二宮和也(提供写真)

二宮和也「8番出口」は“主役がいない作品” 共演・小松菜奈に台本と異なる提案も【インタビュー】

2025.07.04 08:01

映画『8番出口』(8月29日公開)で主演を務める二宮和也(42)にモデルプレスらがインタビュー。【Vol.2】では、河内大和や浅沼成との共演秘話や、小松菜奈とのシーンでこだわった部分について明かした。

二宮和也主演『8番出口』

二宮和也/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
二宮和也/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
2023年にインディーゲームクリエイターのKOTAKE CREATE氏が制作したゲーム『8番出口』を実写映画化。無限にループする地下通路を舞台に、プレイヤーが次々と現れる不可解な異変を見つけ“8番出口”を目指す姿を描く。『告白』(2010年)、『怪物』(2023年)などを製作した川村元気氏が監督・脚本を務める。

二宮和也、河内大和&浅沼成との撮影秘話明かす

河内大和/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
河内大和/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
― 二宮さんは“迷う男”を演じる上でどのように役柄にアプローチしていきましたか?

二宮:“迷う男”が主軸ではありますが、僕は“迷う男”も“歩く男”も“少年”も、みんな名前がないので主役がいない作品だなと思っていて。主役がいない作品ではどういうことができるんだろうと常に考えていたので「登場人物を並べて動かしたらどう面白いんだろう」ということを考えてやっていました。この人(迷う男)の心情や感情はあまり関係ないというか。いろんな展開を作れるように誰かがピラミッドを作るのではなく、横並びで歩いていったほうがいいんじゃないかという考えが頭に浮かんでいたので、1つ1つの掘り下げはあまりしなかったです。台本を追って、キャラクターを深堀りしなくてもどこかで回収できるポイントはないか常に探していました。

― “少年”を演じた浅沼成さんとの撮影中のエピソードを教えてください。

二宮:「芝居っ気のない子を選んだからよろしくね」というのは監督にずっと言われていて。お芝居や作品の質を上げるというよりかは、その子の気質にあった環境を整える事が重要だなと思っていたので、(撮影の)進みとしては遅かったですが、結果的に誰も何も言わない感じでした。(成は)やると言ったらすぐやるし、やらないと言ったら朝から入って1回も撮らず昼になったりとか。芝居をどうこうというよりかは、素材を撮る感じでした。すごくシンプルに、あまり味付けないように存在している感じです。それを彼が選択したのもそうだし、周りが分かっていたというのは現場としてはいい空気感でした。

― “歩く男“を演じた河内大和さんとのご共演はいかがでしたか?

二宮:とにかく大変そうでした。もともと話す間柄でもあったし現場でも話していましたが、初日に「ごめん、舞台で脚痛めてる」と言い出して(笑)。僕がメインの道に入った3歩目に河内さんにキューが出て歩くようになっているんですけど、そこが全然合わなくて。直接やりとりするじゃないけれど「スタートってなって、何秒後に出ましょう」みたいなことを2人でずっとやっていました。“異変”がない時はタイミングが等間隔になるように、前半以外は(ポスターが)2枚目か3枚目の後に「おじさん」って言っているのですが、急に(河内が)「そこまで間に合わない」と言って(笑)。「いや間に合わせて?」みたいな(笑)。最初の練習の時は歓声が上がるくらい河内さんの歩くフォルムの再現度が高くて、歓喜に満ち溢れていたんです。俺もすごいな、もう“そのまんまだな”と思っていたら、次の撮影では「脚が痛い…」って言ってテーピングを巻いてやっていました(笑)。河内さんは“異変”の時にモーションが変わるのですが、基本的なベースは一緒なので逆に大変そうでしたね。ああしたい、こうしたいというのをそぎ落して作っていたんだろうなと思うし、自分の撮影がない時も現場に来て成と遊んでくれて、役者さん以上の働きをしてくれていました。現場も助かったと思います。

二宮和也、小松菜奈とのシーンでのこだわりとは

小松菜奈/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
小松菜奈/映画『8番出口』場面写真(C)2025 映画「8番出口」製作委員会
二宮和也(提供写真)
二宮和也(提供写真)
― 小松菜奈さんとご共演された時の印象を教えてください。

二宮:小松さんは本当に久しぶりのお芝居だったそうで、ご本人も緊張されていて出番じゃない時に現場の感じを見に来て、監督と一緒にやり取りをしてお芝居を作っていたみたいです。ですが、僕は全然緊張しているとは思わず「顔が小っちゃいな」と思っていました(笑)。小松さんとのお芝居部分も台本とは違うアプローチに変更していただくことも多かったと思うので、謝ってましたね(笑)。でも「分かりました」と言ってやってくれたので、僕は緊張されているとはあまりお見受けすることはなく、後から監督に聞いて「そうだったの?」というような感じでした。

★Vol.1、Vol.3では、ゲームを映画化したことへの心境やカンヌ国際映画祭での反響、脚本作りに挑んだ理由などについて語っている。

(modelpress編集部)

二宮和也プロフィール

二宮和也(提供写真)
二宮和也(提供写真)
1983年6月17日生まれ、東京都出身。1999年、としてCDデビュー。俳優としても高い評価を受けており、2006年に映画『硫黄島からの手紙』でハリウッドデビュー。映画『母と暮せば』(2015年)で『第39回 日本アカデミー賞』最優秀主演男優賞を、映画『TANG タング』『ラーゲリより愛を込めて』(ともに2022年)で『第65回ブルーリボン賞』主演男優賞を受賞した。近年の主な出演作は、ドラマ『マイファミリー』(2022年/TBS系)、『VIVANT』(2023年/TBS系)、『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(2023年/フジテレビ系)、『ブラックペアン シーズン2』(2024年7月期/TBS系)、映画『浅田家!』(2020年)、『アナログ』(2023年)、『【推しの子】-The Final Act-』(2024年)など。
【Not Sponsored 記事】

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