

話題の台湾グルメ・胡椒餅とは? 発祥やおいしく作るコツなどを専門店に取材
ルーローハンや台湾カステラなど今や身近になった台湾グルメ。そんななかで今、注目を集めているのが台湾の屋台フード「胡椒餅」です。胡椒餅ってどんな食べ物?発祥や特徴は?家庭で作るときのレシピポイントは?など、胡椒餅に関するアレコレを専門店に取材しました。
台湾名物グルメ・胡椒餅ってどんな食べ物?
高温の窯の壁面に貼りつけて焼かれる胡椒餅
胡椒餅とは、中国南東部・福建省にルーツがあると言われるグルメ。ねぎと肉で作ったあんを小麦粉で作った皮で包んで焼いた料理が台湾に伝わり、台湾流のアレンジを加えることで、今の胡椒餅になったのだそう。ちなみに中国語の“餅”とは、小麦粉を平たくして焼いたり、蒸したり、揚げたりしたものを指し、日本の米で作った餅とは異なります。
そんな胡椒餅について教えてくれたのは、胡椒餅専門店「台湾老劉胡椒餅」吉祥寺店責任者、永野 加奈さん。
吉祥寺店責任者、永野 加奈さん。実際に台湾で胡椒餅作りを修業してきたそう
「台湾老劉胡椒餅」は、本場のおいしさを日本でも味わってもらおうと、台湾の名店「老劉胡椒餅」で修業したスタッフがオープンした店。本場直伝の門外不出のレシピで作る胡椒餅のおいしさが評判を呼び、多いときで一日1,200個も売れる人気ぶりです。
ストリートフードの胡椒餅は包み紙でくるんだままパクリといただきます
今や、台湾の夜市の屋台に欠かせなく、街中に専門店まである胡椒餅。台湾の人にはどんな食べ物なのか永野さんに尋ねてみました。「台湾ではおやつ感覚で食べられています。午後にお茶を飲んでひと息つくといった時間があって、そんなときに胡椒餅がよく食べられているんですよ。職場でまとめて30個ぐらい胡椒餅を買って、皆でお茶と胡椒餅を楽しむこともあります」
胡椒餅の味わいの特徴は?
430円(税込)「台湾老劉胡椒餅」の胡椒餅
胡椒餅の基本形は、こんがり焼かれパリパリした皮の中に、胡椒やスパイスが効いた豚肉とねぎのあんがたっぷり詰まっているというもの。シンプルながら店によって生地の食感や肉あんの味付けが違ったり、焼き方も窯やオーブンの違いがあったりなど個性があります。
肉あんからジューシーな肉汁があふれます。ネギもゴロゴロと大振りにカット
「台湾老劉胡椒餅」の胡椒餅の特徴は、パイのようなサクサクの食感と、修業先のオーナー劉さんがブレンドした秘密のスパイスで味付けしたあん。劉さんのスパイスによって胡椒がしっかり効き、ジューシーな豚肉の旨みをグっと引き立てます。台湾料理によく使われる八角の風味が控えめなので、日本人にも食べやすい味。
サクサクの皮をガブリと頬張れば、ジュワっと広がるジューシーな豚肉の甘みとピリッと辛い胡椒の風味が口いっぱいに広がり、やみつきになるおいしさです。
肉まんとは違う! 胡椒餅のおいしさの秘密
小麦粉で作った生地で肉あんを包むと聞けば、肉まんを思い出しますが、胡椒餅は皮の作り方や調理の仕方が異なり、肉まんとは違ったおいしさがあります。「台湾老劉胡椒餅」の胡椒餅の作り方を紹介しながら、その違いを見ていきましょう。
1. サクサクとしたパイ生地のような皮
平日でも700個は売れるという「台湾老劉胡椒餅」。朝から大量の生地を作っていきます
「台湾老劉胡椒餅」では本場台湾から持ってきた小麦粉を日本に帰ってきて分析。オリジナル配合の粉で毎朝生地を手作りします。それほど、生地作りは味の決め手になるのです。2種類の生地を織り込んだもの。くっきりと層になっているのがわかります
本場の胡椒餅の皮は薄く、サクサクとした食感が特徴。この食感が生まれるポイントは2種類の生地使いにあります。モチっとしたオリジナルブレンドの生地に、サクッとした食感が特徴の生地を重ねて折りたたみます。これによりミルフィーユのような層が生まれ、胡椒餅ならではの食感が生まれるのです。
2. スパイシー&ジューシーなあん
どっさり盛られた肉あん。これにねぎもたっぷり追加されます
胡椒餅のあんも肉まんとはひと味ちがいます。肉まんのあんは酒やしょうゆなどで味付けしたあっさりしたものが多いですが、胡椒餅のあんはミックススパイスの五香粉(ウーシャンフェン)や胡椒をしっかり効かせたスパイシーな味わい。肉と一緒にたっぷりのねぎを包むのも特徴です。
生地を広げる、あんを盛る、包む……胡椒餅作りにはチームワークが大切。本場台湾でも職人たちが見事なチームワークで仕上げていくのだそう
「台湾老劉胡椒餅」では、豚肉をゴロゴロと大きな角切りにし、スパイシーな味わいと肉々しい旨みが共に味わえるようになっています。3. こんがり香ばしい焼き目もごちそう
焼きあがった胡椒餅は窯のまわりの鉄板に並べていきます
