中沢元紀「あんぱん」(C)NHK

「あんぱん」中沢元紀、挑戦の裏にあった「下剋上球児」鈴木亮平からの言葉「とても心に残っていて」【インタビューVol.5】

2025.06.12 08:15

NHK連続テレビ小説「あんぱん」(毎週月~土あさ8時~ほか)に出演している俳優の中沢元紀(なかざわ・もとき/25)にモデルプレスらがインタビュー。ドラマ「下剋上球児」(TBS系/2023)共演時にもらった鈴木亮平の言葉を胸に挑んだ初めての朝ドラで得た成長とは。<Vol.5※第54回ネタバレあり>

今田美桜ヒロイン連続テレビ小説「あんぱん」

今作は、“アンパンマン”を生み出したやなせたかしと妻・暢の夫婦をモデルに、生きる意味も失っていた苦悩の日々と、それでも夢を忘れなかった2人が、“逆転しない正義”を体現した「アンパンマン」にたどり着くまでを描く愛と勇気の物語。ヒロイン・朝田のぶを今田美桜、のぶの夫・柳井嵩を北村匠海が務め、中沢は嵩の弟・千尋を演じる。第54回では、千尋がのぶへの恋心を含め、嵩に思いをぶつける場面が描かれた。

中沢元紀「あんぱん」で得た成長

中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
― 中沢さんご自身が今後の人生において、この「あんぱん」という作品はどういう影響をもたらすと思いますか?

中沢:とても大きな影響を与えると思います。初めての朝ドラでしたし、今回かなり挑戦もありました。お芝居の面で、錚々たる大先輩方の中で、自分の好きなこと、自分の思ったことができた現場でした。いろいろなことをやっても全て受け止めてくださる大先輩がたくさんいたので、みなさんの大きな器をとても感じました。今後は、受け止める側にも立っていかなければならないという思いもありつつ、そういった役者になっていきたいという目標もできました。今後の役者人生の中でも、この「あんぱん」の現場を超える作品にたくさん関わっていきたいです。

中沢元紀「下剋上球児」鈴木亮平の言葉を胸に「あんぱん」で挑戦

中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
― 実力派キャストの方々に囲まれての撮影になったと思うのですが、「あんぱん」の現場を通して、ご自身の中で成長したと思う部分、今後の糧になりそうだと思う部分はありましたか?

中沢:本当にたくさんあって、「あんぱん」に出演されている大先輩方は、舞台をたくさん経験されている方、映画をたくさん経験されている方もいらっしゃいましたし、本当にいろいろな経験をされている方が集まった現場という印象を持っていました。吉田鋼太郎さん(朝田釜次)を見てもそうですし、阿部サダヲさん(“ヤムおんちゃん”屋村草吉)の現場での居方、演技のやり方を見て、感じる部分はみなさんそれぞれ違いますし、僕はずっとモニターを見ていたのですが、いろいろな方のお芝居を見ながら、選択肢は無限なんだと感じました。僕自身、今は自分のスタイルを固めるつもりはないですが、いろいろな経験をしながら、いろいろな方のお芝居を見ながら、自分の役者としての力をどんどんつけていきたいと改めて思う現場でした。

― かなり刺激をもらっていたのですね。

中沢:本当に刺激を感じながらやっていました。「下剋上球児」もとても良い現場で、先生役だった鈴木亮平さんからの「この現場を超えていく作品にたくさん出逢ってください」という言葉がとても心に残っていて、超えるという意味では「あんぱん」は超えた部分があると思いました。順位をつけるという意味ではなく、「あんぱん」は今まで経験させていただいた現場の中で期間も長いですし、たくさん吸収させていただいて、ボリューミーな現場でした。

「あんぱん」中沢元紀、印象に残ったセリフ

中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
― 千尋の育ての親・寛(竹野内豊)は、やなせさんの人生哲学が詰まったセリフがとても多いと思います。寛のセリフに限らず、印象に残っているセリフはありますか?

中沢:難しいですね。本当にたくさんあるのですが、「何のために生まれて、何をしながら生きるがか…見つかるまで、もがけ」はお父さんから言われたセリフなのですが、それは千尋としても僕自身としても心に響くものがありました。答えは変わっていくものでもあるだろうと思いますし、都度思い出して、問い続けながら生きていきたいです。

中沢元紀、戦争への考え

中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
中沢元紀「あんぱん」(C)NHK
― 戦後80年のドラマということで、やなせさんは弟に対しての詩集の中で、理不尽な死に対する怒りがとても発露されています。千尋のように若くして亡くなってしまった人に、現代を生きる中沢さんはどんな思いを抱かれますか?

中沢:戦争というものはとても独特な時代というか、あまり簡単に答えを出して良いわけではないのだろうなと思います。この間、祖父母の家に行ったとき、陸軍だったおじいちゃんが戦争に行ったときの手帳と戦争中の写真を何枚か見せてもらって、笑っている写真もあったんです。僕は戦争を経験していないですし、戦争はしてはいけないもの、良くないものと教えられてきたので「なぜ笑っているのだろう」という思いがありました。戦争に行くことが良しとされていた時代なので、なかなか難しいですが、このように考える時間があることが大事なのだなと思います。若い世代にも「あんぱん」を見て戦争を多少なりとも感じていただいて、戦争に対する思いを考える時間を与えるきっかけになる作品になれば良いなとも思いますし、今世界で戦争が起きていますが、そういったところにも意識を向けるきっかけになる作品になればと思います。

(modelpress編集部)

