パティスリー「アサコイワヤナギ」が開いたテイクアウト専門店『ASAKOIWAYANAGI PLUS』
2018.12.25 11:07
話題のパティスリー『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI』の新店が誕生
東急大井町線・等々力駅から徒歩4分のところにある『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI(パティスリィ アサコ イワヤナギ)』。旬のフルーツをふんだんに使った美しいパフェが話題を呼び、瞬く間に全国屈指の人気店となったパティスリーだ。そして2018年10月、その隣の建物にオープンしたのが『ASAKO IWAYANAGI PLUS(アサコ イワヤナギ プリュス)』。以下6カテゴリーを扱う専門店として、テイクアウトを中心に販売を行う店で、地元の人やスイーツファンを中心に早くも賑わいを見せている。
1.焼菓子・タルト・ギフト
2.ジェラート・パフェ
3.ショコラ
4.コンフィチュール(ジャムに似た、果物を砂糖に漬けて煮詰め保存性を高めたもの)
5.クレープ・ガレット
6.スペシャリティコーヒー ・日本茶
店内に一歩足を踏み入れると、グレーベースのシックで洗練された空気に包みこまれる。中央には大きなカウンターが広がり、横のショーケースにはタルトやパフェ、ショコラなど目にも鮮やかなスイーツが綺麗に陳列されている。
これらのスイーツを生み出すのがパティシエールの岩柳麻子さん。全国のスイーツファンをトリコにし続ける気鋭のパティシエールである。
内装を手掛けるのは、ご主人であり一級建築士の宿澤巧(しゅくざわ たくみ)さん。グレーに統一されて落ち着いた店内は自然光やライティングによって、スイーツを芸術品のようにひときわ美しく引き立たせる。
山梨県にある宿澤さんのご実家は『宿沢フルーツ農園』を営んでいるため、『ASAKO IWAYANAGI』の代名詞ともいえる、新鮮なフルーツを贅沢に使用したスイーツの数々を生み出し続けられるのである。
そんな『ASAKO IWAYANAGI PLUS』の世界をご紹介しよう。
味や食感・見せ方まで、こだわりの詰まったジェラート
こちらは同店おすすめの「ジェラート」。新鮮な乳製品やフルーツを、イタリア『カルピジャーニ』社のジェラート製造機にたっぷりと入れ、空気を含ませながらしっかりと攪拌(かくはん)し、冷却していく。この工程によって、優しい甘みと滑らかな舌触りを実現している。
旬のフルーツはもちろん、こだわりの茶葉やショコラを使ったものなどを季節ごとに、常時12種類をラインナップ。
カウンターの大部分を占める、一見それと分からないような“珍しいケース”たち。
ちまたのアイスショップのような全種類見渡せるショーケースは使用せず、左官で仕上げたポゼッティ(冷却容器)ジェラートケースが鮮度と質を保ってくれる。
単品の場合はカップかタルト生地の上に盛って提供。後述の「パルフェ アンポルテ」や「クレープビジュー」へのトッピングとしても、その味わいを楽しむことができる。
プレミア感がたまらない、旬フルーツをクレープで堪能
同店もうひとつの人気商品は「クレープ」。注文を受けてからパティシエールが焼き立てを提供してくれる。生地には、パリのブーランジェリー達も愛用するフランス『VIRON(ヴィロン)』社の小麦粉を使用。フルーツを使用しないシンプルな「エシレバターとカソナードのクレープ」では、その小麦粉自体の味わいをバターの芳醇な香りとともに堪能できる。
旬のフルーツを巻いた「クレープビジュー」や、4種のチーズ、コンプレ(ロースハム、ルッコラ、チーズ等)から選べる「ガレット」もラインナップ。
この日の「クレープビジュー」は、「柿と安納芋」と「モンブラン」の2種類。
「柿と安納芋」(写真上)は、サクッとした歯ごたえのある新鮮な生の柿と香り高くキャラメリゼした柿に、安納芋の蜜煮が入っている。
それを包み込むフロマージュブラン(クリーム状のフレッシュチーズ)に赤すぐり(ベリーのような酸味の強い果実)とフランボワーズ(ラズベリー)ソースの酸味が引き立つ。
パティスリーならでは渾身のクレープだけあって完成度が高く、素材一つひとつの味わい、それを合わせた味わいを確かめながら食べたい一品だ。
さらに同店では、各スイーツに合う日本茶・コーヒーを、バリスタが提案してくれる。
▲バリスタの島田佳祐さん。高品質の豆を丁寧に淹れ、最適なペアリングを提案してくれる
「柿と安納芋のクレープ」の柿のフルーティな味わいと蜜煮した安納芋の濃厚さには、浅くローストした「コスタリカ ラクティージャ農園」を、「モンブランのクレープ」のこっくりとした栗の甘さには、酸味のある「エチオピア ゲデブ」をペアリング。
「エチオピア ゲデブ」のような酸味の強いコーヒーは苦手な人が多いが、飲み方次第でフルーツのような良い酸味を感じ取ることができる。スイーツをきっかけにコーヒーの奥深さを知ることができ、来店のたびに楽しみが増えそうだ。
『ASAKO IWAYANAGI』イズムが感じられるパフェをテイクアウトでも!
