「俺だけ小遣い制って不公平じゃない?」と不満を言い続ける夫→家計簿を見せた夜の沈黙
「俺だけ我慢している」が口癖になった夫
平日の夜、夕食を終えた夫が缶ビールを開けながら言いました。「俺だけ小遣い制って不公平じゃない?」これで何度目か、もう数えるのもやめていました。「飲み会も趣味も我慢してるのにさ」と続ける夫の声には、はっきりとした不満がにじんでいたのです。確かに夫は月に2回までしか飲み会に行きません。趣味のロードバイクの新しいパーツも、ここ半年は買い控えていました。でも私だって、自分のための買い物なんて化粧品を必要最低限に揃えるくらいで、欲しい服を諦めるのはもう当たり前になっていたのです。
数字に語ってもらおうと決めた夜
その夜、私はそっとスマホを取り出しました。家計簿アプリには、ここ半年の収支が細かく記録されています。「じゃあ、家計簿見てみる?」画面を差し出すと、夫は少し意外そうな顔をしました。怒りを込めて見せたわけではありません。ただ、言葉では伝わらなかったことを、数字を見せて納得してもらおうと思っただけでした。
画面の上で動かなくなった視線
給与から住宅ローンが引かれ、食費、光熱費、保育園代、夫婦それぞれの保険料、通信費。差し引いていく数字を、夫はじっと追っていました。最後に残った「私の自由に使える金額」が、夫の小遣いより少ないことに気づいた瞬間、夫の視線がある一行のところで張りついたまま動かなくなったのです。「え、お前のほうが少ないの?」声は小さく、それきり夫はしばらく何も言いませんでした。私はただ、画面の隣に置いた湯のみを見つめていました。
そして...
翌朝、いつもより早くキッチンに来た夫が言いました。「今月から俺も家計把握させて」私は思わず手を止めました。怒っているわけでも、責めているわけでもない、まっすぐな声でした。それから1か月、夫は家計簿アプリを毎日開くようになり、コンビニでの何気ない買い物が目に見えて減りました。家計に関する会話も少しずつ増えています。私が伝えたかったのは「我慢比べに勝ちたい」ではありません。同じ家計の中にいるのだと、ただそれだけを共有できた夜のことを、私は忘れないでしょう。
(30代女性・事務職)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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