★Vol.1、2、3、4も配信中

中沢元紀(なかざわ・もとき)プロフィール

2000年2月20日生まれ。茨城県出身。2022年配信のWEB CMドラマ「メゾンハーゲンダッツ 〜8つのしあわせストーリー〜」で俳優デビュー。主な出演作は、フジテレビ系「ナンバMG5」(2022)、フジテレビ系「366日」(2024)、テレビ東京系「ひだまりが聴こえる」(2024)、映画「ファストブレイク」(2024)など。「下剋上球児」では、エース役を好演し、大きな反響を呼んだ。
【Not Sponsored 記事】

関連リンク

関連ドラマ

  1. あんぱん

    あんぱん

    2025年03月31日(月)スタート

    毎週月~土08:00 / NHK総合ほか

    詳しく見る

関連記事

  1. 「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】
    「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】
    モデルプレス
  2. 「あんぱん」千尋(中沢元紀)、のぶ(今田美桜)への恋心芽生えた瞬間は?演じた本人が当時の気持ち解説【インタビューVol.3】
    「あんぱん」千尋(中沢元紀)、のぶ(今田美桜)への恋心芽生えた瞬間は?演じた本人が当時の気持ち解説【インタビューVol.3】
    モデルプレス
  3. 「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海からのアドバイス・刺激を受けた共演者「本当に勉強になりました」【インタビューVol.2】
    「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海からのアドバイス・刺激を受けた共演者「本当に勉強になりました」【インタビューVol.2】
    モデルプレス
  4. 「あんぱん」中沢元紀、千尋役のため2ヶ月で8kg増量 ジムは「ほぼ毎日通っていました」【インタビューVol.1】
    「あんぱん」中沢元紀、千尋役のため2ヶ月で8kg増量 ジムは「ほぼ毎日通っていました」【インタビューVol.1】
    モデルプレス
  5. 朝ドラ「あんぱん」次週予告、千尋(中沢元紀)の姿に悲痛の声「行かないで」「健気すぎてもう泣いてる」
    朝ドラ「あんぱん」次週予告、千尋(中沢元紀)の姿に悲痛の声「行かないで」「健気すぎてもう泣いてる」
    モデルプレス
  6. 中沢元紀「ひだまりが聴こえる」小林虎之介との笑顔2ショットに反響「大好きなコンビ」「下剋上バッテリーだ」
    中沢元紀「ひだまりが聴こえる」小林虎之介との笑顔2ショットに反響「大好きなコンビ」「下剋上バッテリーだ」
    モデルプレス

「インタビュー」カテゴリーの最新記事

  1. 連続殺人鬼判明&衝撃展開が話題「MADDER」水野響心、現場の雰囲気は「真逆」乃木坂46五百城茉央と共通の趣味きっかけで交流【モデルプレスインタビュー】
    連続殺人鬼判明&衝撃展開が話題「MADDER」水野響心、現場の雰囲気は「真逆」乃木坂46五百城茉央と共通の趣味きっかけで交流【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス
  2. よしあき&ミチ、海外での壮絶ハプニング明かす 「飛行機がUターン」「トラブルも旅の醍醐味」【モデルプレスインタビュー】
    よしあき&ミチ、海外での壮絶ハプニング明かす 「飛行機がUターン」「トラブルも旅の醍醐味」【モデルプレスインタビュー】
    モデルプレス
  3. なにわ男子・大橋和也、エゴサーチで最近嬉しかった言葉「ファンの皆さんの存在はトクベツ」夢を叶える秘訣とは【「君がトクベツ」インタビュー連載Vol.4】
    なにわ男子・大橋和也、エゴサーチで最近嬉しかった言葉「ファンの皆さんの存在はトクベツ」夢を叶える秘訣とは【「君がトクベツ」インタビュー連載Vol.4】
    モデルプレス
  4. なにわ男子・大橋和也が語るアイドル論「現実では恋愛をしない存在だからこそ、お芝居で表現したい」【「君がトクベツ」インタビュー連載Vol.3】
    なにわ男子・大橋和也が語るアイドル論「現実では恋愛をしない存在だからこそ、お芝居で表現したい」【「君がトクベツ」インタビュー連載Vol.3】
    モデルプレス
  5. 阿達慶の青春は“先輩のバック” 堂本光一・中島健人・那須雄登…憧れの存在へ近づくための目標も【「リライト」インタビュー】
    阿達慶の青春は“先輩のバック” 堂本光一・中島健人・那須雄登…憧れの存在へ近づくための目標も【「リライト」インタビュー】
    モデルプレス
  6. 阿達慶、映画初出演オーディションへの強い覚悟「絶対にとってやると」将来の目標は“花男のような作品出演”【「リライト」インタビュー】
    阿達慶、映画初出演オーディションへの強い覚悟「絶対にとってやると」将来の目標は“花男のような作品出演”【「リライト」インタビュー】
    モデルプレス
  7. 「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】
    「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海との感情ぶつけ合いシーン 号泣のテスト撮影裏側・本番で泣かなかった理由【インタビューVol.4】
    モデルプレス
  8. 「あんぱん」千尋(中沢元紀)、のぶ(今田美桜)への恋心芽生えた瞬間は?演じた本人が当時の気持ち解説【インタビューVol.3】
    「あんぱん」千尋(中沢元紀)、のぶ(今田美桜)への恋心芽生えた瞬間は?演じた本人が当時の気持ち解説【インタビューVol.3】
    モデルプレス
  9. 「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海からのアドバイス・刺激を受けた共演者「本当に勉強になりました」【インタビューVol.2】
    「あんぱん」千尋役・中沢元紀、北村匠海からのアドバイス・刺激を受けた共演者「本当に勉強になりました」【インタビューVol.2】
    モデルプレス

あなたにおすすめの記事