“テイクアウトのパフェ”を意味する「パルフェアンポルテ」(写真上)。『PÂTISSERIE ASAKO IWAYANAGI』イズムが感じられるパフェを、行列に並ぶことなくお家で堪能できる人気商品だ。「アンポルテ 季節の柑橘」には「包種茶」(ほうしゅちゃ)をペアリング(写真上)。
普通の烏龍茶よりも軽めに発酵させ、緑茶に近い風味のある半発酵の烏龍茶「包種茶」が、パフェを構成する爽やかな温州みかんやレモンジュレによく合う。
そこに、ほうじ茶ブランマンジェ(白いムース)のすっきりとした苦みやフロマージュブランのクリーミーな味わいが加わり、最後は「包種茶」でさっぱりと締めくくるという完璧な流れだ。
バターサンドの新境地! ドライフルーツのおいしさを再発見
新鮮なフルーツへのこだわりが強い同店。そのフルーツを活かして、保存料や甘味料などを使わない自家製ドライフルーツも作っている。厳選された素材の力と絶妙な乾燥加減、フルーツのおいしさを知り尽くしているからこそ作りえる職人技だ。
これらのドライフルーツのおいしさを一番実感できるのが「バターサンド」(写真上)。シャクシャクとした歯ざわりのドライフルーツは生のジューシーさや香りを残しながらも、凝縮した甘みが強く存在する、まさにフルーツのいいとこ取り。
無塩バターがサブレにほどよく溶け込むことで、より一層上品な味わいを感じられるのもおもしろい。
その他、店内の棚には焼き菓子やコンフィチュールなど、手土産に喜ばれるスイーツたちも数多く並ぶ。
「今後はショコラのラインナップを充実させて、オリジナルのクーベルチュール(カカオ、ココアバターの含有量が多いチョコレート)を使ったボンボンショコラの提案にも力を入れていきたいです。」(岩柳さん)
素材の良さを生かしたスイーツに圧倒的なセンス、完璧な環境を手にした『ASAKO IWAYANAGI』。
どこまでも進化し続ける『ASAKO IWAYANAGI』の世界観、季節ごとに通いたくなるお店がまた一つ増えることになるだろう。
【メニュー】
ジェラート 500円~
パルフェ アンポルテ 800円~(ジェラートトッピング +400円~)
バターサンド 360円
タルト 450円~
クレープ
フランス産バターとカソナード 600円
クレープビジュー(ジェラート1種類入り:2種の中から選択可能)
└柿と安納芋 1,000円(ジェラート2種入り +200円)
└モンブラン 1,200円(ジェラート2種入り +300円)
ガレット
4種のチーズ 800円
コンプレ(ルッコラ、ハム、卵、チーズ) 1,200円
ドリンク
温かいお茶 500円
冷たいお茶 550円
エスプレッソ 420円
コーヒー 550円
カフェ・ラテ 620円
※ペアリングとしてセットで注文する場合 (−100円)
※本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。また、価格はすべて税別です。
ASAKO IWAYANAGI PLUS(アサコ イワヤナギ プリュス)
〒158-0082 東京都世田谷区等々力4-4-503-6809-8355
10:00~19:00
月曜(祝日の場合は翌日)
この記事の筆者:Kyoko Maruyama(ライター/フードアナリスト)
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