「育児なんて誰でもできるだろ」と笑っていた僕が、たった1日のワンオペで妻に頭を下げた話
妻の「疲れた」を聞き流していた日々
正直に言うと、妻が「育児が大変」と口にするたびに、心の中では「家にいるだけだろう」と思っていました。妻は子どもと家にいて、職場の上司に怒鳴られることも、満員電車に揺られることもない。それなのに「疲れた」と言うのが、僕には理解できなかったのです。
ある夜、妻が体のだるさを訴えてきたとき、僕は思わず笑って言ってしまいました。「専業主婦なのに、なんで疲れるの?」。続けて口から出た言葉は「育児なんて誰でもできるだろ」。妻はうつむいたまま、何も言いませんでした。あのときの妻の顔を、僕は今になって思い出します。
「お願い、今日だけ仕事休んで」
朝、隣で寝ていたはずの妻に揺すられて起きました。「お願い、今日だけ仕事休んで」。声がかすれていて、頬は熱で赤くなっていました。会社に欠勤の連絡を入れながら、内心では「半日で済むだろう」と楽観していたのです。妻が寝室にこもったあと、息子と二人きりでリビングに残されました。最初の30分は何ともありません。けれど、おむつ替えに失敗し、離乳食をひっくり返され、抱っこをおろすと泣き出す。気がつくと、僕の額には汗がにじんでいました。
昼前のSOSと、自分から鳴らした電話
午前11時、とうとう僕は妻にメッセージを送りました。「全然泣き止まない」。返信はありません。1時間後、「ご飯も作れない」と続けて打ちました。妻は寝込んでいるのだから当然です。それでも、誰かに助けを求めずにはいられませんでした。夕方、息子をおんぶしたまま、僕はとうとう妻に電話をかけていました。「お前、毎日これやってたの?」。第一声がそれでした。妻は何も答えませんでした。僕は返事を待つこともできず、勝手にしゃべり続けていたのです。自分の口から出る言葉に、自分が一番驚いていました。
そして...
翌朝、僕は妻より早く起きて、リビングで紙を広げました。育児と家事を時間ごとに書き出し、自分が担当できる部分を線で囲みました。書き出してみて、はじめてその量に手が止まりました。これを毎日、しかも文句もこぼさずに妻はやっていたのか、と。寝室から出てきた妻に、「ごめん、何もわかってなかった」と頭を下げました。妻は驚いた顔をして、それから少しだけ笑いました。「誰でもできる」と言い切っていたものが、実は妻にしかできない積み重ねだったのだと、ようやく気がついた朝でした。
(30代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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