<ブラッシュアップライフ>考察飛び交う“服の色”は「人生何周目という意味ではなく…」小田玲奈Pが明かす制作裏話
バカリズムが脚本を務める、安藤サクラ主演ドラマ「ブラッシュアップライフ」(毎週日曜夜10:30-11:25、日本テレビ系)が、現在放送中。安藤演じる主人公・麻美が何度も人生をやり直すというユニークな物語のみならず、親友の夏希(夏帆)や美穂(木南晴夏)との何気ない会話や、登場人物たちの服の色などにも注目が集まっている本作。SNSなどでさまざまな考察がされている中、WEBザテレビジョンでは小田玲奈プロデューサーにインタビューを実施。本作を作る上でのこだわりやキャスト陣の魅力、撮影の裏側などについて語ってもらった。
人生をゼロからやり直す“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”
同ドラマは、33歳の独身女性・近藤麻美が、人生をゼロからやり直す“地元系タイムリープ・ヒューマン・コメディー”。2月26日放送の第8話では、4周目の人生を送る麻美が、同じく人生をやり直し続けている真里(水川あさみ)に“やり直し”を見抜かれた。そんな真里の口から語られた衝撃の事実を知った麻美は、3月5日(日)放送の第9話で「5周目の人生」をスタート。真里と共にパイロットを目指すと宣言し、大好きな夏希と美穂の乗る飛行機事故を阻止しようとする。
「いわゆる“恋バナ”というか、そういう話をほとんどしないんです」
――男性のバカリズムさんがなぜこんなにも女性たちの共感を呼べる物語が書けるのかと話題になっていますが、共感を呼んでいるポイントは何だと思いますか?
升野さん(バカリズム)は、脚本を書く上で性別を意識していないと言っていて。普段お話するときも、そういう男女差みたいなものは感じないです。男性と女性って、実は普段話している内容は、そんなに変わらないと思うんですよ。今回の麻美たちの会話も、升野さんが普段話しているようなことを書いているなって感じます。
麻美、夏希、美穂の3人って、いわゆる“恋バナ”というか、そういう話をほとんどしないんですよ。ドラマでは、女性が集まったら男性の話をするように描かれることも多いですが、女性が話す内容ってそれだけじゃない、これも多くの方に共感していただけている理由の一つだと思います。
バカリズム脚本の魅力は「日常を描きながらも、ドラマとしてちゃんとオチがあって面白い」
――小田さんが感じるバカリズムさんの脚本の魅力を教えてください。
升野さんは、いつも「ドラマではなくドキュメンタリーのような、隠しカメラで撮っているようなものをドラマにしたい」と言っているのですが、その言葉の通りに日常を描きながらも、ドラマとしてちゃんとオチがあって面白い脚本を書くんです。これは、なかなかできることではないと思います。
今回、1話を見たときに「こんなに無駄なことばかりしゃべっているドラマは他にない」と思った方もいるかもしれないのですが、最終話まで見た後に改めて1話を見ると、本当にびっくりするくらい、隙間なくぎっしり先々の伏線が詰め込まれていることが分かると思います。
――現在の反響についていかがですか?
1話の放送前には、本当はたくさん意味が込められているんだけど、「こんなに意味がないような会話を流して、視聴者の方はついてこられるんだろうか?」という不安や、2話の時には「シール交換の話をこんなに長い時間を使って描いて大丈夫だろうか?」という不安を感じていたのですが、放送後に(SNSなどで視聴者の反応を見て)そんな心配は不要だったと安心しました。
3話に関しても、1話とほぼ同じことを繰り返している展開だったから「これは視聴者の方が見て本当に面白いのだろうか?」と思ったこともあったのですが、サクラさんをはじめとするキャスト陣の力もあって、面白さが伝わったかなと思います。
リアル過ぎる描写は取材の賜物「じっくり時間をかけて根掘り葉掘りどうでもいいことまで…」
――麻美が経験する職業についても、描写がそれぞれリアル過ぎると話題になっていますね。「テレビ局編」では、小田さんご自身の体験も含まれているのでしょうか?
