

熱中症対策の水分補給に「コーヒー」は逆効果!? その理由を管理栄養士が解説
夏はアイスコーヒーがおいしく感じられますが、熱中症対策のための水分補給として飲んでいるのであれば「逆効果」かもしれません……。この記事では、熱中症対策の水分補給にコーヒーをおすすめしない理由について管理栄養士が解説します。コーヒーをよく飲む方はぜひ参考にしてくださいね。
熱中症対策にコーヒーは飲んでも良い?
熱中症は脱水によって起こるもの
通常、私たちは体温が上がり過ぎないように汗をかいたり、皮膚から熱を放散したりして体温を調整しています。しかし、脱水症があると、体の熱を逃がすはたらきが弱くなり、体温を下げられなくなるおそれが。そのため、脱水症は熱中症の発症リスクを高めてしまいます。熱中症の発症を抑えるためにも、脱水症にならないようにすることが必要です。(※1,2)
熱中症対策にコーヒーを飲むのはおすすめしない
暑い夏にはキンキンに冷えたアイスコーヒーを飲みたいところ。ただ、熱中症対策のためにはこまめな水分補給が必要であるものの、コーヒーはあまりおすすめできません。なぜならコーヒーには利尿作用がある「カフェイン」が含まれています。カフェインは体内から水分を排出する作用があるため、コーヒーを飲んでも尿として水分が排出されやすくなってしまいます。
熱中症対策の水分補給としてではなく、あくまで嗜好品として適量を飲むことをおすすめします。(※2,3,4,5)
熱中症におすすめな飲み物とは?飲み方や生活のコツを管理栄養士が解説
コーヒー以外にも!熱中症対策に適さない飲み物
熱中症対策に適さない飲み物緑茶
紅茶
カフェインを含む清涼飲料水
アルコール
緑茶
緑茶にも利尿作用があるカフェインが含まれているため、熱中症対策にはおすすめしません。実は緑茶の種類によってもカフェイン含有量が異なることがあります。流通量の多い煎茶は浸出液100mlあたりに20mgのカフェインが含まれている一方、高級な緑茶として知られる玉露は浸出液100mlあたりに含まれるカフェインは160mgで、煎茶の約8倍。
緑茶の種類によってもカフェイン含有量が異なることを知っておくと良いでしょう。(※3,4)
紅茶
紅茶もコーヒーや緑茶と同様カフェインが含まれているため、熱中症対策としては適していません。コーヒーが浸出液で100mlあたりに60mgのカフェインが含まれている一方、紅茶は浸出液100mlあたり30mgと、コーヒーの半分のカフェイン量ではあります。
しかし、カフェインの利尿作用によって体内の水分が排出されることを考えると、水分補給としてはおすすめしません。コーヒーと同様、嗜好品として適量を楽しみましょう。(※3,5)
カフェインを含む清涼飲料水
エナジードリンクや眠気覚ましの清涼飲料水にもカフェインが含まれているものがあります。商品によってはコーヒーの2倍以上のカフェインが含まれている場合もあります。また、エナジードリンクは甘味がついていたり、炭酸風味になっていたりとジュース感覚でゴクゴク飲めてしまうため、飲み過ぎに注意したいところです。(※3,6)
アルコール
アルコールを含む飲料も利尿作用があるため、水分補給にはなりません。お酒を飲むとトイレの回数が増えてしまうことがありますよね。お酒は飲んだ以上の量が尿として出ていってしまうとされ、ビールを1,000ml飲むと飲んだ量を上回る1,100mlの尿が出たという報告もあるほど。暑い日の野外で冷えたビールを飲むのはおいしいかもしれませんが、別で水分補給がする必要があります。(※7)
熱中症対策の水分補給はノンカフェインの飲み物を飲もう
熱中症対策の水分補給に適した飲み物経口補水液
スポーツドリンク
麦茶
ルイボスティー
熱中症対策の水分補給には、ノンカフェインの飲み物を選ぶようにしましょう。特に経口補水液は汗の塩分濃度と同じ0.3%の塩分を含みます。そのため、脱水が起きた際に水分だけでなく塩分も効率的に補給することが可能です。また、経口補水液は熱中症のリスクが高い状況において、スポーツドリンクよりも水分補給に適しています。
ただし経口補水液は、脱水症でない場合の水分補給に適していません。普段の水分補給には麦茶やルイボスティーといったノンカフェインの飲み物を活用しましょう。(※4,8,9)
熱中症対策にスポーツドリンクはあり?ポイントと注意点を知って取り入れよう
どうしてもコーヒーが飲みたい場合はどうするべき?
「どうしてもコーヒーが飲みたい!」というのであれば、カフェインレスのコーヒーで代用してはいかがでしょうか。コーヒーの大部分は水分でできているため、水分補給にはなります。ただし熱中症対策の水分補給としては、コーヒーよりもノンカフェインのものを摂取することが推奨されます。そのため、コーヒー好きな方はカフェインが含まれていないコーヒーをおすすめします。(※10)
賢く選ぶおいしい一杯。カフェインレスコーヒー21選
コーヒーに利尿作用があることを理解して熱中症対策を!
コーヒーには水分が含まれているため、暑い日は冷たいコーヒーをゴクゴクと飲みたくなるかもしれません。しかし、熱中症対策の水分補給という観点からは、利尿作用があるカフェインが含まれているコーヒーよりも、スポーツドリンクをはじめとしたノンカフェインの飲み物が推奨されます。夏はこまめな水分補給をこころがけ、コーヒーは嗜好品として適量を楽しむようにしましょう。【参考文献】
※1 脱水症は“熱中症”のリスクを高めます|素早く見つけて、すぐ対策!脱水症&熱中症|経口補水液オーエスワン(OS-1)|大塚製薬工場
※2 秋でも要注意!熱中症の原因となる脱水症とは? | 総合東京病院【公式】中野区 練馬区 24時間救急受入
※3 カフェインの過剰摂取について:農林水産省
※4 熱中症を予防するため 適切な水分及び塩分の補給をしましょう!!|厚生労働省
※5 カフェインの効果を解説!効力時間やデメリットについても紹介|がんばるあなたに。疲れの情報局|アリナミン
※6 エナジードリンクとカフェイン|千葉県医師会
※7 お酒を飲んだ時に|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
※8 増加する熱中症の被害 経口補水液がなぜ ...|松本薬剤師会
※9 健康な場合に飲んでも大丈夫ですか?|よくあるご質問|経口補水液オーエスワン(OS-1)|大塚製薬工場
※10 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」し好飲料類/<コーヒー・ココア類>/コーヒー/浸出液
(2024/07/20参照)「牛乳で熱中症対策ができる」って本当?飲み方のポイントや注意点を解説
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