彼女のメッセージを3日間、開いては閉じていた僕の背中を押した、別アカウントからの一行
開いた瞬間、何も返せなくなった
火曜の夜、彼女から「来週の土曜、両親に挨拶行こうって母が言ってるんだけど、いつにする?」というメッセージが届きました。彼女との結婚は、僕の中でも自然な流れとして話していたつもりだったのです。
ところが、メッセージを開いた瞬間、画面の文字がやけに重く感じられました。返信を打とうとして入力欄を開きましたが、何を打っても言葉になりません。結婚そのものに迷いがあるわけではない。でも、両親に挨拶という具体的な段階になった瞬間、自分の中の覚悟が試される気がして、画面を閉じてしまったのです。
何度も開いては閉じての3日間
水曜も、木曜も、彼女のメッセージを何度も開きました。スマホを手に取るたびに「今日こそ返そう」と思うのに、いざ画面を見ると同じ場所で止まってしまうのです。仕事中も、ふと気を抜くと彼女の文面が浮かんで集中できませんでした。
返さなければ返さないほど、何を返せばいいのかわからなくなっていきました。「ちょっと待ってほしい」の一行を打つことすらできない自分が、ただただ情けなかったのです。SNSにはいつも通り投稿していました。日常を装うことで、自分の問題から目を背けていたのだと思います。
別アカウントから届いた一通
金曜の夜、見覚えのない名前のアカウントから「ブロックした?」というメッセージが届きました。最初は誰かのいたずらかと思いましたが、文面とタイミングですぐに気づきました。彼女が、わざわざ別のアカウントから送ってきたのだと。
彼女が3日間どんな気持ちで過ごしていたかが、その一行から痛いほど伝わってきました。本人にバレないようにアカウントを作るところから、確認のメッセージを送るまで、どれだけ勇気を振り絞ったのだろうと。これ以上、逃げてはいけないと思いました。
そして...
僕はすぐに「ブロックしてない。ごめん。明日会って話したい」と返しました。翌日、近所の公園のベンチで待ち合わせ、彼女の顔を見るなり頭を下げて、3日間返信できなかった理由を一つひとつ話したのです。結婚への迷いと、そこから目を背けていた弱さを、初めて声に出しました。
彼女は黙って聞いたあと、その場で泣いていました。許してもらえるとは思っていませんでしたが、彼女は「話してくれてよかった」とだけ言ってくれたのです。これからまた話し合うことが山ほどあります。でも、彼女が別アカから送ってくれたあの一通がなければ、僕はもっと長く逃げ続けていたと思います。あの一通に、心から感謝しています。
(30代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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