彼女が深夜に送ってきた長文メッセージで、俺は自分の話し方の癖を初めて知った
電話のほうが誠実だと思っていた
「大事な話をメッセージでしないでくれ」。俺の口癖でした。文字では温度が伝わらない、誤解が生まれる。だから大事なことは声で伝えるべきだ。本気でそう思っていました。
彼女が何か言いかけると「ちゃんと電話で話そう」と切り替える。電話では自分の考えを順序立てて話す。彼女が「うん」「そうだね」と相槌を打つ。それで話し合いが成立していると信じていたのです。彼女の「うん」が同意ではなく、諦めだったことに気づいていませんでした。
俺のペースだった
振り返れば、電話の主導権はいつも俺にありました。俺が話し始め、俺が論点を整理し、俺が着地点を決める。彼女が口を開くタイミングでは、もう話がまとまっている。「それでいいよね?」と確認するとき、彼女はいつも少し間を置いてから「うん」と答えていました。あの間の意味を、考えようとしなかった。
同棲を始めてから家事分担の話も、俺の中では解決済みでした。電話で「じゃあ俺はゴミ出しと風呂掃除やるよ」と言って、彼女が「うん」と答えた。終わり。でも彼女の中では、終わっていなかったのです。
深夜の長文
出張先のホテルで、深夜にスマホが鳴りました。彼女からのメッセージ。「今回はメッセージで送るね。最後まで読んでほしい」。そのあとに続く長い文章を、ベッドの上で何度も読み返しました。
電話では言えなかった気持ちが、一つずつ丁寧に並べてあった。「対等に話し合いたい」。その一文を読んだとき、胃の奥がずしりと重くなりました。対等だと思っていたのは俺だけだったのだと、文字が突きつけていました。
そして...
翌朝、返信を打ちました。長い言葉は出てきませんでした。「電話だと俺ばっかり話してたんだな」。それだけ送りました。
出張から戻ると、彼女が言いました。「これからは大事な話はメッセージで送るから、ちゃんと読んで」。俺は「わかった。その代わり、読んだあとに電話させてくれ」と返しました。声で伝えたい気持ちは変わらない。でも、その前に彼女の言葉をちゃんと受け取る時間が必要だった。あの長文がなければ、俺はずっと「話し合えている」と勘違いしたまま、彼女の沈黙を同意だと思い続けていたはずです。
(20代男性・営業)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)
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