肉まんとの最大の違いが、蒸すのではなく焼くこと。ドラム缶のような窯の内側に餅を貼り付けて、高温でこんがりと焼いていきます。焼きあがった胡椒餅は皮がバリバリ、サクサク。かぶりつけば内側から熱々、肉汁たっぷりな肉あんがジュワっと広がります。
胡椒餅を家庭で作るときのポイント
火通りが均一になるように、皮の厚みを均等にするのがコツ
こんがり、パリッとした外皮とスパイシーな肉あんがたまらない胡椒餅。家で作ってみたい!という人のために、アドバイスをお聞きしました。生地作り
お店のように2種類の生地を使い分けるのはなかなかむずかしいので、家庭では1種類の生地を使いましょう。おすすめの粉は中力粉。ふんわりとしつつも、モチッとした弾力が楽しめます。胡椒餅は薄い皮が特徴。生地ができあがったら、生地を薄くのばして、たっぷりの具材を包んでいきます。
肉あん
店では高温で餅を焼くため、厚切りされた豚肉も十分火が通りますが、家庭ではそうもいきません。火通りのいいひき肉を使うか、あらかじめ肉あんを調理するなど、中までしっかり火が通るようにしましょう。本場では窯焼きをしますが、焼きあがりのふくらみを考慮しながら、壁面に貼りつけるのが技術のいるのだそう。オーブンで焼けば、その心配もありません
焼く
台湾の屋台では特注の窯を使いますが、家庭では代わりにオーブンを使います。台湾でもオーブンを使って焼く店舗も多いのだそう。焼き上がりが均一に仕上がるメリットがあります。焼きたてを食べられるのが家庭で作る胡椒餅の良いところ。ぜひ試してみてください!
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本場の味を日本に伝える「台湾老劉胡椒餅」(吉祥寺)
交差点の角という好立地。行き交う人が匂いにつられ、足を止めていきます
2022年9月に町田店、10月に吉祥寺店をオープンした「台湾老劉胡椒餅」。本場の胡椒餅の魅力を日本に伝えようと、胡椒餅の専門店を作りました。窯焼きと手作りの皮、手切りのねぎなどにこだわっています。「胡椒餅の魅力は、機械化できない、職人がひとつひとつ手作りするところから生まれるおいしさにあると思います。台湾で身近に感じてきた、胡椒餅を作り続けている職人さんたちの思いを日本でも伝えられたらと思っています」と語る永野さん。胡椒餅への愛がいっぱいです。
包み紙は2種類。どちらも台湾らしいデザインです
メニューは吉祥本店では、豚肉の胡椒餅のみですが、町田店では牛肉の胡椒餅もラインアップ。牛肉の胡椒餅を台湾で始めたのは劉さんだとか。牛肉の方がまろやかな味わいだそうで、ぜひ試してみたいひと品です。胡椒餅にピッタリ、芳醇な香りの「白桃烏龍茶」
「白桃烏龍茶」370円(税込)
「台湾で修業していたとき、仕事の合間にティースタンドで買ったお茶を楽しむ人々の姿が印象的でした」と語る永野さん。胡椒餅だけでなく、台湾の文化も届けたいと考えている「台湾老劉胡椒餅」では、胡椒餅と一緒に味わうティードリンクも用意しています。こだわりは、台湾の認定資格である茶葉品評員が選んだ最高クラスの茶葉。豊富な種類の茶葉から、劉さんと協力して胡椒餅と相性の良い4種類を選び、台湾から取り寄せた機械でお茶の持つ甘みや香りを生かしたティードリンクを淹れています。
一番人気なのが「白桃烏龍茶」。フルーティーな香りとほのかな甘さが華やかなドリンク。飲み口がすっきりしていて、スパイシーな胡椒餅の後口をさっぱりさせてくれます。
期間限定! モチモチの餅玉が楽しいミルクティー
「餅玉ミルクティー」490円(税込)
期間限定の「餅玉ミルクティー」も人気。タピオカの代わりに白玉粉で作った餅玉がモチモチとし、漢方食材としても使われるプルンとした仙草ゼリーも入った食感の楽しいドリンクです。ベースとなる鉄観音茶を使ったミルクティーがさっぱりとした飲み口で、甘さ控えめ。肉汁たっぷりの胡椒餅とも好相性です。
一度食べるとハマる、本場の胡椒餅を召し上がれ
香ばしい皮とジューシーでスパイシーなあんのコントラストがたまらない胡椒餅。焼き立てを頬張れば、あふれるアツアツの肉汁に笑顔がこぼれます。なかなか日本にはない味わいの胡椒餅は、一度食べるとハマること請け合いです。旅行気分で本場の胡椒餅を味わいに出かけてみてはいかがでしょう。
取材・文・撮影:OdanakaMasako店舗情報※ 記事の内容は、公開時点の情報です。記事公開後、メニュー内容や価格、店舗情報に変更がある場合があります。来店の際は、事前に店舗にご確認いただくようお願いします。
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