吉沢亮「YouTubeばっかり見ている同世代にこそ、映画館で観てほしい作品」―映画「パラサイト 半地下の家族」
2020.01.10 21:00
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俳優の吉沢亮(25)が「ここ数年で観た中で一番だなと思いました」と熱を込めて語るのは、第72回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞、第92回アカデミー賞(R)での受賞も有力視されるなど、既に世界的な盛り上がりを見せるポン・ジュノ監督最新作『パラサイト 半地下の家族』(1月10日全国公開)。ポン監督の大ファンとして今作をいち早く体感する機会を得た吉沢が、その感想やポン監督作品の魅力を語った。
全員失業中の貧しい一家とIT企業を経営する裕福な社長一家――相反する2つの家族の出会いから始まる物語は、ユーモア、サスペンス、アクションといったあらゆるジャンルを融合させながらジェットコースターのように加速し、文字通り予測不可能な展開で観客の感情を揺さぶっていく。
吉沢:いやぁ…良かったです。ここ数年で観た中で一番だなと思いました。前半めちゃくちゃ笑えたんですけど、どんどんその笑いの中に格差社会とか、色々な問題が見えてくる。どんでん返しの連続にすごく引き込まれるし、最後まで全く先が想像できませんでした。久々に「すげえ…」と思うエンタメ作品を観たな、という印象です。
ホラーやサスペンス、コメディータッチなところもあるし、本当に色んな要素がふんだんに盛り込まれているので、「こう思った」と一言で言うのが難しいんですけど、“家族”っていうものの色んな形を見たな、という感じがします。貧しい一家が裕福な一家に“寄生”するだけではなく、意外とその裕福な家庭も貧しい人たちの力を借りていないと何もできなかったり、何かに騙され続けていたり…。状況は違うけど、“弱さ”みたいなものはみんな持っているんだなと思いながら観ていました。
― 特に印象に残ったシーンは?
吉沢:個人的にめちゃくちゃ好きだったのは、洪水が起きた時、娘が便器に座って煙草を吸っているシーン。あの表情といい、座り方とか、そこになんとなく日常感みたいなものを感じさせながらも、貧富の差だったり、すごく色んなものが現れているなと思って。あそこのシーンはめちゃくちゃ好きでした。役者さんのお芝居もみんなすごかったです。
― 吉沢さんが思う、ポン監督作品ならではの魅力とは?
吉沢:僕がすごく思うのは、色々な描写が過激すぎないところ。もっと生々しくやろうと思えばできる部分ってたくさんあると思うんです。割と映画監督って、性描写とかそういう部分を忠実に描こうとしている人が多いような気がします。汚いものはすごく汚く描いたり、性描写も色んなものを映して生々しく描いてみたりとか。ポン監督の場合は、そういうことをせずにその生々しさがちゃんと伝わってくる感じがします。直接的ではないんだけど、だからこそガツンと伝わってくる。そういった描写がすごく多い気がして好きです。
― 今作からもそのような魅力は感じられましたか?
吉沢:はい。それこそ洪水のシーンとかも、他の監督だったらトイレから出てくる液体とかもっとドロッドロしたのを出しそうだけど、そうはしない。しっかりと見せずとも伝わってくる感じがとても好きです。
― 韓国映画はよくご覧になりますか?何か印象があればお聞かせください。
吉沢:そんなに多くは観たことがないんですけど、韓国の社会問題みたいなものをテーマにしている作品が多いような気がします。エンタメ性のすごく高い作品もたくさんある中で、韓国ならではの雰囲気みたいなものをちゃんとエンターテインメントに落とし込んでいる印象があります。
― ポン監督は今作について“ネタバレ厳禁”を掲げていますが、その考えには共感しますか?
