「起きてる?」と打ってから1時間。指が止まったままの深夜3時、俺には元カノに送るべき一言があった
入籍の日取りが決まった夜
入籍の日が正式に決まったのは、その日の昼間でした。今の彼女と3か月、ほとんど揉めることなく穏やかに付き合ってきて、自然な流れでそうなりました。両家への挨拶も済ませて、あとは紙を出すだけです。
夜、ベッドに入ってからも目が冴えていました。スマホの連絡先一覧を上から下までスクロールして、最後に手が止まったのは元カノの名前のところでした。3年付き合って、去年の秋頃に別れた相手です。彼女から最後に届いたメッセージへの返信に、俺が打ったのは「元気でね」でした。
書いては消した1時間
報告するべきか、しないべきか。何度も自分に問い直しました。報告すれば未練と取られるかもしれない。しなければ、後ろめたさが残る。でも俺の中では、もう答えが出ていました。あいつにだけは、ちゃんと自分の口から伝えたい。
「久しぶり。結婚することになりました。3年間ありがとうございました」打ってみて、すぐに消しました。仕事のメールみたいだ。「報告です。結婚します」これは事務的すぎる。「あの時はごめん。今度結婚することになった。元気で」これだと未練がにじむ。打っては消し、消しては打ち直すのを30分以上繰り返していました。
最後に残した一言
書きすぎるほど、これは自己満足になる。そう気づいたのは、十回目くらいの書き直しのときでした。
最終的に残ったのは「結婚することになった」でした。その前に「起きてる?」と一通。深夜3時に通知を鳴らすのが申し訳なくて、まず一言確認のつもりで送りました。そして勢いのままもう一通を続けて送信しました。
そして...
送信した直後から、後悔が押し寄せてきました。なんでこんな時間に。なんで一言だけ。もっと丁寧に書くべきだったかもしれない。でも結局、書こうとして消した言葉はどれも、俺が自分を許してもらいたいだけのものでした。
返事は来ませんでした。三日経っても、一週間経っても。それで正解だったのだと思います。あの夜、彼女が何を思って画面を見ていたのか、俺は一生知ることはありません。でもそれでいい。俺は、3年間をなかったことにしたくなかった。それだけで送ったメッセージでした。返事を待つのはやめて、俺は明日からの生活に向き直ろうと思いました。それが、いま俺にできる唯一のことでした。
(20代男性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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