「アンチヒーロー」続編の可能性は?最終回で真犯人明かさなかった理由をプロデューサーが説明【飯田和孝P囲み取材Vol.3】
2024.06.16 22:19
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16日に最終回を迎えたTBS系日曜劇場「アンチヒーロー」(毎週日曜よる9時~※最終回は25分拡大スペシャル)。同作を手掛ける飯田和孝プロデューサーがモデルプレスら報道陣の取材に応じ、キャストの裏話、続編の可能性についてまでたっぷりと語った。<飯田和孝P囲み取材Vol.3/※ネタバレあり>
長谷川博己主演「アンチヒーロー」
本作は「弁護士ドラマ」という枠組みを超え「殺人犯をも無罪にしてしまう」“アンチ”な弁護士・明墨正樹(長谷川博己)が視聴者に「正義とは果たして何なのか?」「世の中の悪とされていることは、本当に悪いことなのか?」を問いかける、前代未聞の逆転パラドックスエンターテイメント。白木(大島優子)の意味深な表情の真意は?
第9話で、“裏切り者”として描かれ視聴者に衝撃を与えた白木凛(大島優子)について、飯田Pは「視聴者のみなさんが『これは絶対に作戦だ』と裏を読んでいろいろ議論してくださっていて面白いなと思いましたが、『そう信じたい』というお言葉を受け、信じたいということは、“やっぱり仲間であってほしい”とキャラクターに対する愛着を持ってくれているのかなと感じて嬉しかったです」と言葉に。一方、白木が時々意味深な表情を見せたカットについて「赤峰や紫ノ宮(堀田真由)にだんだん嫉妬心が芽生えてきていたというのも事実だったので、裏切りを立たせるための表現として狙い通りだったと思います」と話していた。
長谷川博己&野村萬斎、役とシンクロしていた関係性
また、検事正の伊達原泰輔(野村萬斎)については「完全懲悪像で倒される敵というよりは、人間味やどこか悲哀のある様を伊達原に出したくて、萬斎さんなら表現していただけるのではないかと思ってキャスティングさせていただきました」と萬斎の起用理由を明かしたうえで、「そこにプラスアルファとして、長谷川さんが萬斎さんの舞台に出演していたり、『シン・ゴジラ』で共演したりという2人の関係性が乗っかって『ここまで来い』『いつか俺を暴いてくれ』というような思いが、もしかしたらどこかにあって、役としても、ご本人たちとしてもシンクロしていました」とコメント。また「2人のコミュニケーションを見ていると、言葉数多く語ることはないですが、お互いに感じ取って意思疎通していく掛け合いがあって、それが今回のシーンや役としての関係値を生んでいていたのかもしれない」と語った。「アンチヒーロー」飯田P、視聴者の反響がヒントに
毎週放送後に飛び交う視聴者の反響や考察はよくチェックしているという飯田P。「そこからいろいろな課題が見つかって『これだとこう感じるのか』『もっとここ繊細にやらないといけないんだな』と実感しました。目の肥えた方たちからの声は、我々が制作する上での勉強として捉えさせていただきました」とコメントした。「僕もよく思うのですが、1つの事柄が全部繋がってくると『え、それってもっと前から気づいてたでしょ?』というようなツッコミが後から出る可能性があって、そうした違和感を生まないよう注意していました。例えば、糸井一家殺人事件で挙がったボツリヌストキシンは「最初からわかってたんじゃないの?」というツッコミも、元々改竄してあったけど明墨が加わったのは途中からだったから、毒に辿り着くには桃瀬(吹石一恵)の日記と手紙の存在、志水のノート、そして赤峰(北村匠海)・紫ノ宮(堀田真由)の2人の成長があったからであって、それまでは唯一の証拠となっていた動画を探すことに必死だったんです。桃瀬の母(麻生祐未)から預かっていた資料も散々読んだけど、改竄の余地は疑わなかった中、9話で出てくる…というようなパズルの埋め方の難しさを感じました。自分たちでツッコミを入れながら、綻びが出ないよう細心の注意を払って作り上げました。
例えば9話では、赤峰が桃瀬の実家からどっさりと書類をもらってくる設定だったのですが、当然明墨も会いに行っているし信頼されているなら最初から関係する所持品は全部渡しているんじゃないかという指摘がディレクターからありました。その後整理して、関係ないと思うけど出てきたものが日記だった。日記というパーソナルなものを渡すには相当な思いが必要だと思いますが『新たな仲間もできて、先生の下の世代の人たちが自分の娘のために頑張ってくれていた』という明墨らの思いを受けて、最後に日記を託すという筋になりました」と設定やキャラクターたちの心情を丁寧に伝えた。
「アンチヒーロー」飯田P、続編に言及
そして最終回では、ストーリーの軸となっていた明墨が追う12年前の糸井一家殺人事件の真相が解明されないまま幕を閉じたところも気になる一つのポイント。これを受け、続編に淡い期待を寄せる声も上がると「ご想像にお任せします」と返した飯田P。真犯人の設定は決まっており、それを明かすかどうかは制作陣の中でも議論になっていたとし「犯人を明かす必要のあるドラマかと聞かれたら、そこが論点ではないといという判断からあえて出してません。『犯人はまだのうのうと生きてるんだろうな』という想像ができるので、そこを膨らませても面白いかなと思います」と真相を明白にしなかった理由を明かした。改めて続編の可能性を聞かれると「やれるのであればやりたいという思いはあります。キャストのみなさんも、このチームで良い関係性が出来上がったという印象を持たれていて、実際に“もし続編があるなら?”という妄想遊びはスタジオの前室でもしていました。例えば(木村)佳乃さんは『私にラブ路線ないのかしら?伊達原にあんなべったりつきっきりで…』みたいなことを話されていました(笑)」と現場での裏話も交えて語った。(modelpress編集部)
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