吉沢:やっぱり(ネタバレは)ないほうがいいですよね。何も知らない状態で観るのが、絶対に一番楽しいと思う。前情報とか気になっちゃうのはわかるんですけど、そういうのはナシでいくほうが確実に楽しめるとは思います。特にこの映画は、観ていて先の展開が全然読めない作品。何も知らないで行ったほうが絶対に面白いです。
― 最後に…この作品をどのような方に楽しんでほしいですか。
吉沢:映画好きの人は確実に観ると思うので、そうじゃない世代の人にも、「こんなエンターテインメントがあるのか!」というのを感じてほしいです。今の若い人たちは、映画館に行って映画を観ない人もたくさんいると思うんですけど、そういう人たちこそ映画館に来てもらって、「すげえもの観たな」と思ってほしい。誰が観てもそう思う作品だと思うから。それこそ僕と同世代の、You Tubeばっかり見ているような世代に、「これがエンターテインメントだ!」っていうのを体感してもらいたいと思います。
さらに、吉沢が出演した映画『リバーズ・エッジ』(17)を観たというポン監督が「とても素敵な青春を演じられていました」と感想を伝えたり、いつか監督の作品に出演してみたいか、というMCからの問いかけを受けた吉沢が「お願いします!」と直訴したりと、映画界の第一線で活躍する2人の熱いやり取りが実現していた。(modelpress編集部)
監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
<STORY>
全員失業中、“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。長男ギウは、“高台の豪邸”で暮らす裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受けに行く。そして、兄に続き、妹ギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…。この相反する2つの家族の出会いは、次第に想像を遥かに超える物語へと加速していく――。
シネマート新宿:1/31(金)~2/13(木)
シネマート心斎橋:2/7(金)~19(水)
※最新情報は劇場公式サイトをご確認ください。
吉沢亮「You Tubeばっかり見ている同世代にこそ、映画館で観てほしい作品」
―『母なる証明』(09)をベストムービーの1本として挙げ、ご自身のカレンダーで同作にインスパイアされた写真を撮り下ろすほどのポン監督ファンである吉沢さん。今作の感想をお聞かせください。吉沢:いやぁ…良かったです。ここ数年で観た中で一番だなと思いました。前半めちゃくちゃ笑えたんですけど、どんどんその笑いの中に格差社会とか、色々な問題が見えてくる。どんでん返しの連続にすごく引き込まれるし、最後まで全く先が想像できませんでした。久々に「すげえ…」と思うエンタメ作品を観たな、という印象です。
ホラーやサスペンス、コメディータッチなところもあるし、本当に色んな要素がふんだんに盛り込まれているので、「こう思った」と一言で言うのが難しいんですけど、“家族”っていうものの色んな形を見たな、という感じがします。貧しい一家が裕福な一家に“寄生”するだけではなく、意外とその裕福な家庭も貧しい人たちの力を借りていないと何もできなかったり、何かに騙され続けていたり…。状況は違うけど、“弱さ”みたいなものはみんな持っているんだなと思いながら観ていました。
― 特に印象に残ったシーンは?
吉沢:個人的にめちゃくちゃ好きだったのは、洪水が起きた時、娘が便器に座って煙草を吸っているシーン。あの表情といい、座り方とか、そこになんとなく日常感みたいなものを感じさせながらも、貧富の差だったり、すごく色んなものが現れているなと思って。あそこのシーンはめちゃくちゃ好きでした。役者さんのお芝居もみんなすごかったです。
― 吉沢さんが思う、ポン監督作品ならではの魅力とは?
吉沢:僕がすごく思うのは、色々な描写が過激すぎないところ。もっと生々しくやろうと思えばできる部分ってたくさんあると思うんです。割と映画監督って、性描写とかそういう部分を忠実に描こうとしている人が多いような気がします。汚いものはすごく汚く描いたり、性描写も色んなものを映して生々しく描いてみたりとか。ポン監督の場合は、そういうことをせずにその生々しさがちゃんと伝わってくる感じがします。直接的ではないんだけど、だからこそガツンと伝わってくる。そういった描写がすごく多い気がして好きです。
― 今作からもそのような魅力は感じられましたか?
