不器用な俺の「考えてた」が冗談に聞こえたらしい。誕生日サプライズを全部バラした夜
いつもより正直に答えた一言
夜9時を過ぎた頃、彼女が仕事から帰ってきました。俺はソファでスマホを見ながら、来月の彼女の誕生日のプランを最終確認していたところでした。レストランの予約は1カ月前に取り直したばかりで、その日はちょうど予約完了の画面を眺めていたのです。
着替えを終えた彼女が隣に座ってきて、「今何してた?」と聞いてきました。普段ならスマホを伏せて「何も」と答えるところを、その夜は少しだけ気が緩んでいたのかもしれません。俺は素直に「お前のこと考えてた」と答えました。
口にしてから、自分でも少し照れくさくなりました。普段こういう言葉は使わない人間なので、ほんの少しだけ勇気を出した一言だったのです。
「嘘つけ」と笑われて、つい
彼女は吹き出すように笑って、「嘘つけ」と返してきました。冗談で言われていると思ったのでしょう。普段の俺ならそこで「だよな」と笑って終わらせたはずです。でもその日は、本気だったから笑い飛ばされたのが、少しだけ寂しく感じました。
「……ほら」とだけ言って、見ていた画面を彼女の方に向けてしまいました。手元には、レストランの予約完了画面がそのまま残っていたのです。来月の彼女の誕生日の日付がはっきりと出ていました。
彼女が「えっ……」と声を漏らしたのが聞こえました。
当日まで隠したかったのに
そのままスワイプしてしまったのが運の尽きでした。彼女の親友とのチャット履歴、検索履歴、メモアプリの誕生日プラン。1カ月以上かけて、自分なりに丁寧に積み上げてきた準備が、その夜のうちに彼女の目に全部触れてしまったのです。
親友に送った「あいつが最近欲しがってるブランド、何だっけ」というメッセージまで、しっかり見られてしまいました。「ごめん、本気にしてなくて……」と彼女が小さく謝りました。俺は「いいよ」とだけ答えました。怒っているわけではなかったのです。ただ、当日まで秘密にしておきたかった気持ちが、少しだけ宙に浮いたままになっていました。
そして...
「本当は誕生日まで黙ってるつもりだったんだけど」。そう言って、俺はスマホを閉じました。彼女は黙ってソファに座っていましたが、しばらくしてから布団に潜って出てこなくなりました。
普段から愛情表現が下手な自分のせいで、「考えてた」が冗談に聞こえてしまったのだと思います。一度くらい、ちゃんと形で伝えたかった。だからこそ、隠しておきたかったのです。
ネタばらしにはなってしまいましたが、来月の誕生日、もう一度ちゃんと驚かせるつもりです。準備の中身は半分バレてしまったので、当日に何かもう一つ用意しておこうと思っています。今度は「嘘つけ」と笑われないように、もう少し普段から、伝えていこうとも思いました。
(30代男性・営業職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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