがいっぱいあるかもしれない(笑)」と何かを思い出したように笑った。
その上で、送るメッセージはこうだ――「自分を信じてあげることと、人の意見を聞くことのバランスがすごく大事だと思います。自分のことは客観的に見られないことが多いですから。でも、その取り入れる割合は人それぞれ。人の意見を聞き過ぎる人はどこかで自分を貫く瞬間が必要だし、逆の人は聞いたら近道を見つけられる可能性があると思います」。
溢れる作品への“愛”「やり切ったという満足感がある」
「こんな現場は、ほかにない」と語るその場所で、彼は演じることの幸福を感じていたのだろう。豪華な出演者と実際に対峙し「やっぱりこういう方たちが集まるんだなって思いました」と言うその目は、輝いていた。「『MOZU』は、誰が主役っていう話でもありません。たくさんの謎があって、いろんな登場人物がうごめいているのが『MOZU』の世界。だから、僕が演じる倉木もどこか背景のような存在なんですよね。そこに悪役のみなさんがいる。すごい想像力を発揮して、キャラクターを作っている。今回から参加してくださった伊勢谷くんも桃李くんも、もちろんビートたけしさんも。一歩も引かずに、積極的に楽しんでいました。『ダブルフェイス』から共演している香川さんには、毎回驚かされるし学ばせていただいています。あとは、長谷川くん(笑)。相変わらず“長谷川劇場”が繰り広げられていますから、笑いは全部かっさらっていくと思います(笑)」。
話を聞いていると、この作品に溢れんばかりの愛を注ぎ込んでいることが改めて分かった。「MOZU」を語るときには、いつだって楽しそうだ。「すごくやり切ったという満足感があります」――全身全霊で挑んだことを表すこの言葉は、作品への“愛の証”だ。(modelpress編集部)
■西島秀俊(ニシジマ ヒデトシ)プロフィール
1971年3月29日生まれ、東京都出身。A型。1994年「居酒屋ゆうれい」で映画デビュー。TBS&WOWOW『ダブルフェイス』、NHK大河ドラマ『八重の桜』など数多く出演。現在は主演ドラマ『無痛~診える眼~』(フジテレビ系)が放送中。また、映画『女が眠る時』、『クリーピー』が2016年公開予定。
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