吉沢:はい。それこそ洪水のシーンとかも、他の監督だったらトイレから出てくる液体とかもっとドロッドロしたのを出しそうだけど、そうはしない。しっかりと見せずとも伝わってくる感じがとても好きです。
― 韓国映画はよくご覧になりますか?何か印象があればお聞かせください。
吉沢:そんなに多くは観たことがないんですけど、韓国の社会問題みたいなものをテーマにしている作品が多いような気がします。エンタメ性のすごく高い作品もたくさんある中で、韓国ならではの雰囲気みたいなものをちゃんとエンターテインメントに落とし込んでいる印象があります。
― ポン監督は今作について“ネタバレ厳禁”を掲げていますが、その考えには共感しますか?
吉沢:やっぱり(ネタバレは)ないほうがいいですよね。何も知らない状態で観るのが、絶対に一番楽しいと思う。前情報とか気になっちゃうのはわかるんですけど、そういうのはナシでいくほうが確実に楽しめるとは思います。特にこの映画は、観ていて先の展開が全然読めない作品。何も知らないで行ったほうが絶対に面白いです。
― 最後に…この作品をどのような方に楽しんでほしいですか。
吉沢:映画好きの人は確実に観ると思うので、そうじゃない世代の人にも、「こんなエンターテインメントがあるのか!」というのを感じてほしいです。今の若い人たちは、映画館に行って映画を観ない人もたくさんいると思うんですけど、そういう人たちこそ映画館に来てもらって、「すげえもの観たな」と思ってほしい。誰が観てもそう思う作品だと思うから。それこそ僕と同世代の、You Tubeばっかり見ているような世代に、「これがエンターテインメントだ!」っていうのを体感してもらいたいと思います。
吉沢亮、ポン・ジュノ監督と念願の初対面
取材は先月27日に行われた、今作の舞台挨拶イベントの直前に実施。揃って13年ぶりに来日したポン監督と主演のソン・ガンホに花束を渡す重大任務を前にした吉沢は「とっても緊張します!」と固くなっていたが、本番ではポン監督が吉沢に「ご自身がイケメンだということに気づいたのは何歳の時ですか?」と問いかけて笑いを起こすなど、和やかにトークを展開。さらに、吉沢が出演した映画『リバーズ・エッジ』(17)を観たというポン監督が「とても素敵な青春を演じられていました」と感想を伝えたり、いつか監督の作品に出演してみたいか、というMCからの問いかけを受けた吉沢が「お願いします!」と直訴したりと、映画界の第一線で活躍する2人の熱いやり取りが実現していた。(modelpress編集部)
映画『パラサイト 半地下の家族』(1月10日より全国ロードショー)
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、イ・ジョンウン、チャン・ヘジン監督:ポン・ジュノ(『殺人の追憶』『グエムル -漢江の怪物-』)
撮影:ホン・ギョンピョ
音楽:チョン・ジェイル
<STORY>
全員失業中、“半地下住宅”で暮らす貧しいキム一家。長男ギウは、“高台の豪邸”で暮らす裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受けに行く。そして、兄に続き、妹ギジョンも豪邸に足を踏み入れるが…。この相反する2つの家族の出会いは、次第に想像を遥かに超える物語へと加速していく――。
特集上映「鬼才ポン・ジュノの世界!」
ポン・ジュノ監督の記念すべき長編デビュー作『ほえる犬は噛まない』、『パラサイト 半地下の家族』でも主演をつとめたソン・ガンホとポン監督のタッグの第1作目となった『殺人の追憶』デジタルリマスター版や、吉沢が勧める『母なる証明』、ハリウッドデビュー作となった『スノーピアサー』のポン監督代表作4作品を上映。シネマート新宿:1/31(金)~2/13(木)
シネマート心斎橋:2/7(金)~19(水)
※最新情報は劇場公式サイトをご確認ください。
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