ミニマルを極めるおしゃれ術!【COS】の達人コーデがお手本
飾り気を遠ざけた、シンプルさが持ち味の着こなし「ミニマル」は、2023年あたりから世界的に注目されています。秋冬に取り入れたい理由は、大敵の「着ぶくれ」を避けやすく、組み合わせも手軽だから。ニューヨークで発表された、ロンドン発のブランド「COS(コス)」の2024-25年秋冬コレクションにはミニマルを自分好みにアレンジする知恵が詰まっています。今回は「COS」を巧みに着こなしたおしゃれ達人たちのルックを参考に、ミニマルとの付き合い方をご案内します。
ジレ×パンツでワンピースライクに
ミニマルを着こなす手軽な方法は「パーツを減らす」です。上下で2枚までにとどめれば、すっきりした見え具合に。さらに、服のボリュームを抑えると、コンパクトに映ります。重宝なアイテムはジレ(ベスト)です。
腰を隠す着丈のロングジレとゆったりめのパンツで組んだセットアップです。ダークトーンの無地でそろえたので、ワンピースライクにまとまっています。細めのベルトをキュッと締めて、細感とめりはりをダブルで印象付けました。トップスを内側に着込んでいても、ジレからはみ出させないのが「ミニマル見せ」のコツです。
シンプルとチャーミングの調和
服の面積を小さく抑えるのがミニマルの入口だから、ミニスカートは便利に使えます。チャーミングな印象を盛り込めるのもミニ丈ボトムスのいいところ。着こなしにあたっては上下で量感をずらして。トップスまでコンパクトにすると、小ぶりに見えすぎるうえ、肌露出も多めになりがち。トップスは長袖が好バランスです。
トップモデルの萬波ユカさんが「COS」のショーに来場。シンプルなタートルネックの長袖ニットをさらりとまとって、その上からネックレスを重ねて、リュクス感をプラス。ミニスカートでトップスとの「長短アシンメトリー」に整えました。ロングブーツで足元をクールに引き締めたのも、レッグラインが伸びやかに映る「技あり」スタイリングです。
白を効かせた大人レイヤード
少ないアイテムの組み合わせで、きれいめに整えるには、レイヤードが大事です。全体がのっぺりして見えないよう、色やボリュームのコントラストを際立たせるアレンジが効果的。「黒×白」といった、違いのわかりやすい色合わせが役に立ちます。
白シャツの上からニットトップスを重ね、首周りと裾からシャツをあふれさせました。上下からシャツがこぼれて、縦長イメージが強まっています。ボトムスはスリット入りのニットスカートでスッキリまとめました。ロングブーツで合わせて、大人スタイリッシュなレイヤードルックに仕上がりました。
大人が取り入れやすい濃いめ「デニムonデニム」
デニム素材を使ったミニマルコーデも組み立てられます。基本形は上下を同じデニム生地でそろえる「デニムonデニム」。濃いめのインディゴブルーや黒系カラーを選ぶと、シックにまとまります。
インディゴブルーのロウデニム・ジャケットとパンツでそろえた「デニムonデニム」ルックは色落ちがない分、スタイリッシュな雰囲気。シャツをウエストインすることで、デニムでありながら、きちんと感も漂う、大人が取り入れやすいお手本コーデに仕上がっています。サングラス、ベルト、バッグ、ブーツを黒系で統一してシックに引き締めました。
「肌ピタ」系でシャープな着映えに
ミニマルコーデの魅力は、ボディーラインがシャープに映るところです。着こなしのポイントはダーク系の引き締め色をキーカラーに選ぶ点。フィット感の高い「肌ピタ」系ウエアはコンパクトなイメージをさらに引き立ててくれます。
ほのかに透け感を帯びたシアー系のニットトップスはボディーになじんで、スレンダー感を引き出しました。ボトムスにはレザー仕立てのキュロットを選んで上下で異素材ミックスに。ロングブーツもレッグラインを伸びやかに描き出しています。
バッグと靴をアクセントにカジュアルアップ
アイテム数が少ないミニマルコーデでは、小物や靴が大事なプレーヤーになります。ボディーのコンパクト感を引き立てるのは、やや大きめのバッグ。靴はブーツやごつめタイプで華奢感を引き出したり、ポインテッドトゥでレディー感を添えたりと、選択肢がいっぱいです。
ジップアップのニットウエアでほっこりムードに整えつつ、ボトムスはメンズ風パンツで合わせました。カジュアル寄りのコンビネーションなのに、全体におしゃれ感が備わっているのは、バッグと靴のおかげ。大ぶりのパッファーバッグは朗らかなムードを添えました。ポインテッドトゥのパンプスは足元にキリッとした雰囲気を呼び込んでいます。
ミニマルコーデで秋冬もしなやか見え 「COS」がお手本
「COS」はロンドンを拠点とするファッションブランドです。機能性とタイムレス感を兼ね備えたコレクションで知られます。リサイクル素材や再生生地を採用し、サステナビリティーや環境に配慮した取り組みを進めています。
2024-25年秋冬コレクションでは自然からインスピレーションを受けた、質感の豊かな素材や色を打ち出しました。エレガントな洗練ルックをテーラリングで表現。リラックス感と落ち着きを両立しています。
ミニマルな装いは癖が強くないので、しなやかなシルエットを印象付けやすい着こなしです。スタイリングが比較的手軽にできるのもうれしいポイント。シンプルながら洗練された印象を与えるミニマルコーデは様々なシーンで活躍すること間違いなしです。
ファッションジャーナリスト 宮田理江
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