【自由が丘】カルボナーラがウマすぎてもうお手上げ! 穴場イタリアン『ワインとイタリア料理 141』
2020.11.06 18:00
ワイン好きが集うビル3階は、まるでイタリア!?『ワインとイタリア料理 141』(自由が丘)
東急東横線・自由が丘駅から、徒歩わずか2分、新築ビルの3階の駅チカ立地に小さなレストラン『ワインとイタリア料理 141』がある。丸みあるL字カウンター8席と、テーブル4席。10人も入ればほぼ満席になるこぢんまりとしたレストランだ。しかし、いったん着席すると、狭さはまったく感じない。カウンター席もテーブル席も広々ゆったりしているのだ。
トイレよりも大きいというワインセラーを前に、「今宵も飲んで食べるぞーっ!」と、テンションが上がってくる。
オーナーシェフの石井一輝(いしい かずき)さんは、自由が丘のイタリア料理店で腕を磨いてきた人物。描いたスタイルは、イタリアワインとイタリア料理を気軽にわいわい楽しめる、夜遅くまで開いている店だった。
スターターから期待ふくらむ! その日入荷した旬の魚料理と白ワイン
旬の食材をふんだんに使った料理は、A4用紙に綴られたメニューと黒板の「本日のおすすめ」から選ぶ。眺めていると、「尾鷲」の二文字が何度も登場する。聞けば三重県尾鷲漁港に馴染みの魚店があり、年間を通じて送ってもらっているという。魚店とは毎日電話でやりとりする。
「◯◯が揚がったよ、どう? なんて言われるんです。聞いたことのない魚名もあるけど、とにかくどんどん旬のおいしいものを送ってもらっています」(石井さん)
届いたばかりの魚介から、「尾鷲のガスエビのマリネ」(写真上)を味わってみよう。
ガスエビは、一見すると甘エビのようだが、甘エビよりも甘みがぐっと深く、ねっとりとした食感。リーズナブルなのも魅惑だ。
「これはもうフレッシュのまま、シンプルに食べていただきたいですね」
オリーブオイルとイタリア産の魚醤でマリネして、エシャロット、枝豆と合わせる。仕上げに徳島産のスダチをぎゅっと搾り、さらにスダチの皮をすりおろして散りばめる。
「ポイントは器に氷を当てて、ギンギンに冷やすこと」
冷たい皿に盛り、あっという間に完成。ガスエビの透明感のある淡い朱色、枝豆やスダチの清々しいグリーン、その色合いにまずうっとり。
好みでさらにスダチを搾り、冷たいうちに、よく冷えた白ワインと味わえば……、ガスエビの甘みとスダチの酸味を、ワインがスーッとひとつにまとめてくれて、爽やか!
「一番人気!」を銘打った、自慢のメニュー「ソーセージ」は必食!
「一番人気! 山形豚自家製ソーセージ」は、古代ギリシャから作られている歴史あるサルシッチャ(腸詰め)をジューシーに焼き上げた、石井さんの得意料理。ニンニク、フェンネル、ローズマリー、黒胡椒などスパイスのパンチが強い。「僕のサルシッチャは、韓国産の唐辛子を使っているのが特徴。実は妻が韓国人で、キムチを漬ける時に使う唐辛子なんです」(石井さん)。
まずフライパンで転がしながら強火で焼き色をつけ、その後250度のオーブンでじっくり火入れする。その間に、ジャガイモピューレを仕上げ、焼きあがったサルシッチャを盛る。生黒胡椒、マスタードを好みでつけながら、熱々を頬張りたい。
マシーンでミキシング、氷を入れてミキシング、手切りと3つの表情ある肉が詰まっているので、山形産豚の肩ロース肉の歯ごたえがにぎやか。滑らかだったり、大きめで無骨な感じだったりと、ひと噛みごとに弾ける食感の楽しいことよ!
イタリアワインはグラスで15~20種も用意! グラスをとことん味わおう
さて、ソーセージを頬張りながら次のワインを選ぼう。石井さんは、開店準備中に猛勉強をしてソムリエ資格をとり、さらに今はイタリアワインに特化して知識を深めている。
グラスワインを、産地・ブドウ品種・タイプをまんべんなく開栓し、毎夜15〜20種類用意。おひとり様でも料理に合わせて気軽にチョイス、いろいろ味わってほしいという想いが根底にある。
さらに、「どんな感じがいいですか? スッキリ? 濃いめ? 自然派?」と好きなタイプを聞いて、3〜4本まで絞り込んでボトルを並ぼう。ここから先は、料理とのマッチングを考慮したり、ジャケ買いしたり、石井さんにすべてを委ねたり……。
イタリアワインの魅力は、地方ごとにさまざまなブドウ品種、その土地の土着品種があること。「この自由な感じがいいですね」。
石井さんがとくに好きなのは、バリエーションが無限にあるといわれるシチリア島・エトナのワイン。ぜひ試してみて。
一度食べたら記憶に残る、太麺の“石井流カルボナーラ”
もともとパスタが好きで料理人を目指したという石井さん。とくに好きなカルボナーラは、自分スタイルを極めた自信作だ。「大好きで、修業時代はまかないでよく作っていたんです」
研究を重ねて生まれたカルボナーラは、生クリームの量を最小限にし、ベーコンと鶏肉のブロードで深い風味を、たくさんのペコリーノチーズでコクを出している。
使用する麺は、2.4㎜の太麺スパゲットーネ。茹で時間は20分で、茹でた後の仕上げのタイミングが重要だ。スピーディーに混ぜ、卵黄のかたまり加減がほどよい頃に火から下ろす。なめらかなソースが太麺に仲良く馴染んでいる。
ワインは、少し濃いめや樽をきかせた白、あるいは辛口タイプをすすめつつ、「赤でもいいですね。カルボナーラって何にでも合うので、本当にお好みで!」。
一度味わったら忘れられなくなる、ワインがすすむ魔物のカルボナーラ!
石井一輝さん(写真上)は、長野県上田市出身。パスタが好きで東京の調理師学校で学び、以来、イタリア料理を作り続けている。27歳で独立開業。周辺の同業者が仕事終わりに立ち寄れるようにと、深夜まで扉を開き、時にはワイン談義で一緒に盛り上がることもある。
さらなる夢は、「外国に、まずはアジアに進出したい!」
【メニュー】
<アラカルト>
・尾鷲産ガスエビのマリネ 1,200円
・一番人気! 山形豚自家製ソーセージ 1,100円
・カルボナーラ 太麺 スパゲットーネ 1,400円
・タスマニア産 サーモン厚切り燻製カルパッチョ 1.200円
・和牛トリッパピリ辛白ワイン煮込み 1,400円
<ドリンク>
・グラスワイン(白・赤) 900円〜1,200円
・ボトルワイン 4,000円〜
<テイクアウト・宅配(送料別)>
・おまかせセット 5,000円(税込)
・おまかせワイン付きセット 10,000円(税込)
※本記事に掲載された情報は、取材日時点のものです。また、価格は税抜です(アラカルトとドリンク)
ワインとイタリアン料理 141 自由が丘
東京都目黒区自由ヶ丘2-14-1 3F050-5488-1042(お問合わせの際はぐるなびを見たというとスムーズです。)
18:00~翌3:00
(L.O.2:00)
不定休日あり
https://r.gnavi.co.jp/121vjdyz0000/
この記事の筆者:松井一恵(文筆家)
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