彼女の「ショートカットにしたら?」に15分かけて返信を練った俺の、壮絶な心理戦
通知を見た瞬間の緊張
仕事終わりにスマホを開くと、彼女からメッセージが来ていました。「もし私がショートカットにしたらどう思う?」これは、あれだ。正解のない問いだ。
半年前の記憶がよみがえります。前髪を切るか聞かれて「似合うよ」と答えたら「嘘っぽい」と言われた。ならば正直に、と思って翌月「似合わないかも」と言ったら、その夜ずっと不機嫌だった。つまりこの質問は「似合う」と答えても「似合わない」と答えてもアウト。俺は半年で2回地雷を踏んだ人間です。3回目はない。
15分間の攻防
返信の下書きを始めました。最初に打ったのは「ショートも可愛いと思う」いや、これは「も」が余計だ。今のロングが基準で、ショートはおまけに聞こえる。消しました。
次に「好きにすればいいよ」と打って、これも消しました。投げやりに見える。「短い方が似合いそう」は、今の髪を否定している。「変えなくてもいいんじゃない」は、挑戦を否定している。
10分が経過していました。俺は何をしているんだろう。最終的にたどり着いたのは「お前が決めたなら何でも似合うと俺は思うけど、最終判断はお前に任せる」でした。完璧だ。どこからも攻撃されない。そう思って送信しました。
防衛線の崩壊
「政治家みたいな答え方やめて笑」。即座に撃ち抜かれました。見透かされている。「慎重に答えてるだけだ」と返したのが精いっぱいでした。
追い打ちが来ました。「好みを聞いてるの」。好みを聞いている。つまり、正直に答えろということ。でも正直に答えて半年前に痛い目を見ている。「ロングが好き」と打って消し、「今のままが好き」と打って消し、「どっちでも」と打って消しました。どれも危険だ。
5分かけて出した結論は「…ロング派」です。「好き」ではなく「派」にしたのは、最後の防衛線です。
そして...
「最初からそう言えばいいのに」という彼女の返事を見て、ようやく肩の力が抜けました。「それが一番危険だって学んだ」と返しました。これだけは本音が一瞬で出ました。
後日、彼女はショートカットにして現れました。似合っていました。本当に。でもここで軽く「似合うよ」と言えば半年前の二の舞です。5秒だけ黙って、ちゃんと見てから「似合ってる。本当に」と言いました。彼女は「嘘っぽい」と言いませんでした。俺の15分間の苦悩が、ようやく報われた気がしました。
(20代男性・IT)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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