私も升野さんの取材対象者でした。ただ私だけでなく、たくさんのドラマスタッフを取材しています。なので、私だけの話では断じてありません(笑)。
4~6話の撮影中は、現場の私たちもずっと変な汗をかきながら撮影をしていました。衣装合わせのシーンとか、わざわざ世の中の人に見せるようなことじゃないんだけどなあ、って(笑)。テレビ業界ってもっと華やかなイメージでダイナミックなエピソードも描けそうなのにそういうシーンはまったく出てこない(笑)。でも実際には地味なことの積み重ねだったりするので、今回みたいな側面をお見せできて、しかもそれを視聴者の方にも面白がってもらえて、いい思い出になりました。
そして、「テレビ局編」に限らず、地方公務員や研究医、パイロットの方たち、皆さん同じように取材をしています。じっくり時間をかけて根掘り葉掘りどうでもいいことまで聞くんです。「薬剤師編」で、野間口徹さん演じる宮岡を“自分では絶対に鍵を開けないキャラクター”として描いているのですが、実際にそういうエピソードを話してくれた人がいて(笑)。升野さんも面白いと思ったみたいで、それをそのまま書いてました。
かなり個人的な話に感じるけど、実際にそういう人がいるっていうことは、似たようなことをする人はたくさんいるのかなと思うので、すごく良いと思います(笑)。その仕事の根幹ではないところまで取材しているからこそ、リアルで面白いものを作ることができているのかなと思っています。
視聴者の考察は「細かいところまで見られちゃっているぞ!やばい!って…(笑)」
――SNSなどではさまざまな考察がされていますが、それを見ていかがですか?
スタッフ全体の士気が上がっているっていうのもあるんですけど、細かいところまで見られちゃっているぞ!やばい!っていう気持ちの方が強いです(笑)。視聴者の考察を見て話を変えるようなことはないけど、みんながちゃんと見てくれている分、“この時代にこのことって本当にあったのかな?”などを常に調べています。台本に書かれてれていない部分でも、美術品、例えばDVDの発売年やお菓子のパッケージを細かいところまで調べて、日々ドキドキしながらやっています(笑)。
――小道具や音楽のセレクトがすごくしっかりしているからこそ、その年代の世界観が出るんですね。
そうですね。美術部もそうだし、衣装部などもすごく考えてやっています。さまざまな考察を見ている中で、意外とそういうことでもないんだけどな、って思うこともたくさんあるんですけど(笑)。
例えば、服の色についての考察をよく見るんですけど、人生何周目だからその色、みたいな意味はないんです。例えば麻美が2周目になったときに、1周目と同じシーンを繰り返すから、服の色が変わっていると分かりやすいじゃないですか。あんなに茶色かった3人のうちの一人が、例えば黒くなっていたりするとか。
そもそもテレビ業界で働いている人は黒い服を着ている人がすごく多いから、麻美も黒っぽい服を着るようになって。そんな麻美が地元の友達と会うと、一人だけ黒を着ているから浮いて見えるみたいな。そういうことをやろうっていう思いから、服の色を決めました。
これは裏話になるんですけど、麻美の地元にいる人は、実はみんな前髪があるんです。地元に美容院が一個しかないっていう想定で、同じ美容師さんが切ってくれているからみんな似ているような髪型になっている、っていう。そういう裏設定から、前髪につながりました。
――物語は第9話から最終章に入りますが、今後の見どころを教えてください。
なっちとみーぽんを飛行機事故から救えるのか、そして麻美たちは仲良し4人組に戻れるのか…想定外の邪魔が入ったり、まだまだいろいろあります。9話のOAを見た視聴者の皆さんがびっくりするのが目に浮かんで、今から楽しみです。
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