Q. ぶどうの皮は、むかずに食べても大丈夫?【管理栄養士が回答】
【管理栄養士が解説】ぶどうの皮をむくか、むかずに食べるか、迷う方もいるようです。ぶどうの皮は食べても大丈夫なのか、皮ごと食べた方が栄養価が高く、健康効果が高いといえるのか、わかりやすく解説します。
Q. ぶどうの皮を食べるとどうなりますか? 皮ごと食べても大丈夫でしょうか
Q. 「ぶどうの皮を食べるとどうなりますか? 私は大きなぶどうでも皮をむかずに、丸ごと食べることが多いのですが、家族はみんな一粒ずつ皮をむいて食べるので、皮まで食べるのはおかしいと言ってきます。皮にも栄養がある気がしますが、実際はどちらがいいのでしょうか?」
A. 皮の硬さが気にならないなら、むかずに丸ごと食べて大丈夫です
ぶどうの皮は、基本的に食べて大丈夫です。「皮が硬くて食べにくい」と感じるかどうかは個人差があるでしょうから、無理に食べる必要はありませんが、気にならないなら問題ありません。
「ぶどうの皮には栄養がある」と考えて、本当はむきたいのに我慢して皮ごと食べている人もいるかもしれませんが、実際のところはどうでしょうか?
ぶどうの皮の部分にも、もちろん栄養はありますし、特に皮が赤いぶどうの場合、皮の部分にポリフェノールが豊富に含まれています。そのため皮ごと問題なく噛めるなら、皮ごと食べてしまった方がポリフェノールの摂取量は増やすことができます。
とはいえ、ぶどうのポリフェノールは100gあたりわずか約12mg。健康効果を実感するために摂取する必要があるポリフェノールは400mgが目安ですので、ぶどうを一房食べたくらいでは、健康効果を実感できるほどの量のポリフェノールは摂取できません。
無理して食べるほどのものではないのです。せっかくのぶどうですので、皮が食べにくいと感じる場合は、微量の栄養素よりもおいしさを優先させて食べるのがよいのでないかと思います。
また、最近のSDGsの観点から見ると、皮ごと食べた方がゴミが増えなくていいという考え方もあります。せっかく食べるなら、廃棄する部位は極力減らしたいという人もいるでしょう。
ぶどうは品種によっても皮の食べやすさが異なります。硬い皮は苦手だけど皮ごと食べたいなら、シャインマスカットやナガノパープルなどの皮をむかなくても食べやすい品種を選ぶのがおすすめです。
■参考
・食品成分データベース(文部科学省)
・ポリフェノールの種類と効果と摂取方法(健康長寿ネット)
メタボ研究を行いエビデンスに則ったダイエットを教える管理栄養士。小田原短期大学 食物栄養学科 准教授。女子栄養大学大学院(博士課程)修了。前職の病院での栄養科責任者、栄養相談業務の経験を活かし、現在は教壇に立つ傍ら、実践に即した栄養の基礎を発信している。
執筆者:平井 千里(管理栄養士)
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