彼女からおじさんに話しかけられたとメッセージが来て、嫉妬と思われない返し方を考えた
通知が光ったあの夜
残業を終えて会社のデスクで一息ついたとき、スマホの通知が光りました。開いてみると「今日電車で知らないおじさんに話しかけられたよ」という彼女からのメッセージだったのです。
頭の中で「知らないおじさん」という単語が妙に引っかかりました。電車で。いったい何を話したんだ。画面の入力欄に「ふーん」と打ちかけて、消しました。落ち着いた返事ではダメだ、もう少し情報がほしい。気づけば、彼女から送られたメッセージを何度も読み返している自分がいました。
気づけば連投していた質問
最初に打ったのは「何歳くらい?」でした。これは、まあ自然な質問だと自分でも思いました。けれど答えを待つ前に、「何話した?」「何駅から?」「隣に座ってきた?」と連投してしまったのです。
送ってから、これは完全に嫉妬している男の文面だ、と思いました。彼女のトーク画面に、自分の質問だけが4つ並んでいる。普段は短い返事しかしない自分が、こんなに前のめりになっている。彼女の前で、束縛する彼氏だと思われるのだけは避けたかった。それなのに、もう質問は止まらない。答えを聞かないと、勝手に作り上げた男の像が消えてくれないのです。
「おじいちゃんだよ」の一文
すぐに「もしかして嫉妬?」と返事が来ました。心の中では「嫉妬しています」と答えていましたが、打ち込んだのは「違う。防犯上の確認」という、自分でも信じられないくらい苦しい言い訳だったのです。防犯上の確認、と言っている割に、僕の質問は明らかに人物像に偏っていました。彼女もそれはわかっていたはずです。それでも彼女は「80歳くらいのおじいちゃんだよ。お孫さんのプレゼントの話してただけ」と返してくれました。
そのメッセージを読んだ瞬間、僕は反射的に「なら良い」と打ち返してしまいました。送信してから、自分でも情けないくらいの安堵だと気づきました。「大人っぽい彼氏」の仮面は、そのトーク画面の上で剥がれ落ちたのです。
そして...
翌朝、コーヒーを淹れていたら、彼女が後ろから「昨日の質問、面白かったよ」と笑いかけてきました。覚悟を決めて「昨日のあれ、ごめん。ちょっと心配だった」と素直に謝りました。
それでも一晩反芻していた本音が止まらず、つい「『知らないおじさん』だけで、勝手に若い男を想像してた」と付け加えてしまったのです。「大人っぽい彼氏」の演技を、彼女はとっくに見抜いていたのかもしれません。だったら、もう無理に取り繕うのはやめようと思いました。次に同じようなメッセージが来たときは、最初から「ちょっと心配だ」と打てる自分でいたいです。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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