毎年「まだ結婚しないの?」と聞いていた姪が連れてきた彼に、何も言えなくなった正月
心配だっただけ
姪が30歳を過ぎてもパートナーを連れてこないことを、私はずっと心配していました。「まだ結婚しないの?」と聞くのは、幸せになってほしいから。それ以上の意味はないと、本当にそう思っていたのです。
ある年、つい「何か問題があるんじゃないの」と言ってしまいました。姪は笑っていました。だから傷ついていないと思っていた。笑ってくれるなら大丈夫、そう自分に言い聞かせていたのだと思います。
悪気のない言葉
私だけではありません。従姉も「いい人いたら紹介するわよ」と毎回のように声をかけていました。姪はいつも「ありがとう」と答える。だから、受け入れてくれていると信じていました。
正月、姪から「今日は紹介したい人がいるんだ」と連絡がありました。正直、ほっとしました。やっと安心できる、と。リビングに現れた青年は穏やかで落ち着いた雰囲気の人でした。「なんで隠してたの」と、私はつい口にしていました。
突きつけられた言葉
挨拶を済ませたあと、彼はまっすぐこちらを見て言いました。「彼女が毎回つらい思いをしていたので、一緒に来ました」。つらい思い。その言葉が、胃の奥にずしりと落ちました。私は笑っている姪しか見ていなかった。笑顔の裏にあったものを、想像すらしていなかったのです。
姪が「隠してたんじゃないよ。聞かれなかっただけ」と言ったとき、返す言葉が見つかりませんでした。聞いていたのは「まだ結婚しないの?」だけで、「今、幸せ?」とは一度も聞いていなかった。
そして...
あの日以来、集まりの場で姪に結婚の話を振る人はいなくなりました。それは良いことのはずなのに、私の中にはもやもやとした感情が残っています。
心配だった。それは嘘ではありません。でも、心配という名前をつけて、自分の価値観を押しつけていたことも否定できない。姪が毎年笑っていたのは、受け入れていたからじゃなく、諦めていたからだったのかもしれません。
あの彼の一言は、正しかった。正しかったからこそ、胸に刺さったまま抜けないのです。
(60代女性・主婦)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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